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権力を分けて監視し合うことで、一つの機関に力が集中することを防ぎます。
三権分立とは
3つの権力
| 権力 | 機関 | 役割 |
|---|---|---|
| 立法 | 国会 | 法律を作る |
| 行政 | 内閣 | 法律を実行する |
| 司法 | 裁判所 | 法律に基づいて裁く |
互いに抑制し合う仕組み
国会 → 内閣:内閣総理大臣の指名、内閣不信任決議
内閣 → 国会:衆議院の解散
国会 → 裁判所:弾劾裁判(裁判官の罷免)
裁判所 → 国会:違憲審査(法律が憲法に違反していないか)
内閣 → 裁判所:最高裁判所裁判官の任命
裁判所 → 内閣:違憲審査(行政の処分が違憲でないか)
国民との関係
- 国会 ← 選挙(国民が議員を選ぶ)
- 内閣 ← 世論
- 裁判所 ← 国民審査(最高裁判所裁判官)
- → 国民が すべての権力をチェック
モンテスキューの『法の精神』
フランスの思想家 モンテスキューが1748年『法の精神』で提唱。
「権力は権力をもって阻止する必要がある」
アメリカ合衆国憲法(1788)が初めて本格的に採用、その後世界各国に広がる。
三権分立の重要性
- 権力の独占を防ぐ → 独裁にならない
- 誤りや偏りをチェック
- 民主主義の 土台
三権分立の歴史
17世紀:ロック(イギリス)が立法と執行の分離を主張
1748年:モンテスキュー『法の精神』で三権分立を体系化
1776年:アメリカ独立宣言、三権分立を明文化
1788年:アメリカ合衆国憲法で正式採用
1889年:大日本帝国憲法(不完全な三権分立)
1947年:日本国憲法で本格的な三権分立
議院内閣制と大統領制
| 議院内閣制(日本) | 大統領制(アメリカ) | |
|---|---|---|
| 首相/大統領の選出 | 国会が指名 | 国民が直接選ぶ |
| 立法と行政の関係 | 密接(連動) | 厳格に分離 |
| 議会解散 | あり | なし |
| 不信任決議 | あり | なし |
国民と3権の関係
→ 国会:選挙で議員を選ぶ
→ 内閣:世論で支持・不支持を示す
→ 裁判所:最高裁裁判官の国民審査、裁判員制度
国民が 主権者として3権を監視する
- テストで「三権分立の図に矢印を書き込め」が頻出。
- 国会 ⇔ 内閣 ⇔ 裁判所 の3角形で覚える。
- 真ん中(または周り)に「国民」を置き、選挙・国民審査・世論で関わる。
- 立法 = 国会(法律を作る)
- 行政 = 内閣(法律を実行する)
- 司法 = 裁判所(法律で裁く)
- 順番と対応をセットで覚える
- 3権はお互いに 抑え合いつつ均衡を保つ
- 「内閣不信任 → 解散」のように、攻撃された側が反撃できる
- 違憲審査制は 裁判所による法律のチェックとして重要
三権分立は「仲良く分担」ではない
三権分立は、国会・内閣・裁判所がただ役割分担しているだけのしくみではありません。大切なのは、互いに権力をチェックできることです。国会は内閣総理大臣を指名し、内閣不信任決議もできます。内閣は衆議院を解散できます。裁判所は法律や行政の行為が憲法に違反していないかを判断できます。
- 国会から内閣へ:内閣総理大臣の指名、内閣不信任決議。
- 内閣から国会へ:衆議院の解散。
- 裁判所から国会・内閣へ:違憲審査。
- 国民から裁判所へ:最高裁判所裁判官の国民審査。
なぜ権力を分ける必要があるのか
法律を作る人、実行する人、争いを裁く人がすべて同じだと、その権力を止めるしくみが弱くなります。たとえば、政府に都合のよい法律を作り、その政府自身が実行し、さらに裁判まで自由に動かせるなら、国民の権利は守られません。三権分立は、政治を動きにくくするためではなく、権力の暴走を防ぎ、国民の自由と権利を守るためのしくみです。
練習問題
- 立法権を持つ機関
- 行政権を持つ機関
- 司法権を持つ機関
答えを見る
(1) 国会 (2) 内閣 (3) 裁判所
- 国会が内閣に対してできること(2つ)
- 内閣が国会に対してできること
- 裁判所が国会に対してできること
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(1) 内閣総理大臣の指名、内閣不信任決議
(2) 衆議院の解散
(3) 違憲審査(法律が憲法に違反していないか判断)
三権分立を提唱した思想家は。
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モンテスキュー(『法の精神』)
まとめ
- 三権分立:立法(国会)・行政(内閣)・司法(裁判所)。
- 互いに 抑制し合うことで権力の集中を防ぐ。
- 国民は選挙・国民審査・世論で関わる。
- 提唱者:モンテスキュー、『法の精神』(1748)。
- 民主主義の 土台となる仕組み。