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沿岸から順に、領海(基線から12海里)、排他的経済水域(200海里まで)、公海と並びます。主権がおよぶ「領域」と、経済的な権利だけを持つEEZの線引きが試験でも問われるポイントです。
国家の3要素
① 領域:領土・領海・領空
② 国民:国籍を持つ人々
③ 主権:内政・外交を自ら決める力
領域の細分
- 領土:陸地
- 領海:海岸から12海里(約22km)まで
- 排他的経済水域(EEZ):沿岸の基線から200海里までの、領海の外側。漁業・資源開発などの権利
- 領空:領土と領海の上空
- 領海は領域の一部なので、国の主権が強く及ぶ。
- EEZは領土ではないが、沿岸国が資源利用などの経済的権利を持つ。
- 他国の船や航空機の扱いまで、領海とEEZを同じに考えない。
主権 ── 国家の根本
対内的:国内のことを自分で決める力(最高権力)
対外的:他国と対等に渡り合う力(独立性)
主権平等の原則:すべての国は対等(大国も小国も)
国旗・国歌
- 日本:日章旗(日の丸)・君が代
- 「国旗国歌法」(1999年)で法的に定められた
- 国を象徴するものとして尊重する
日本の領土をめぐる課題
- 北方領土(択捉島・国後島・色丹島・歯舞群島):ロシアが実効支配し、日本は返還を求めている。
- 竹島:韓国が実効支配し、日本は抗議している。
- 尖閣諸島:日本が実効支配し、日本政府は「領土問題は存在しない」という立場。中国・台湾が領有を主張。
国際法
- 例:国連憲章、ウィーン条約、地球温暖化対策枠組条約
- 違反した場合、国際社会から非難・制裁を受ける
- 国際司法裁判所が判決を下すこともあるが、強制力は限定的
国内法には警察や裁判所のように強制するしくみがあります。一方、国際法は主権国家どうしの合意で成り立つため、外交交渉、国際世論、経済制裁、国際裁判などを組み合わせて守らせます。
国際協調
地球温暖化・感染症・難民・テロ・貧困など、一国だけでは解決できない問題が増加。
国連、G7、G20など国際組織を通じた協調が重要。
日本の領土をめぐる課題の詳細
北方領土(択捉・国後・色丹・歯舞)
第二次世界大戦後、ソ連(現ロシア)が占拠。日本は返還を求める。
竹島(島根県)
1950年代から韓国が実効支配。日本は国際司法裁判所への付託を提案。
尖閣諸島(沖縄県)
日本固有の領土。中国・台湾が領有を主張するが、日本は「領土問題は存在しない」
主な国際機関
- 国際連合(UN):1945年設立。加盟国数は最新資料で確認
- G7:先進7か国(日・米・英・仏・独・伊・加)
- G20:G7にBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ。※BRICSは2024年以降、エジプトやUAEなど加盟国が拡大している)などの新興国を加えた20か国地域
- WTO:世界貿易機関
- IMF:国際通貨基金。為替や国際収支の安定が主な役割で、通貨危機に陥った国に融資する。世界銀行は発展途上国への長期的な開発融資が主な役割
- WHO:世界保健機関
- NATO:北大西洋条約機構
- ASEAN:東南アジア諸国連合
- EU:欧州連合
地球規模の課題
環境問題:地球温暖化、海洋汚染、生物多様性
貧困・飢餓:開発途上国の支援、フェアトレード
紛争・難民:内戦、テロ、難民の受け入れ
感染症:新型コロナ、エボラ、HIV
核兵器:核拡散防止、核軍縮
→ 一国だけでは解決が難しく、国際協調が欠かせない
- 領海:海岸から 12海里(領土と同じ扱い)
- 排他的経済水域:基線から 200海里までの領海の外側(漁業・資源開発などの権利)
- 領海と排他的経済水域は別物。EEZは領土ではない。
- 主権は 「最高権力」と 「独立性」の2つの意味
- 国民主権と国家主権を区別する(国民主権は国内の政治の主人公)
- 主権平等:大国も小国も国際社会では対等
- 国内法と違い、国際法には 強制力が限定的
- 国際司法裁判所は、原則として当事国が裁判を受け入れる必要がある
- 条約は国内手続き(日本では国会承認など)を経て効力を持つ
この章でつまずきやすいところ
国際社会の単元は、似た用語や数字、領土問題の関係国がいくつも出てきて、本文を読む途中で頭がこんがらがりやすい場所です。読み進めながら起きる典型的な迷いを、見分け方とミニ例で整理します。
領海と排他的経済水域(EEZ)を同じ「日本の海」とまとめてしまう
- つまずく場面:本文で「領海は12海里、EEZは200海里」と続けて出てきたとき、両方とも『日本の領域の海』だと思い込み、外国船が入ったら全部主権侵害だと早合点してしまう場面。
- 克服のコツ:位置関係と権利の強さで区別する。沿岸側から順に「領海(12海里)→EEZ(200海里まで)」と並ぶイメージ。領海は領域そのもので主権が強く及ぶが、EEZは領域ではなく、漁業や資源開発などの経済的な権利だけが沿岸国にある、と読み替える。
- ミニ例:EEZ内を他国の船がただ通るのは認められるが、許可なく漁や海底資源の採取をすれば沿岸国の権利侵害になる、と教科書では整理する。
「主権」を国民主権の意味だけで読んでしまう
- つまずく場面:公民の前半で「国民主権」を学んだ直後にこの章を読むため、「主権を持つ国家」と書かれた一文で、国民が政治を決める話だと思い込み、対外的な独立の話に切りかえられない場面。
- 克服のコツ:主権が向く相手で見分ける。国民主権は国内の政治の主人公が国民という話。国家主権はさらに二つあり、対内的=国内のことを自分で決める最高権力、対外的=他国と対等に渡り合う独立性。読みながら「いま向いているのは国内か、他国か」を確認する。
- ミニ例:「主権平等の原則」と書かれた箇所は、大国も小国も国際社会で対等という対外的な意味で、選挙の話ではない、と教科書では整理する。
3つの領土問題で「どこが実効支配しているか」を取り違える
- つまずく場面:北方領土・竹島・尖閣諸島が連続で出てきたとき、相手国名(ロシア・韓国・中国/台湾)と実効支配の組み合わせが混ざり、「尖閣は中国が実効支配」などと思い込んでしまう場面。
- 克服のコツ:実効支配している国と、日本政府の立場をセットで覚える。北方領土=ロシアが実効支配、日本は返還要求。竹島=韓国が実効支配、日本は抗議し国際司法裁判所への付託を提案。尖閣諸島=日本が実効支配、日本政府は「領土問題は存在しない」という立場。
- ミニ例:結果として、尖閣諸島は他の2つと異なり日本が実効支配している側なので、「返還を求める」ではなく「中国・台湾が領有を主張している」と書く、と教科書では整理する。
国際法を「国内法と同じように違反したら罰せられる」と読んでしまう
- つまずく場面:「条約・国際法・国際司法裁判所」と出てくる流れを、国内の警察や裁判所と同じイメージで読み進め、「国際法に違反したら強制的に止められる」と思い込んでしまう場面。
- 克服のコツ:強制のしくみの有無という因果関係で見分ける。国内には警察・裁判所という強制装置がある。国際社会には世界政府がないため、強制力は限定的で、外交交渉・国際世論・経済制裁・国際裁判などを組み合わせて守らせる、と読みかえる。国際司法裁判所も原則として当事国が裁判を受け入れる必要がある点に注意。
- ミニ例:条約に違反した国に対しては、結果として国際社会からの非難や経済制裁などで対応するのが基本で、国内のように警察が逮捕に行くわけではない、と教科書では整理する。
練習問題
国家の3要素を答えよ。
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領域・国民・主権
- 領海の範囲
- 排他的経済水域の範囲
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(1) 海岸から12海里 (2) 海岸から200海里
北方領土を構成する4つの島の名前を答えよ。
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択捉島・国後島・色丹島・歯舞群島
国際社会で国際法の強制力が国内法より限定的になりやすい理由を、主権国家という語を使って説明しなさい。
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例:国際社会は主権国家どうしの関係で成り立ち、国内の警察のように一方的に命令し強制する政府がない。そのため、条約、国際世論、経済制裁、国際裁判などで各国にルールを守らせる必要がある。
まとめ
- 国家の3要素:領域・国民・主権。
- 領域:領土・領海(12海里)・領空。EEZは領域そのものではないが、200海里まで資源利用などの権利がある。
- 主権平等の原則(大国も小国も対等)。
- 日本の領土をめぐる課題:北方領土・竹島・尖閣諸島は、実効支配と日本政府の立場を分けて整理する。
- 国際法:条約と国際慣習法。主権国家どうしの合意で成り立つため、国内法より強制力は限定的。
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