関係を見抜くコツ:「2倍にしたら?」
- 1つの量を2倍にしたとき、もう1つの量はどうなる?
- 2倍になる → 比例 / 1/2倍になる → 反比例 / 関係なし → どちらでもない
応用1:速さの問題
x が2倍(速くなる) → y は1/2倍(速く着く) → 反比例
距離 = 速さ × 時間 → 12 = x × y → y = 12/x
時速 4 km なら:y = 12/4 = 3時間
時速 6 km なら:y = 12/6 = 2時間
x が2倍(時間が2倍) → y も2倍(距離も2倍) → 比例
y = 60x (比例定数 60)
応用2:歯車(はぐるま)
かみ合う歯数は同じだから、A の歯数×回転数 = B の歯数×回転数
a × x = b × y
a と b が決まっていれば、xy = (b/a) × x² のような … いや、整理すると:
y = (a/b) × x ── これは x について比例
具体例:歯数36のAと歯数12のBがかみ合うとき、a/b = 3。Aが1回転するとBは3回転(B が小さいから速く回る)。
かみ合う歯数:x × y = 12 × (固定の回転数)= 一定
→ 反比例 xy = 一定
歯数が大きいほどゆっくり回り、小さいほど速く回る。
応用3:密度(みつど)と体積・質量
質量 = 密度 × 体積
y = 8x → 比例
体積 100 cm³ → 質量 800 g、 体積 250 cm³ → 質量 2000 g
y = 100x → 比例(個数倍)
表を使って関係を見つける
テスト問題でよくあるのが「表が与えられていて、式を立てる」パターン。y/x を計算して一定なら比例、xy を計算して一定なら反比例と判定できます。
この章でつまずきやすいところ
比例・反比例の文章題は、キーワードだけで判断しようとすると迷子になります。問題文を読んでいる途中、「これは比例?反比例?」と手が止まる瞬間に効く整理のしかたを集めました。式を立てる直前の一手に注目しましょう。
「速さが2倍なら時間も2倍」と思い込んでしまう
- つまずく場面:「12kmの道のりを速さxkm/時で進むとy時間」という問題で、速さが2倍になったから時間も2倍だと書きそうになる。比例しているように見えて、本当は逆の関係になっている迷いの瞬間。
- 克服のコツ:因果関係で整理します。道のりが一定なら、速く進むほど時間は短くなるので反比例。「速さ×時間=道のり」という式を先に書き、何が一定かを確認してから2倍・1/2倍を当てはめると向きを間違えません。
- ミニ例:12=x×y より y=12/x。時速4kmなら3時間、時速6kmなら2時間。速さが1.5倍になると時間は1/1.5倍に縮みます。
「増える=比例」とキーワードで決めつけてしまう
- つまずく場面:「xが増えるとyも増える」と問題文に書いてあるのを見て、反射的に「これは比例だ」と式y=axを書きそうになる。本当は積が一定の反比例や、まったく別の関係のこともあるのに気づかない迷い。
- 克服のコツ:見分け方で整理します。表が作れるならy/xが一定なら比例、xyが一定なら反比例。式しかない場合は「xを2倍したときyはどうなるか」を試し、2倍なら比例、1/2倍なら反比例、それ以外はどちらでもないと判定します。
- ミニ例:1辺xcmの正方形の周はy=4xで比例。面積はy=x²でどちらでもない。同じ「正方形」でも関係が違うので、必ず式で確かめます。
歯車問題で「歯数が多い=回転も多い」と取り違える
- つまずく場面:「歯数36のAと歯数12のBがかみ合う」の場面で、歯数が多いAのほうがたくさん回ると勘違いしそうになる。かみ合う歯の数は同じ、という前提を読み飛ばしてしまう迷いの瞬間。
- 克服のコツ:位置関係で整理します。かみ合う歯車はかみ合った歯の数が同じなので、歯数×回転数=一定。歯数が大きい方はゆっくり回り、小さい方は速く回ります。回転数だけ見て大きい・小さいを決めず、必ず歯数とセットで考えます。
- ミニ例:a×x=b×y より、歯数36のAが1回転する間に歯数12のBは3回転。小さい歯車ほど忙しく回ります。
単位がそろっていないまま式に入れてしまう
- つまずく場面:密度の問題で「2.7g/cm³」と「500g」と「体積何cm³」が混ざって出てきたとき、数字だけ拾って2.7×500と計算しそうになる。式y=2.7xのxとyがそれぞれ何の単位かを確かめないまま手が動いてしまう迷い。
- 克服のコツ:時系列で整理します。(1) 単位を表に書き出す → (2) 関係式を作る → (3) 数を代入の順を守ります。質量g、体積cm³、密度g/cm³のどれが求める量かを最初に決め、式の左辺と右辺の単位がそろうかを声に出して確認します。
- ミニ例:アルミの密度2.7g/cm³でy=2.7x。質量540gの体積は540=2.7x → x=200cm³。gとcm³を取り違えると答えが2.7倍ずれます。
練習問題
- y を x の式で表しなさい。
- 毎分 60m なら何分かかるか。
- 10分で着きたいときの速さは?
答えを見る
(1) 距離=速さ×時間 → 1200 = x×y → y = 1200/x
(2) y = 1200/60 = 20分
(3) 10 = 1200/x → x = 1200/10 = 毎分120m
- y を x の式で表しなさい。
- 50 cm³ のアルミの質量は?
- 質量 540 g のアルミの体積は?
答えを見る
(1) y = 2.7x
(2) y = 2.7×50 = 135 g
(3) 540 = 2.7x → x = 540/2.7 = 200 cm³
- 1辺 x cm の正方形の周の長さ y cm
- 面積 24 cm² の長方形の縦 x cm、横 y cm
- 1辺 x cm の正方形の面積 y cm²
答えを見る
(1) y = 4x → 比例
(2) xy = 24 → 反比例
(3) y = x² → どちらでもない(2次の関係)
まとめ ── 4章のおさらい
- 身近な現象には 比例・反比例の関係がたくさん。
- 判別法:「2倍にしたとき同じ倍率→比例、逆数倍→反比例」または「y/x が一定→比例、xy が一定→反比例」。
- 速さ:時間で表すと反比例(距離一定)、距離で表すと比例(時間×速さ)。
- 4章の流れ:関数 → 比例 → 座標 → 比例グラフ → 比例の式の求め方 → 反比例 → 反比例グラフ → 利用。
- 次章「5章 平面図形」では、図形の世界に入る。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
地図の縮尺は「比例」そのもの実生活
国土地理院の2万5千分の1の地形図では、地図上の4cmが実際の1km(1000m)にあたります。地図上の長さを2倍にすれば実際の距離も2倍になり、つねに2万5千倍という比例の関係になっています。だから地図上の長さを測れば、かけ算だけで本当の距離が計算できます。
密度がわかると体積から重さがわかる(比例)実生活
理科年表によると鉄の密度は約7.87g/cm³、アルミニウムは約2.70g/cm³です。同じ金属なら「質量=密度×体積」なので、体積が2倍になれば質量も2倍になり、これは比例の関係です。だから体積さえ測れば、実際にはかりにのせなくても重さを計算で求められます。
鉄のかたまりが水銀に浮く理由発展
理科年表では鉄の密度が7.87g/cm³なのに対し、水銀は13.55g/cm³もあります。密度が大きい液体の中では、それより密度の小さい固体は浮くので、重そうに見える鉄のかたまりも水銀の上では浮かんでしまいます。密度という「1cm³あたりの質量」の比べ合いが、浮き沈みを決めているのです。
太陽の光が届く時間は「速さ・距離・時間」で計算できる発展
JAXAによると地球と太陽の距離は約1億4960万km、光の速さは秒速約29万9792kmです。距離が一定なら、速さと時間はかけ算が一定になる反比例の関係で、距離÷速さで時間が求められます。実際に計算すると太陽の光は約8分19秒かけて地球に届きます。
同じ距離なら速さと時間は反比例発展
JAXAの数値を使うと、もし光より遅い乗り物で1億4960万kmを進むなら、速さを半分にすると時間は2倍かかります。道のりが一定のとき「速さ×時間=道のり」が一定になるため、速さと時間は反比例の関係です。速く進めるほど短い時間で着く、という日常の感覚が式で説明できます。
