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国際社会 ── 国家と主権

世界には 約 200の国家が存在し、互いに関係を結んでいます。主権を持つ国家同士の集まりが国際社会。基本的な仕組みと、領土問題などの課題を整理します。

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国際社会は主権国家の関係で成り立つ 主体 制度 役割 社会 国どうしの対立と協力を、主権・条約・国際機関の関係で見ま す。
国際社会は主権国家の関係で成り立つ

国どうしの対立と協力を、主権・条約・国際機関の関係で見ます。

国家の3要素

公式
国家の3要素

領域:領土・領海・領空

国民:国籍を持つ人々

主権:内政・外交を自ら決める力

領域の細分

  • 領土:陸地
  • 領海:海岸から12海里(約22km)まで
  • 排他的経済水域(EEZ):沿岸の基線から200海里までの、領海の外側。漁業・資源開発などの権利
  • 領空:領土と領海の上空
領海とEEZの違い
  • 領海は領域の一部なので、国の主権が強く及ぶ。
  • EEZは領土ではないが、沿岸国が資源利用などの経済的権利を持つ。
  • 他国の船や航空機の扱いまで、領海とEEZを同じに考えない。

主権 ── 国家の根本

主権の意味

対内的:国内のことを自分で決める力(最高権力)

対外的:他国と対等に渡り合う力(独立性)

主権平等の原則:すべての国は対等(大国も小国も)

国旗・国歌

  • 日本:日章旗(日の丸)・君が代
  • 「国旗国歌法」(1999年)で法的に定められた
  • 国を象徴するものとして尊重する

日本の領土をめぐる課題

  • 北方領土(択捉島・国後島・色丹島・歯舞群島):ロシアが実効支配し、日本は返還を求めている。
  • 竹島:韓国が実効支配し、日本は抗議している。
  • 尖閣諸島:日本が実効支配し、日本政府は「領土問題は存在しない」という立場。中国・台湾が領有を主張。

国際法

用語
国際法
国家間のルール。条約(国家が文書で結ぶ合意)と 国際慣習法から成る。
  • 例:国連憲章、ウィーン条約、地球温暖化対策枠組条約
  • 違反した場合、国際社会から非難・制裁を受ける
  • 国際司法裁判所が判決を下すこともあるが、強制力は限定的

国内法には警察や裁判所のように強制するしくみがあります。一方、国際法は主権国家どうしの合意で成り立つため、外交交渉、国際世論、経済制裁、国際裁判などを組み合わせて守らせます。

国際協調

国際協調の必要性

地球温暖化・感染症・難民・テロ・貧困など、一国だけでは解決できない問題が増加。

国連、G7、G20など国際組織を通じた協調が重要。

日本の領土をめぐる課題の詳細

3つの領土問題

北方領土(択捉・国後・色丹・歯舞)

 第二次世界大戦後、ソ連(現ロシア)が占拠。日本は返還を求める。

竹島(島根県)

 1950年代から韓国が実効支配。日本は国際司法裁判所への付託を提案。

尖閣諸島(沖縄県)

 日本固有の領土。中国・台湾が領有を主張するが、日本は「領土問題は存在しない」

主な国際機関

  • 国際連合(UN):1945年設立。加盟国数は最新資料で確認
  • G7:先進7か国(日・米・英・仏・独・伊・加)
  • G20:G7に新興国を加えた20か国地域
  • WTO:世界貿易機関
  • IMF:国際通貨基金
  • WHO:世界保健機関
  • NATO:北大西洋条約機構
  • ASEAN:東南アジア諸国連合
  • EU:欧州連合

地球規模の課題

グローバルな問題

環境問題:地球温暖化、海洋汚染、生物多様性

貧困・飢餓:開発途上国の支援、フェアトレード

紛争・難民:内戦、テロ、難民の受け入れ

感染症:新型コロナ、エボラ、HIV

核兵器:核拡散防止、核軍縮

→ 一国だけでは解決が難しく、国際協調が欠かせない

つまずきポイント①:領海と排他的経済水域
  • 領海:海岸から 12海里(領土と同じ扱い)
  • 排他的経済水域:基線から 200海里までの領海の外側(漁業・資源開発などの権利)
  • 領海と排他的経済水域は別物。EEZは領土ではない。
つまずきポイント②:主権の意味
  • 主権は 「最高権力」「独立性」の2つの意味
  • 国民主権と国家主権を区別する(国民主権は国内の政治の主人公)
  • 主権平等:大国も小国も国際社会では対等
つまずきポイント③:国際法の強制力
  • 国内法と違い、国際法には 強制力が限定的
  • 国際司法裁判所は、原則として当事国が裁判を受け入れる必要がある
  • 条約は国内手続き(日本では国会承認など)を経て効力を持つ

練習問題

問題1(3要素)

国家の3要素を答えよ。

答えを見る

領域・国民・主権

問題2(領域)
  1. 領海の範囲
  2. 排他的経済水域の範囲
答えを見る

(1) 海岸から12海里 (2) 海岸から200海里

問題3(日本の領土問題)

北方領土を構成する4つの島の名前を答えよ。

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択捉島・国後島・色丹島・歯舞群島

問題4(説明)

国際社会で国際法の強制力が国内法より限定的になりやすい理由を、主権国家という語を使って説明しなさい。

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例:国際社会は主権国家どうしの関係で成り立ち、国内の警察のように一方的に命令し強制する政府がない。そのため、条約、国際世論、経済制裁、国際裁判などで各国にルールを守らせる必要がある。

まとめ

  • 国家の3要素:領域・国民・主権
  • 領域:領土・領海(12海里)・領空。EEZは領域そのものではないが、200海里まで資源利用などの権利がある。
  • 主権平等の原則(大国も小国も対等)。
  • 日本の領土をめぐる課題:北方領土・竹島・尖閣諸島は、実効支配と日本政府の立場を分けて整理する。
  • 国際法:条約と国際慣習法。主権国家どうしの合意で成り立つため、国内法より強制力は限定的。