双曲線(そうきょくせん)とは
形:x → 大きくなれば y → 0 に近づく(しかし0にはならない)。x → 0 に近づけば y → 大きくなる。
双曲線の特徴
- 2本の曲線でできる ── x > 0 の側と x < 0 の側に分かれて存在
- 原点も軸も通らない ── x軸(y=0)にも y軸(x=0)にもどこまでも近づくが触れない
- a の符号で象限が決まる ── a>0 なら第1・第3象限、a<0 なら第2・第4象限
a の符号で2パターン
反比例のグラフの描き方
- 対応表を作る(x にいろいろな値を入れて y を計算、x ≠ 0)
- 各点をプロット
- 2つのグループに分けてなめらかな曲線で結ぶ(直線で結ばない)
- 軸には触れない(限りなく近づくだけ)
x: −12, −6, −4, −3, −2, −1, 1, 2, 3, 4, 6, 12
y: −1, −2, −3, −4, −6, −12, 12, 6, 4, 3, 2, 1
→ x < 0 と x > 0 の2つに分けて、それぞれなめらかな曲線で結ぶ
- 2つの曲線をつなげない:x = 0 では y が定義されないので、グラフは 左右に分かれた2本。直線で結んだり一筆書きしたりしない。
- 軸に触れない:曲線は x軸・y軸に 限りなく近づくが、決して触れない。
- x が大きくなるほど y は0に近づく:x = 100 なら y = 0.12(とても小さい)、x = 1000 なら y = 0.012。0にはならない。
この章でつまずきやすいところ
反比例 y=a/x のグラフは双曲線。読みながら「比例と同じく直線でいいの?」「軸とくっつくの?」と迷う場面を3つ取り上げます。形・位置・接近のしかたを、対応表と符号の見方で落ち着いて整理しましょう。
反比例のグラフも直線でいいと思い込んでしまう
- つまずく場面:本文で「y=a/xのグラフ」と出てきた瞬間、比例のグラフと同じ感覚で「2点とって直線で結べばよい」と読み流してしまう。対応表を作っても、打った点を定規でつないでしまう場面が起こります。
- 克服のコツ:形の見分け方で整理。比例 y=ax は「原点を通る直線」、反比例 y=a/x は「原点を通らない曲線(双曲線)」。本文に「なめらかな曲線で結ぶ」と書かれていたら、まず定規を置いて、点を多めに打って手書きで結ぶサインだと判断します。
- ミニ例:y=12/x で (1,12)(2,6)(3,4)(4,3)(6,2)(12,1) と打つと、点の並びが外側に膨らんだ曲線になる。直線で結ぶと点からズレるので、曲線で結ぶのが正解だと気づけます。
aの符号と象限の対応をあやふやなまま読み進めてしまう
- つまずく場面:「a>0なら第1・第3象限、a<0なら第2・第4象限」と本文に書かれていても、いざ y=−10/x のグラフを思い浮かべるときに「第1象限じゃなかったっけ?」と一瞬迷う。符号と象限の対応が頭の中で入れ替わってしまう場面です。
- 克服のコツ:位置関係で覚えるのがコツ。aの符号は「x と y を掛けたら何になるか」を決めます。xy=a なので、a>0 のときは x と y が同符号(++か−−)、a<0 のときは異符号(+−か−+)。同符号は第1・第3象限、異符号は第2・第4象限と、座標の符号から導けます。
- ミニ例:y=−10/x で x=2 を入れると y=−5。点 (2,−5) は第4象限。x=−2 なら y=5 で第2象限。a<0 だから第2・第4象限、と符号計算から確認できます。
x が大きくなると y もどこかで0になると思ってしまう
- つまずく場面:「xが大きくなるとyは0に近づく」と読んだとき、「じゃあどこかで y=0 になってx軸と交わるはず」と感じてしまう。逆に y軸についても「いつかは x=0 の点があるのでは」と探してしまう場面があります。
- 克服のコツ:因果関係で押さえる。y=a/x で y=0 になるには分子が0、つまり a=0 が必要ですが、反比例では a≠0。だから y は決して 0 にならず x軸と交わりません。また x=0 だと分母が0で計算できないので、y軸とも交わりません。「近づくけど触れない」のが双曲線の決まりです。
- ミニ例:y=12/x で x=100 なら y=0.12、x=1000 なら y=0.012。0 に近づくけれど 0 にはならない。教科書では「軸に限りなく近づく」と整理しています。
左右の2本を1本につなげて描いてしまう
- つまずく場面:対応表を埋めて点を打ったあと、x<0 側の点と x>0 側の点を「とりあえず1本の曲線でつなごう」として、原点付近を横切る線を引いてしまう。一筆書きでひとつの曲線にしてしまう場面です。
- 克服のコツ:時系列で手順を分けるのがコツ。まず対応表を作り、次にx<0 のグループと x>0 のグループに分けてプロット、最後にそれぞれを別々になめらかに結びます。x=0 では y が定義できないので、2本の曲線はつながらないと決めてから描き始めます。
- ミニ例:y=6/x で x>0 側は (1,6)(2,3)(3,2)(6,1)、x<0 側は (−1,−6)(−2,−3)(−3,−2)(−6,−1)。2本の別々の曲線として描けば、原点を通らない双曲線になります。
練習問題
x: −6, −3, −2, −1, 1, 2, 3, 6
y: ?
答えを見る
x: −6, −3, −2, −1, 1, 2, 3, 6
y: −1, −2, −3, −6, 6, 3, 2, 1
これらの点を打って、x < 0 と x > 0 で2つの曲線に分けて結ぶ。
- y = 4/x
- y = −10/x
答えを見る
(1) a = 4 > 0 → 第1象限と第3象限
(2) a = −10 < 0 → 第2象限と第4象限
答えを見る
解答例:x軸上の点は y = 0 だが、反比例 y = a/x では比例定数 a は 0 でないので、y = 0 になる点はない。 また y軸上の点は x = 0 だが、y = a/x で x = 0 だと分母が0になるので y は定義できず、グラフは y軸とも交わらない。
まとめ
- 反比例 y = a/x のグラフは 双曲線(2本の曲線)。
- 原点も軸も通らない。軸には限りなく近づくだけ。
- a > 0 → 第1・第3象限、a < 0 → 第2・第4象限。
- 描き方:対応表 → プロット → 2つに分けてなめらかに結ぶ。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
反比例のグラフは「双曲線」という由緒ある曲線発展
反比例 y=a/x のグラフは双曲線とよばれる曲線の一種です。じつは xy=a(積が一定)の形をした曲線で、直角双曲線を原点のまわりに45°回した形と同じであることが知られています。教科書で習う身近なグラフが、れっきとした数学の曲線の仲間だと知ると見方が広がります。
出典:ウィキペディア「双曲線」
双曲線の名は2000年以上前のギリシャから発展
楕円・放物線・双曲線をまとめて円錐曲線といい、これらは円錐を平面で切ったときに現れます。古代ギリシャの数学者アポロニウス(紀元前3〜2世紀ごろ)が、その性質を体系的にまとめた『円錐曲線論』を著しました。みなさんがかく反比例のグラフは、こんなに古くから研究されてきた曲線とつながっています。
空気をおすと体積が減る ── ボイルの法則実生活
温度を一定に保つと、一定量の気体の体積は圧力に反比例します(ボイルの法則)。つまり圧力を2倍にすると体積は半分になり、圧力×体積はつねに一定です。注射器の口をふさいでおし縮める実験で確かめられ、まさに反比例 xy=a の関係が自然界にあらわれています。
自転車のギア ── 歯数と回転数は反比例実生活
かみ合った2つの歯車では、(歯数)×(回転数)が両方で等しくなるため、歯数と回転数は反比例します。歯数が2倍の歯車は回転数が半分になる、というしくみです。自転車で軽いギアにすると進みは遅いが楽になるのも、この反比例の関係が働いているからです。
出典:ウィキペディア「歯車」
気体の法則も反比例のグラフでかける発展
ボイルの法則「圧力と体積は反比例」を、横軸に圧力・縦軸に体積をとってグラフにすると、教科書で習う双曲線そのものの形になります。理科で出てくる物理法則が、数学の反比例 y=a/x のグラフとぴったり重なるのは、数学が現実を表す言葉になっている良い例です。
