垂直二等分線とは
逆に、A と B から等距離の点は、すべて AB の垂直二等分線上にある。
この「2点から等距離」の性質が、コンパスを使った作図の カギです。
作図の手順
- A を中心に、半径 AB の半分より 少し大きめの半径で円弧を描く
- B を中心に、同じ半径で円弧を描く
- 2つの円弧の交点を P、Q とすると、直線 PQ が垂直二等分線。直線 PQ は AB の中点を通り、AB に垂直。
なぜこの作図でうまくいく?
2つの円弧の半径を 同じにしたところがポイント。
- P は A と B から 同じ距離にある(PA = PB、両方とも円弧の半径)
- Q も同様に PA = PB
- P と Q は両方とも 「A と B から等距離の点」。
性質より、これらは AB の垂直二等分線上にある。 - P と Q を結べば、それが 垂直二等分線そのもの。
- 同じ半径で2回描く:A と B の円弧の半径は 必ず同じ。違うとうまくいかない。
- 半径は AB の半分より大きく:半分以下だと2つの円弧が交わらない。
- 定規で測ってはダメ:作図問題ではコンパスと定規(目盛りのない)だけ使う。長さを測ったらNG。
- 線を残す:テストでは作図に使った円弧や補助線を 消さずに残すのがルール。
応用:線分の中点を求める
垂直二等分線が引けると、おまけに 線分 AB の中点もわかります。
垂直二等分線と AB の交点が中点だからです。「中点を作図せよ」と言われたら、垂直二等分線を引けばOK。
応用:2点から等距離の点を探す
「A 地点と B 地点から同じ距離にある場所はどこ?」── これは AB の垂直二等分線上のどこか。地図問題などで使えます。
なぜ垂直二等分線で等距離になるか
- 垂直二等分線は、線分ABの中点を通り、ABに垂直な直線。
- この直線上の点Pは、Aからの距離PAとBからの距離PBが等しい。
- 逆に、AとBから等距離にある点は、線分ABの垂直二等分線上にある。
- 作図では、AとBを中心に同じ半径の円弧を描き、交点どうしを結ぶ。
- 2つの円弧の半径は同じにする。半径が違うと、等距離の条件を表せない。
- 円弧の交点は線分ABの上下に2つ取ると、直線が安定して引ける。
この章でつまずきやすいところ
垂直二等分線の作図は、手順を丸暗記しても「なぜそれで垂直に2等分できるのか」が見えないと途中で迷子になります。コンパスを動かす最中に起きやすい4つの迷いを、本文に立ち返って整理しましょう。
「中点を通る線」=「垂直二等分線」と思い込んでしまう
- つまずく場面:本文の作図手順の図を見ながら作図しているとき、「AとBの真ん中を通る線を引けばいいんだな」と早合点して、適当な傾きの線を中点に通して終わらせそうになる場面。垂直という条件を読み落としている。
- 克服のコツ:位置関係で整理。垂直二等分線は「中点を通る」+「線分に垂直」の2条件をどちらも満たす直線。中点を通る直線は無数にあるが、そのうち線分ABに直角に交わる1本だけが垂直二等分線。両方の条件を満たしているか、線を引いた後に必ず2点チェックする。
- ミニ例:線分ABの中点Mを通っても、ABと斜めに交わる直線は垂直二等分線ではない。Mを通り、かつABと90°で交わる直線が垂直二等分線。
AとBで違う半径の弧を描いてしまう
- つまずく場面:本文の作図手順を進めている途中、Aを中心に弧を描いた後、コンパスを一度閉じてしまい、Bを中心に描くときに「だいたい同じくらい」で開き直してしまう場面。半径がそろっていないことに気づかない。
- 克服のコツ:因果関係で整理。「同じ半径」だからこそ交点PはAからもBからも同じ距離になり、「2点から等距離の点は垂直二等分線上にある」という性質が働く。半径がずれると等距離の条件が崩れ、できた直線は垂直二等分線にならない。Aで開いたコンパスの幅は、Bの弧を描き終わるまで絶対に変えない。
- ミニ例:Aで半径5cm、Bで半径4cmの弧を描いて交わった点Pは、PA=5cm・PB=4cmなので等距離ではない。Pは垂直二等分線上にない。
半径をABの半分以下にしてしまう
- つまずく場面:本文の「半径はABの半分より大きく」という注意を読み飛ばし、コンパスをABの長さの半分よりせまく開いて弧を描いてしまう場面。Aの弧とBの弧がどこにも交わらず、「あれ、交点が取れない」と手が止まる。
- 克服のコツ:見分け方で整理。2つの弧が交わるためには、両方の弧がABの中点より向こう側まで届く必要がある。だから半径はAB÷2より大きく取る。針をABの中点付近に置いたときに鉛筆側がA・Bの両方を越えるか、つまりコンパスの開き幅がABの半分より明らかに広いかを確かめてから弧を描く。
- ミニ例:ABが6cmなら、半径は3cmより大きい4cmや5cmに開く。3cmちょうどだと2つの弧は中点で1点だけ接してしまい、上下にできるはずの2つの交点がそろわず、直線が一本に決まらない。
定規の目盛りでABの中点を測って引いてしまう
- つまずく場面:「中点を作図せよ」タイプの応用問題を解いている途中、「Aから等距離・Bから等距離なら中点を通ればいい」と考え、定規の目盛りでABの長さを測って半分の位置に印をつけ、そこから垂直な線を引こうとする場面。作図のルールを忘れている。
- 克服のコツ:見分け方で整理。中学の作図問題では使える道具はコンパスと目盛りのない定規だけ。定規で長さを測った時点でルール違反になる。中点が必要なときも、垂直二等分線を引いて線分との交点として中点を出すのが正解。作図に使った弧も消さずに残す。
- ミニ例:「ABの中点を作図せよ」と言われたら、定規で測らず垂直二等分線の弧を2回描いて交点を結ぶ。垂直二等分線とABの交点が中点になる。
練習問題
- 「垂直二等分線」とはどんな直線か答えなさい。
- 「線分 AB の垂直二等分線上の点 P」について、PA と PB の関係を答えなさい。
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(1) 線分を垂直に2等分する直線(中点を通り、線分に垂直)。
(2) PA = PB(P は A と B から等距離)。
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① A を中心に、AB の半分より大きい半径で円弧を描く
② B を中心に、同じ半径で円弧を描く
③ 2つの円弧の交点を結ぶ直線が垂直二等分線
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解答例:線分 AB の垂直二等分線上の点はすべて A と B から等距離。同様に線分 BC の垂直二等分線上の点はすべて B と C から等距離。この2本の垂直二等分線の 交点が、A・B・C のすべての点から等距離にある点 P になる。
※ この点 P は3点 A, B, C を通る円の中心(外接円の中心)でもある。
まとめ
- 垂直二等分線=線分を垂直に2等分する直線。中点を通り、線分に垂直。
- 大事な性質:垂直二等分線上の点は、線分の 両端から等距離。
- 作図手順:両端を中心に 同じ半径の円弧 を描き、交点を結ぶ。
- 応用:中点を求める/2点から等距離の場所を探す。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
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