デジタルこどもBASEのロゴ特定非営利活動法人デジタルこどもBASE
中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

3章 二次方程式 ── 章末40問問題集

3章の総まとめ 40問。4ブロックで、計算系と文章題を組み合わせています。解き方を選ぶ判断も含めて練習しましょう。

復習のポイント

  • 二次方程式:ax² + bx + c = 0 の形(a ≠ 0)
  • 解き方の選択:
  •  ・因数分解で解ける場合(最も簡単)
  •  ・平方完成で平方根を取る
  •  ・解の公式:x = (−b ± √(b²−4ac)) / 2a
  • 判別式 D = b² − 4ac で解の個数判定(高校範囲)
  • 文章題:「正の数」「個数」などで解を吟味

この章でつまずきやすいところ

二次方程式は3つの解き方を場面で選び分ける単元。問題を解き進める途中で「どの解法を使うか」「±をどう扱うか」「文章題の答えをどこまで残すか」で迷いやすい。問題を解く前に整理しておこう。

右辺が0でないのに因数分解して解こうとしてしまう

  • つまずく場面:B群の問題を見て「因数分解できそう」とすぐ左辺をいじり始める。ところが式が右辺=0になっていないと、「積=0なら一方が0」の性質が使えないことを忘れて、左辺を分解しただけで満足してしまう場面がある。
  • 克服のコツ:因果関係で押さえる。ab=0 のときに限って a=0 または b=0 が言えるから、まず右辺を0に整理してから因数分解する、という順番が必須。右辺が0でなければ「積→0」の論理が成り立たず、答えにたどり着けない。
  • ミニ例:x² + 4x = 5 を見て (x+5)(x−1) と分解しても、右辺が5のままでは解は出ない。x² + 4x − 5 = 0 に直してから (x+5)(x−1)=0 とし、x=−5, 1 を得る。

平方根を取るとき ± を片方だけにしてしまう

  • つまずく場面:A群で (x−1)²=16 を見て「両辺の平方根を取る」と決めたあと、つい x−1=4 だけを書いて x=5 と答えてしまう。中3になっても、平方根の単元で学んだ「±」を方程式の途中で落としてしまう迷いが起きやすい。
  • 克服のコツ:見分け方は「2乗して同じ値になる数は2つある」と思い出すこと。(x+a)²=b の形なら、必ず x+a = ±√b と書き、そこから x を求める。±を書く位置はルートの直前、と手順を固定すると落としにくい。
  • ミニ例:(x−1)² = 16 → x−1 = ±4 → x = 5 または x = −3。片方だけだと解が1つ抜けてしまう。

解の公式で a,b,c の符号を取り違えてしまう

  • つまずく場面:C群で x² − x − 3 = 0 のような式を見て、解の公式に代入する途中で「b は −1 だっけ 1 だっけ」と迷う。ax² + bx + c = 0 の形に揃える前に値だけ拾うと、−1 を 1 として代入してしまう場面が起きる。
  • 克服のコツ:見分け方は「式を ax² + bx + c = 0 の形に書き直し、符号込みで a,b,c を抜き出す」こと。x² − x − 3 = 0 なら a=1, b=−1, c=−3。代入時は (−b) や b² の計算で(−1)²=1 のように括弧を必ず付ける。
  • ミニ例:x² − x − 3 = 0 は a=1, b=−1, c=−3。x = (−(−1) ± √((−1)²−4·1·(−3)))/(2·1) = (1 ± √(1+12))/2 = (1 ± √13)/2。分母の 2a を 2·1 と明示し、判別式の中も 1+12=13 と段階を踏むと符号で迷わない。

文章題で出た解をそのまま2つとも答えにしてしまう

  • つまずく場面:D群「縦が横より2cm長い長方形の面積が48」を解いて2つの解を得たあと、最後に2つとも答えとして書いてしまい、長さに負の値を含めていることに気づかない場面がある。
  • 克服のコツ:条件との因果関係で整理する。長さ・個数・自然数などは「正の数」という条件が文章題に書かれている。式の解は出てもそれは「方程式の解」であって、文章の条件に合うかを最後に必ず吟味し、合わない解は捨てる。
  • ミニ例:横を x cm とすると x(x+2)=48、x²+2x−48=0、(x−6)(x+8)=0 で x=6, −8。長さは正なので x=−8 は不適。答えは横6cm、縦8cm。
📄 この章の印刷プリント(PDF・解答つき)を無料配布中 ── PDFをダウンロード プリント一覧へ
A 平方根・平方完成(10問)
  1. x² = 49
  2. x² = 13
  3. 3x² = 75
  4. (x − 1)² = 16
  5. (x + 4)² = 5
  6. (2x − 1)² = 9
  7. x² + 4x − 5 = 0(平方完成)
  8. x² − 6x + 4 = 0(平方完成)
  9. x² + 8x = 0
  10. x² − 16 = 0
答えを見る

(1) ±7 (2) ±√13 (3) x² = 25, ±5 (4) x − 1 = ±4 → 5, −3

(5) x = −4 ± √5 (6) 2x − 1 = ±3 → x = 2, −1

(7) (x + 2)² = 9, x = 1, −5 (8) (x − 3)² = 5, x = 3 ± √5

(9) x(x + 8) = 0 → x = 0, −8 (10) (x+4)(x−4) = 0 → x = ±4

B 因数分解(10問)
  1. x² − 5x + 6 = 0
  2. x² + 7x + 12 = 0
  3. x² − 2x − 15 = 0
  4. x² + 3x − 28 = 0
  5. 2x² + 5x + 2 = 0
  6. 3x² − 7x + 2 = 0
  7. x² − 4x + 4 = 0(重解)
  8. x² + 6x + 9 = 0(重解)
  9. x² − 9 = 0
  10. 2x² − 8 = 0
答えを見る

(1) (x−2)(x−3) → 2, 3 (2) (x+3)(x+4) → −3, −4

(3) (x−5)(x+3) → 5, −3 (4) (x+7)(x−4) → −7, 4

(5) (2x+1)(x+2) → −1/2, −2 (6) (3x−1)(x−2) → 1/3, 2

(7) (x−2)² → 重解 x = 2 (8) (x+3)² → 重解 x = −3

(9) (x+3)(x−3) → ±3 (10) (x+2)(x−2) → ±2

C 解の公式(10問)
  1. x² + 3x + 1 = 0
  2. x² − x − 3 = 0
  3. 2x² − x − 1 = 0
  4. x² + 5x + 2 = 0
  5. 3x² + 2x − 1 = 0
  6. x² − 3x − 1 = 0
  7. 2x² + 3x − 2 = 0
  8. x² + x − 1 = 0
  9. x² − 4x + 1 = 0
  10. 3x² − x − 1 = 0
答えを見る

(1) x = (−3 ± √5)/2 (2) x = (1 ± √13)/2

(3) (2x+1)(x−1) → −1/2, 1 (4) x = (−5 ± √17)/2

(5) (3x−1)(x+1) → 1/3, −1 (6) x = (3 ± √13)/2

(7) (2x−1)(x+2) → 1/2, −2 (8) x = (−1 ± √5)/2

(9) x = 2 ± √3 (10) x = (1 ± √13)/6

D 文章題(10問)
  1. 連続する2つの正の整数の積が110。2つを求めよ。
  2. 大小2つの自然数があり、差が4、積が60。2つを求めよ。
  3. 縦が横より2cm長い長方形の面積が48。縦と横は。
  4. ある正の数を2乗したものは、その数の3倍より40大きい。その数は。
  5. 10mの針金を折り曲げて長方形を作り、面積を6m²にする。縦は。
  6. x²+5x+a=0 が x=2 を解にもつとき a。
  7. x²+ax+12=0 の解が x=−3 のとき、もう一方の解と a。
  8. 2つの正方形があり、辺の和が10cm、面積の和が58cm²。それぞれの辺は。
  9. 連続する3つの正の整数の積が、和の8倍に等しい。3整数は。
  10. x²−mx+12=0 が x=2 を解にもつとき m とその他の解
答えを見る

(1) x(x+1)=110 → (x−10)(x+11)=0 → 10, 11

(2) x(x+4)=60 → (x−6)(x+10)=0 → 6, 10

(3) x(x+2)=48 → (x−6)(x+8)=0 → 横6cm、縦8cm

(4) x²=3x+40 → (x−8)(x+5)=0 → x=8

(5) 縦+横=5、縦x、横5−x、x(5−x)=6 → x²−5x+6=0 → x=2 or 3

(6) 4+10+a=0 → a=−14

(7) 解の積=12、もう一方 = 12/(−3)=−4。和 −3+(−4)=−7=−a → a=7

(8) x+y=10、x²+y²=58。(x+y)²=100=58+2xy → xy=21。x, y は和10・積21 → (x−3)(x−7)=0 → 3, 7

(9) (n−1)n(n+1)=8(3n) → n³−n=24n → n³=25n → n²=25 → n=5(正)→ 4,5,6

(10) 4−2m+12=0 → m=8、もう一方 12/2=6 → m=8、x=6

テスト前のチェックリスト

  • □ ax² + bx + c = 0 の3つの解き方を使い分け
  • □ 因数分解できれば最も簡単
  • □ 平方完成:(x + p)² = q の形に
  • □ 解の公式:x = (−b ± √(b²−4ac)) / 2a
  • □ 重解(D=0):解が1つ
  • □ 文章題:解の吟味(正・整数など)
  • □ 因数分解の形:(x−α)(x−β) なら解は α, β
つまずきポイントの再確認
  • 判別式 b² − 4ac:負だと解なし(実数)、0で重解、正で2解
  • 因数分解できるか確認:できれば早い
  • 文章題の解の吟味:「正の数」「個数」なら負解を捨てる
  • 解と係数の関係(中3範囲外だが便利):和=−b/a、積=c/a

二次方程式の解法の選び方

3つの方法の使い分け

① 因数分解できる → 因数分解で解く(最も簡単)

 例:x² − 5x + 6 = 0 → (x−2)(x−3) = 0

② x² = a の形または (x+p)² = q の形 → 平方根

 例:(x − 3)² = 7 → x = 3 ± √7

③ 因数分解しにくい・複雑 → 解の公式

 例:x² + 3x + 1 = 0 → x = (−3 ± √5)/2

因数分解できる二次方程式の見分け方

  • x² + bx + c = 0 が因数分解できる条件:
  •  2つの整数の和が b、積が c
  • 例:x² + 7x + 12 = 0 → 和7・積12 → 3と4 → (x+3)(x+4)
  • 例:x² − 5x − 14 = 0 → 和−5・積−14 → 2と−7 → (x+2)(x−7)
  • 1つの実数解(重解):x² − 2ax + a² = (x − a)²
  • 2つの平方の差:x² − a² = (x+a)(x−a)

判別式と解の個数

D = b² − 4ac で判定

D > 0:異なる2つの実数解

D = 0:重解(解1つ)

D < 0:実数解なし(中学範囲では「解なし」)

例:x² + x + 1 = 0 → D = 1 − 4 = −3 → 解なし

例:x² − 4x + 4 = 0 → D = 16 − 16 = 0 → 重解 x = 2

解の公式の覚え方

x = (−b ± √(b²−4ac)) / (2a)

語呂合わせ:「マイナスびー、プラスマイナス、ルートの中、びーの2乗、マイナス4エーシー、ぜんぶ2エーで割る」

→ a, b, c を正確に代入する(符号に注意)

→ ルートの中が 負なら実数解なし

→ ルートの中が 0なら重解

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

解の公式は約1400年前に「言葉」で書かれていた発展

インドの数学者ブラフマグプタは628年の著書で、ax²+bx=c の解き方を記号ではなく文章のかたちで示しました。これは今の解の公式とほぼ同じ内容で、私たちが使う x=(−b±√(b²−4ac))/2a の形は17世紀のデカルトによって広まりました。

出典:ウィキペディア「二次方程式の解の公式」

古代バビロニアは負の数がなく方程式を3つの型に分けた発展

紀元前のバビロニアでは0や負の数を使わなかったため、二次方程式を符号によって3つの型に分けて解いていました。粘土板には平方根の近似値なども記録されており、現代の平方完成や解と係数の関係につながる考え方がすでに使われていました。

出典:ウィキペディア「バビロニア数学」

判別式 D=b²−4ac で解の個数が決まる(高校範囲)発展

解の公式のルートの中身 b²−4ac を判別式 D と呼びます。D>0 なら異なる2つの実数解、D=0 なら重解が1つ、D<0 なら実数解はありません。中3で出てくる「平方根の中が負だと解けない」という感覚が、高校ではこの式できちんと判定できるようになります。

出典:ウィキペディア「判別式」

黄金比は二次方程式の解として現れる無理数発展

デザインや自然界で見られる黄金比 1.618… は、二次方程式 x²−x−1=0 を解いて得られる正の解 (1+√5)/2 のことです。解の公式を使うとちょうどこの値が出てきます。ただし古い建築や美術が黄金比でできているという話には後世の作り話も多く、過信は禁物です。

出典:ウィキペディア「黄金比」

落下にかかる時間は二次方程式で求められる実生活

物を静かに落とすと、落ちる距離 h は時間 t の2乗に比例し、h=(1/2)g t²(g は重力加速度で約9.8 m/s²)となります。逆に「ある高さから何秒で落ちるか」を求めると、t についての二次方程式を解くことになり、まさに章末問題の文章題と同じ考え方が使えます。

出典:ウィキペディア「自由落下」