図でつかむ
権利は名前だけでなく、国家に何を求める権利かで分類すると覚えやすくなります。
基本的人権の5種類
分類
基本的人権の5分類
① 平等権:法の下の平等
② 自由権:身体・精神・経済の自由
③ 社会権:人間らしい生活を送る権利
④ 参政権:政治に参加する権利
⑤ 請求権:人権を守るための権利
① 平等権
- 「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、差別されない」(第14条)
- 男女平等・両性の平等
- 部落差別、外国人差別など、差別をなくすための取り組み
② 自由権
- 身体の自由:奴隷的拘束の禁止、適正手続きの保障
- 精神の自由:思想・良心の自由、信教の自由、表現の自由、学問の自由
- 経済の自由:居住・移転・職業選択の自由、財産権
③ 社会権 ── 20世紀的人権
用語
社会権
「人間らしい生活」を国家が保障する権利。福祉国家の理念。
- 生存権:「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(第25条)
- 教育を受ける権利:義務教育は無償
- 勤労の権利:労働の機会、職業安定
- 労働基本権:団結権・団体交渉権・団体行動権
④ 参政権
- 選挙権:18歳以上の国民が選挙で投票
- 被選挙権:衆議院議員25歳以上、参議院議員30歳以上
- 国民審査:最高裁判所裁判官を辞めさせる
- 国民投票:憲法改正の最終決定
⑤ 請求権
- 裁判を受ける権利
- 国家賠償請求権:国の不法行為に対して
- 請願権:国・地方公共団体に意見を述べる
- 刑事補償請求権:無罪判決の場合の補償
公共の福祉と人権の制限
公共の福祉
人権も 「公共の福祉」の範囲内で行使される。他人の権利を侵してはならない。
例:表現の自由 → 名誉毀損は禁止
例:職業選択の自由 → 医師は国家資格が必要
つまずきポイント:公共の福祉は「国の都合」ではない
- 公共の福祉は、他人の人権とぶつかるときに調整する考え方。
- 国が何でも自由に人権を制限できる、という意味ではない。
- 制限する場合も、目的が正当で、必要な範囲に限られることが重要。
新しい人権
用語
新しい人権
憲法には明記されていないが、社会変化により認められるようになった人権。
- プライバシー権:個人情報の保護
- 環境権:良い環境で生活する権利
- 知る権利:情報公開を求める権利
- 自己決定権:医療・尊厳死など
国民の義務
- 子どもに教育を受けさせる義務
- 勤労の義務
- 納税の義務
つまずきポイント:人権の発展段階
- 18世紀(自由権):「国家からの自由」(縛らないでくれ)
- 20世紀(社会権):「国家による自由」(助けてくれ)
- 現代(新しい人権):プライバシー権、環境権など
- 人権は 時代とともに広がる。
練習問題
問題1(5分類)
次は5つの権利のどれか。
- 選挙権
- 生存権
- 表現の自由
- 男女平等
- 裁判を受ける権利
答えを見る
(1) 参政権 (2) 社会権 (3) 自由権 (4) 平等権 (5) 請求権
問題2(新しい人権)
「個人情報を守る権利」は何と呼ばれるか。
答えを見る
プライバシー権
問題3(義務)
国民の3つの義務を答えよ。
答えを見る
子どもに教育を受けさせる義務/勤労の義務/納税の義務
問題4(説明)
「公共の福祉」によって人権が制限されるのは、どのような場合か。例をあげて説明しなさい。
答えを見る
例:自分の表現の自由を理由に、他人の名誉を傷つけることは認められない。公共の福祉とは、国の都合ではなく、人権どうしが衝突したときに互いの権利を調整する考え方である。
まとめ
- 基本的人権は5種類:平等権・自由権・社会権・参政権・請求権。
- 自由権は3つ:身体・精神・経済。
- 社会権の中心は 生存権(憲法25条)。
- 公共の福祉は、他人の人権との衝突を調整する考え方。
- 新しい人権:プライバシー権・環境権・知る権利・自己決定権。
- 3つの義務:教育・勤労・納税。
