ルートの積 ── √a × √b = √(ab)
√2 × √3 = √(2·3) = √6
√5 × √7 = √35
√6 × √6 = √36 = 6 ← (√a)²=a の確認
ルートの商 ── √a ÷ √b = √(a/b)
√6 ÷ √2 = √(6/2) = √3
√50 ÷ √2 = √25 = 5
√(24/3) = √8 = 2√2(後述)
√(a²b) = a√b ── 中の平方数を外に
ルートの中に 2乗の因数があれば、外に出してしまうのがマナー。これでルートが「簡単な形」になる。
√(a²b) = √(a²) × √b
= a × √b (a ≧ 0 のとき)
= a√b
50 = 25·2 = 5²·2
→ √50 = 5√2
72 = 36·2 = 6²·2
→ √72 = 6√2
300 = 100·3 = 10²·3
→ √300 = 10√3
素因数分解で確実に
大きな数の√は 素因数分解すると、2乗ペアが見えやすい。
504 = 2 × 252 = 2 × 2 × 126 = 2² × 126
126 = 2 × 63 = 2 × 9 × 7 = 2 × 3² × 7
504 = 2² × 2 × 3² × 7 = 2² × 3² × 14
→ √504 = 2·3·√14 = 6√14
係数つきルートの積
係数どうし、ルートどうしで別々にかける。
係数:3 × 2 = 6
ルート:√2 × √5 = √10
→ 6√10
= √(6·8) = √48
48 = 16·3 = 4²·3
→ 4√3(先に簡単化を済ませてもOK)
- 答えに √8 を残さない。8 = 4·2 で 2√2 まで簡単化する。
- 「ルートの中に平方数が残っていない」が完成形。
- 同じく、係数の中にルートをかぶせない。3√4 → 3·2 = 6 のように、ルートの中身が平方数なら整数化する。
ルートの2乗(再確認)
(3√2)² = 3² × (√2)² = 9 × 2 = 18
(2√5)² = 4 × 5 = 20
20 × √3 = 20√3
平方根の乗除で使う形
- a,bが0以上なら √a×√b=√ab が使える。
- √a÷√b=√(a/b) は b>0 のときに使う。
- √の中に平方数があれば外へ出す。√72=√(36×2)=6√2。
- 係数付きの平方根は、係数どうし、√どうしを分けて計算する。
係数は3×2=6。√6×√15=√90=3√10。
答えは 18√10。
この章でつまずきやすいところ
ルートの掛け算は中身どうしをかけてまた√でくくるだけ。でも、計算の途中で「足し算と混ざる」「外の係数の扱いに迷う」「√の中をどこまで小さくすべきか分からない」など、手が止まる場面が出てきます。代表的な迷いを場面ごとに整理します。
√a×√b を √(a+b) と書きそうになる
- つまずく場面:√2×√3 を計算しようとして、手元のノートに「√(2+3)=√5」と書きかけて止まる場面。直前にやった「同類項の足し算」のイメージが残っていて、ルートの中も足すような気がしてしまう。
- 克服のコツ:因果関係で整理すると迷いません。掛け算は中身どうしを掛けるから √a×√b=√(ab)、足し算では中身を足さないから √a+√b はそのまま。「演算の種類」によって中身の処理が変わると押さえると、足し算と掛け算が混ざりません。
- ミニ例:√2×√3=√6(中身を掛ける)/√2+√3 は √5 にならない(中身は足せない)。同じ √ でも、掛ける時だけ中身が合体します。
a√b の a を √ の中に入れたままにしてしまう
- つまずく場面:3√2 × 2√5 を計算しようとして、係数の 3 や 2 も √ の中に押し込んで「√(3·2·2·5)」と書きかけ、答えが合わない気がして手が止まる場面。a√b の a が「√の外」にあると意識し直せていない。
- 克服のコツ:位置関係で整理します。a√b の a は √ の外の係数、b だけが √ の中身です。だから掛け算では「外の係数どうし」「√の中どうし」を別々にかけて、最後に並べ直します。a を中に入れたい時は a²b にして入れるルールも別にあります。
- ミニ例:3√2 × 2√5:外は 3×2=6、中は √2×√5=√10、合わせて 6√10。3 や 2 を √ の中に勝手に入れない。
答えに √8 のような未簡単化を残してしまう
- つまずく場面:√6×√8 を計算して √48 まで進めたあと、「48 はもう掛け算したから終わり」と思って答えにしかけ、解答例の 4√3 を見て手が止まる場面。ルートの中に平方数(2乗のかたまり)が残っているのに気付けていない。
- 克服のコツ:見分け方を一つ決めておきます。答えのルートの中身を必ず素因数分解して、2乗のペアがあれば外に出す。教科書では「ルートの中に平方因数が残らない形」が完成形と整理します。中身が大きい数のときほど、この最終チェックを忘れがちです。
- ミニ例:√48:48=16×3=4²×3 だから √48=4√3。同じく √8 は 8=4×2=2²×2 で 2√2 まで直して完成。
(3√2)² の 2乗を「3√2 をそのまま2乗」と片方だけ計算してしまう
- つまずく場面:(3√2)² を求めようとして、外の 3 だけ 2乗して「9√2」、あるいは √2 だけ 2乗して「3·2=6」と書きかけ、どちらも違う気がして手が止まる場面。係数と √ の両方を 2乗しないといけないことが抜けている。
- 克服のコツ:位置関係で整理します。a√b の a も √b も両方が括弧の中にあるので、(a√b)² では a を2乗し、√b も2乗して中身の b にする、という二段がかりになります。(√b)²=b(b≧0)は√を外す合図です。
- ミニ例:(3√2)² = 3² × (√2)² = 9 × 2 = 18。片方だけ2乗して止めない。(2√5)² なら 4×5=20 と一気に整数になります。
練習問題
- √3 × √7
- √10 × √2
- √24 ÷ √6
- √45 ÷ √5
答えを見る
(1) √21 (2) √20 = 2√5 (3) √4 = 2 (4) √9 = 3
- √8
- √12
- √48
- √98
- √200
答えを見る
(1) 2√2 (2) 2√3 (3) 4√3 (4) 7√2 (5) 10√2
- 2√3 × 3√5
- 4√2 × √6
- (2√3)²
- √18 × √8
答えを見る
(1) 6√15
(2) 4√12 = 4·2√3 = 8√3
(3) 4·3 = 12
(4) √144 = 12
まとめ
- ルートの積:√a × √b = √(ab)。中身どうしを掛けてまた √。
- ルートの商:√a ÷ √b = √(a/b)。
- ルートの簡単化:√(a²b) = a√b。中の平方数を外に。
- 大きな数は 素因数分解で2乗ペアを見つける。
- 答えに √8 のような未簡単化を残さない。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
A4などのコピー用紙はタテヨコの比が 1:√2実生活
ISO 216で決められたA判・B判の紙は、短い辺と長い辺の比がちょうど 1:√2(約1.41)になっている。だから半分に折ってもタテヨコの比が変わらず、A4の半分がきれいにA5になる。√2 をかける・割るという根号の計算が、身近な紙のサイズに使われている。
正方形の対角線は一辺の √2 倍発展
直角三角形の3辺には a²+b²=c² という三平方の定理が成り立つ。一辺 a の正方形に対角線を引くと、その長さは √(a²+a²)=√(2a²)=a√2 となり、ちょうど一辺の √2 倍になる。√(a²b)=a√b という簡単化の公式が、図形の長さを求めるときにそのまま生きてくる。
振り子の周期は「長さの平方根」で決まる実生活
振り子が1往復する時間(周期)は、おもりの重さではなく、糸の長さによって決まる。長さが4倍になると周期は2倍、つまり √4=2 のように平方根の分だけ長くなる。実験でこの関係を確かめることができ、根号が時間の予測に役立っている。
高い所から落ちる時間も平方根で求まる発展
地球の重力加速度は高校物理ではおよそ g=9.8 m/s² の定数として扱われる。高さ h から物を静かに落としたとき、落ちるまでの時間は t=√(2h/g) と平方根の形で表せる。高さが4倍になっても時間は √4=2 倍にしかならず、根号が「落下の時間」を予測する道具になる。
出典:国土地理院「重力とは」
