3種類の「線」
角(かく)の表し方
2本の半直線が1つの点(頂点)から出ているとき、その間に 角ができます。
例:頂点 B を持つ角で、辺が BA と BC のとき → ∠ABC(または ∠CBA)。
頂点だけを書いて ∠B ということもある(混同のおそれがないとき)。
角の種類
- 直角:90°
- 鋭角(えいかく):0°より大きく90°より小さい
- 鈍角(どんかく):90°より大きく180°より小さい
- 平角(へいかく):180°(直線になる)
平行と垂直
例:AB ∥ CD(直線ABと直線CDは平行)。
例:AB ⊥ CD(直線ABと直線CDは垂直に交わる)。
このとき CD を AB の 垂線 という。
距離の表し方
例:AB = 5 cm(点Aと点Bの距離は5cm)
図形用語は「どこまで続くか」で区別する
直線・半直線・線分は、見た目が似ていても意味が違います。直線は両方向に限りなく続く線、半直線は1点から一方向に限りなく続く線、線分は2点の間だけの線です。作図や証明では、この違いをあいまいにすると、図の読み取りがずれます。
- 直線AB:AとBを通り、両方向にどこまでも続く。
- 半直線AB:Aを出発点として、Bの方向へどこまでも続く。
- 線分AB:AからBまでの限られた部分。長さを考えられる。
角・平行・垂直は記号でも読めるようにする
中学数学では、図形の条件が文章ではなく記号で書かれることがあります。AB // CD は「直線ABと直線CDが平行」、AB ⊥ CD は「直線ABと直線CDが垂直」という意味です。角は ∠ABC のように3文字で表し、真ん中のBが角の頂点になります。
- ∠ABC の頂点をAだと思ってしまう。頂点は真ん中のB。
- 「平行」は交わらないことだけでなく、同じ平面上でどこまで延ばしても交わらないこと。
- 点と直線の距離は、斜めではなく 垂直に下ろした長さで測る。
この章でつまずきやすいところ
図形の単元は、見た目が似ている用語や記号を読み分けるところからつまずきやすい場面が始まります。本文や図を見ている途中で起きる迷いを、見分け方の順序にそって整理しておきましょう。
図に短く描かれた直線を「そこで終わる線」と思い込んでしまう
- つまずく場面:本文の図1で「直線AB」が紙の幅の中で短く描かれているのを見て、AとBが端っこの点だと感じてしまう場面。線分との違いがあいまいなまま、図の長さだけで判断しそうになり迷う。
- 克服のコツ:端点の有無で見分けるのがコツ。順序は、まず線の両はしに点(端点)が打たれているかを確認し、次に用語名を当てる。端点なし=直線、端点2つ=線分、端点1つ=半直線、と位置関係で覚えると図の長さに惑わされません。
- ミニ例:図1の直線ABは両側に矢印を補って読む。同じ位置に点AとBが描かれていても、線分ABならAからBまでだけ、半直線ABならAから先へ無限に伸びる線、と区別する。
∠ABCの頂点を先頭のAだと読み違えてしまう
- つまずく場面:問題文に「∠ABCの大きさを求めなさい」と書かれているのを読んでいる途中で、アルファベット順の感覚から先頭のAを頂点だと思い込み、どの2辺で角を作っているのかを取り違えそうになる場面。
- 克服のコツ:角の表記は位置関係で読み分ける。順序は、まず3文字のうち真ん中の文字を見て頂点と決め、次に両側の2文字を辺の通る点として読む。「真ん中=頂点、両側=辺」と覚えると、∠CBAと書かれても同じ角だと判断できます。
- ミニ例:∠ABCは頂点がBで、辺はBAとBC。同じ角を∠CBAと書いても頂点はBのまま。混同のおそれがなければ∠Bと略してもよい。
「交わらないから平行」とだけ判断してしまう
- つまずく場面:図を見ている途中で、紙の上で2直線が交わっていないことだけを根拠に「これは平行」と決めてしまう場面。延長したらどうなるか、同じ平面にあるか、という条件を確かめないまま次に進みそうになり迷う。
- 克服のコツ:平行判定は距離一定の見方で押さえる。順序は、まず同じ平面上にあるかを確認し、次にどこまで延長しても交わらないかを考え、最後に記号∥で表す。「今交わっていない」ではなく「延長しても交わらない」が判定条件です。
- ミニ例:図2のAB ∥ CDは、ABとCDをどこまで延ばしても交わらない関係を表す。短い線分のように描かれていても、平行の判定では延長後の様子で考える。
点と直線の距離を、斜めに引いた線分の長さで測ろうとしてしまう
- つまずく場面:本文の「点と直線の距離」を読んでいる途中で、点から直線に向かって適当に斜めの線を引いた長さを距離だと感じてしまう場面。どの引き方が最短になるのかが整理できず、線分ABの距離との区別もあいまいになる。
- 克服のコツ:距離は直角確認で見分ける。順序は、まず2点間か点と直線かを区別し、次に点と直線なら垂線を下ろして90°で交わるかを確かめ、その垂線の長さを距離とする。垂直⊥で交わる線分だけが最短距離を表します。
- ミニ例:2点AとBの距離は線分ABの長さ。一方、点Pと直線ℓの距離は、Pから直線ℓへ垂線を下ろし、その垂線の長さで測る。斜めに結んだ線分の長さでは表せない。
練習問題
- 2点を結んだ部分の線で、長さが測れるもの
- 1点を始点として、一方向に無限に伸びる線
- 2つの直線が直角に交わる関係
- 2つの直線が交わらない関係
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(1) 線分 (2) 半直線 (3) 垂直 (4) 平行
- 30°
- 90°
- 120°
- 180°
答えを見る
(1) 鋭角 (2) 直角 (3) 鈍角 (4) 平角(直線)
- 直線AB と直線CD は平行
- 直線EF と直線GH は垂直
- 頂点 B を持ち、半直線 BA と BC でできる角
答えを見る
(1) AB ∥ CD
(2) EF ⊥ GH
(3) ∠ABC(または ∠CBA、∠B でも可)
まとめ
- 3種類の線:直線(無限)、線分(限られた長さ)、半直線(一方向に無限)。
- 角は ∠ABC のように頂点を真ん中に書く。
- 角の種類:鋭角(<90°)、直角(=90°)、鈍角(90°〜180°)、平角(=180°)。
- 平行 ∥(交わらない)、垂直 ⊥(直角に交わる)。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
鉄道のレールは平行な2本の直線実生活
電車の線路は2本のレールが交わらないように平行に保たれていて、その内側どうしの幅を軌間といいます。日本の在来線の多くは約1067mm、新幹線は1435mmで、車輪が外れないよう全区間でこの幅を一定に保っています。これは「2直線が延長しても交わらない平行」が、ものづくりで実際に役立っている例です。
出典:ウィキペディア「軌間」
下げ振りと水平器で垂直・水平をつくる実生活
大工さんは、糸におもりを付けた「下げ振り」を柱から垂らして、柱がまっすぐ垂直に立っているかを調べます。また「水平器」は気泡の位置で部材が水平や垂直になっているかを確かめる道具です。建物の柱は地面に対して垂直、つまり直角に交わるように建てられています。
2点を結ぶ最短の道は線分発展
2つの点を結ぶいろいろな線のうち、長さがいちばん短くなるのは、まっすぐな線分のときです。折れ曲がった線は線分より必ず長くなります。だから「2点間の距離」は、その2点を結んだ線分の長さで表します。
古代エジプトの縄で直角をつくる知恵発展
古代エジプトでは、ナイル川がはんらんしたあとに土地を区切り直す測量が必要でした。このとき、辺の比が3:4:5になる三角形をつくると直角ができることを利用して、縄で正確な直角を作ったと考えられています。直角は大昔から土地の測量に欠かせない図形でした。
