デジタルこどもBASEのロゴ特定非営利活動法人デジタルこどもBASE
中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

4章 関数 y=ax² ── 章末42問問題集

4章の総まとめ 42問。値・グラフ・変化の割合・応用・いろいろな関数に分けて練習。中3数学の関数分野、高校入試で頻出です。

復習のポイント

  • y = ax²:2次関数(中3範囲)、グラフは 放物線、原点を頂点
  • a > 0:上に開く / a < 0:下に開く
  • |a| が大きいほど開きが 狭い
  • 変化の割合 = a(p + q)(x が p→q)
  • 放物線と直線の交点:連立で求める
  • x 軸対称:y = ax² と y = −ax²

この章でつまずきやすいところ

y=ax² の問題を解いている途中で、中学生は「x が負だから y も負」「a が大きいほど広がる」など、一次関数の感覚を引きずって迷うことが多いです。本文を読む途中に起きる代表的な迷いを場面ごとに整理します。

x が負なら y も負だと思い込んでしまう

  • つまずく場面:問題に「y=3x² で x=−2 のとき y を求めよ」と書かれていて、x がマイナスだから答えもマイナスになる気がして、−12 と書きそうになる場面。一次関数の感覚を引きずって迷う瞬間です。
  • 克服のコツ:因果関係で押さえます。先に x² を計算 → 次に a を掛ける順番を守れば符号は迷いません。x が負でも x² は必ず 0 以上なので、y の符号を決めるのは a の符号だけです。a>0 なら y は 0 以上、a<0 なら y は 0 以下になります。
  • ミニ例:y=3x² で x=−2 → まず (−2)²=4、次に 3×4=12。y=−x² で x=5 なら 5²=25、−1×25=−25。符号は a が決めます。

a が大きいほどグラフが広がると思ってしまう

  • つまずく場面:「y=(1/3)x² と y=3x²、開きが広いのはどちら」という問題で、a=3 のほうが数字が大きいから広く開きそうに感じて、3x² を選びそうになる場面。直感と教科書の説明がぶつかります。
  • 克服のコツ:見分け方は |a| の大小で逆向きと覚えます。|a| が大きい=狭い、|a| が小さい=広い。x=1 を入れて y の値を比べると、y の伸びが大きい方が「狭く立ち上がる」グラフだと納得できます。
  • ミニ例:x=1 で比べると、y=3x² は y=3、y=(1/3)x² は y=1/3。y が大きく伸びる 3x² の方が狭く、伸びがゆるい (1/3)x² の方が広く開きます。

変域でも両端が最大・最小だと思い込んでしまう

  • つまずく場面:「y=x² で −3≦x≦1 のとき y の変域」を考えている途中、一次関数のつもりで両端の x=−3 と x=1 を代入し、最小を 1 にしてしまいそうになる場面。x=0 を通ることを忘れる瞬間です。
  • 克服のコツ:位置関係で整理します。変域に x=0 を含むかどうかを最初に確認。含むなら原点が a>0 で最小、a<0 で最大になります。両端の値だけでは決まらず、原点と両端の三つを比べるのが鉄則です。
  • ミニ例:y=x²、−3≦x≦1 → x=0 を含むので最小は y=0。両端は y=9 と y=1 で大きい方が最大。よって 0≦y≦9。x=1 ではなく x=−3 のときが最大です。

変化の割合を傾き a そのものだと思ってしまう

  • つまずく場面:「y=2x² で x が −1→4 の変化の割合」を求めようとして、一次関数のクセで「a=2 だから 2」と即答しそうになる場面。y=ax² では割合が一定でないことを読み飛ばしている瞬間です。
  • 克服のコツ:因果関係で押さえます。y=ax² の変化の割合は 区間ごとに変わる。公式 a(p+q)(x が p→q)に当てはめれば必ず出せます。一次関数の a と混同しないため、必ず p と q を式に書き出してから計算します。
  • ミニ例:y=2x² で x が −1→4 → a(p+q)=2·(−1+4)=2·3=6。a の 2 ではありません。同じ式でも x が 1→3 なら 2·(1+3)=8 と区間で変わります。
📄 この章の印刷プリント(PDF・解答つき)を無料配布中 ── PDFをダウンロード プリント一覧へ
A 値・式(10問)
  1. y = 3x² で x = −2 のとき y
  2. y = −x² で x = 5 のとき y
  3. y = (1/4)x² で x = 6 のとき y
  4. y = ax² が (2, 8) を通るとき a
  5. y = ax² が (−3, 18) を通るとき a
  6. y = ax² で x = 4 のとき y = −32 ⇒ a
  7. y = 2x² で y = 50 のとき x
  8. y = −x² で y = −16 のとき x
  9. y = 3x² の x = −1 のとき y
  10. (2, 12) を通る y = ax² で x = 3 のとき y
答えを見る

(1) 12 (2) −25 (3) 9 (4) 2 (5) 2 (6) −2 (7) ±5 (8) ±4 (9) 3 (10) a = 3、y = 27

B グラフ・変域(10問)
  1. y = x² で −3 ≦ x ≦ 1 のとき y の変域
  2. y = 2x² で 1 ≦ x ≦ 4 のとき y の変域
  3. y = −x² で −2 ≦ x ≦ 3 のとき y の変域
  4. y = −2x² で −1 ≦ x ≦ 2 のとき y の変域
  5. y = ax² が (3, 9) を通る ⇒ グラフは上下どちら向き
  6. y = (1/3)x² と y = 3x² 、開きが広いのはどちら
  7. y = x² と y = −x² の関係は
  8. y = ax² のグラフが (2, 12) を通る ⇒ a と頂点
  9. y = 4x² と x 軸の交点
  10. y = ax² のグラフが (1, −5) を通るとき a
答えを見る

(1) 原点をまたぐ、0 ≦ y ≦ 9(最大 x=−3 で 9)

(2) 原点含まず、2 ≦ y ≦ 32

(3) 原点またぐ a<0、−9 ≦ y ≦ 0

(4) 原点またぐ a<0、−8 ≦ y ≦ 0

(5) a = 1(>0)→ 上向き

(6) (1/3)x² のほうが開きが広い(|a| が小さい)

(7) x 軸を中心に対称

(8) 12 = 4a → a = 3、頂点 (0, 0)

(9) (0, 0) のみ (10) a = −5

C 変化の割合(10問)
  1. y = x² で x が 1→3 のときの変化の割合
  2. y = 2x² で x が −1→4 の変化の割合
  3. y = −x² で x が 2→5 の変化の割合
  4. y = ax² で x が 1→3 の変化の割合が 8 ⇒ a
  5. y = 3x² で x が 2→5 の変化の割合
  6. y = (1/2)x² で x が 0→4 の変化の割合
  7. y = −2x² で x が −3→1 の変化の割合
  8. y = x² の変化の割合の公式
  9. y = ax² で x が −2→6 の変化の割合が 4 ⇒ a
  10. 1次関数 y = ax + b で x が 0→3 の変化の割合は
答えを見る

(1) 1·(1+3) = 4 (2) 2·(−1+4) = 6 (3) −1·(2+5) = −7

(4) a·(1+3) = 8 → a = 2 (5) 3·(2+5) = 21 (6) (1/2)·(0+4) = 2

(7) −2·(−3+1) = 4 (8) a(p+q) (9) a·(−2+6) = 4 → a = 1

(10) a(一定)

D 応用(10問)
  1. y = x² と y = x + 6 の交点
  2. y = 2x² と y = 4x + 6 の交点
  3. y = x² 上の (1, 1), (4, 16) を通る直線
  4. 正方形1辺4cm、P, Q が頂点から毎秒1cmで動き、x秒後の三角形面積 y
  5. y = 5x²(落下)で 3秒後の落下距離
  6. y = ax² が (−2, 8) を通り、x が −2→4 の変化の割合
  7. y = x² と y = 2x の交点
  8. 放物線 y = (1/2)x² 上の点 (4, 8) と原点を結ぶ直線
  9. 放物線 y = x² 上の (−2, 4) と (3, 9) を結ぶ直線
  10. y = ax² と y = x² が原点だけで接する条件
答えを見る

(1) x² = x + 6 → x² − x − 6 = 0 → (x−3)(x+2) = 0 → (3, 9), (−2, 4)

(2) 2x² = 4x + 6 → x² − 2x − 3 = 0 → (x−3)(x+1) = 0 → (3, 18), (−1, 2)

(3) 傾き 5、(1,1) から y = 5x + b → b = −4 → y = 5x − 4

(4) y = (1/2)x² (5) 5·9 = 45 m

(6) a = 2、2·(−2+4) = 4 (7) x² = 2x → x(x−2) = 0 → (0,0), (2,4)

(8) y = 2x (9) (9−4)/(3−(−2)) = 1、y = x + 6

(10) ax² = x² → (a−1)x² = 0。原点だけで交わるには a≠1。さらに y=ax² の比例定数として a≠0。

E いろいろな関数(2問)
  1. ある駐車場の料金は、0 < x ≦ 30 のとき y = 200、30 < x ≦ 60 のとき y = 400(x:利用時間[分]、y:料金[円])。x = 30 のときの料金はいくらか。
  2. x:1、2、3、4 に対して y:5、8、11、14 のとき、この関数の式を求めよ。
答えを見る

(1) x = 30 は 0 < x ≦ 30 の区間に含まれる(●)ので y = 200円。

(2) yの増加量は3で一定 → 一次関数。y = 3x + b に (1, 5) を代入して b = 2 → y = 3x + 2。

テスト前のチェックリスト

  • □ y = ax² のグラフは 放物線、頂点 (0, 0)
  • □ a の符号でグラフの向き、|a| で広がり
  • □ 変域:原点を含むかで変わる
  • □ 変化の割合 = a(p + q)(x: p→q)
  • □ 放物線と直線の交点 = 連立方程式
  • □ 1次関数と違い、変化の割合は 一定でない
つまずきポイントの再確認
  • 変域の最大・最小:原点を含むか確認
  • a が負:x = 0 が最大、両端が最小
  • 変化の割合の公式:a(p+q) を覚える
  • 1次関数との違い:放物線は曲線、変化の割合は変わる

放物線と三角形の面積

頻出パターン

放物線 y = ax² 上の2点 A, B と直線の交点問題

→ 直線の y 切片を底辺とみなす

→ 2点の x 座標の差を高さ(もしくは底辺の長さの計算に利用)

→ 三角形 OAB の面積 = (1/2) × y切片 × |xA − xB|

例:y = x²、A(−1,1)、B(2,4)、直線 y = x + 2 → 三角形 OAB = (1/2)·2·3 = 3

1次関数 vs 2次関数(y = ax²)

1次関数 y = ax + b2次関数 y = ax²
グラフ直線放物線(曲線)
変化の割合常に a(一定)a(p+q)(変化する)
頂点なし原点 (0, 0)
対称軸なしy 軸
例速さ一定の運動加速運動・自由落下

自由落下と y = ax²

物理との関係

自由落下の落下距離:y = (1/2)g·t²(g ≒ 9.8 m/s²)

時間 t と距離 y は y = ax² の関係

→ 2倍の時間で4倍、3倍の時間で9倍の距離

→ 加速運動の典型例として y = ax² が登場

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

自由落下の距離は時間の2乗に比例する実生活

物を静かに落とすと、落ちた距離は落ちた時間の2乗に比例します。重力加速度は約9.8m/秒²で、最初の1秒では約4.9m、2秒では約19.6m落ちます。これはまさに y=ax² の関係で、時間が2倍になると距離は4倍になります。

出典:日本大百科全書(ニッポニカ)/JapanKnowledge「自由落下」

ガリレオが見つけた「2乗に比例」発展

落下距離が落下時間の2乗に比例することは、17世紀初めにガリレオ・ガリレイが落体の運動を調べて論証したと伝えられています。教科書で習う y=ax² は、約400年前に発見された物理法則そのものを表す式でもあるのです。

出典:日本大百科全書(ニッポニカ)/JapanKnowledge「自由落下」

車の制動距離は速度の2乗に比例する実生活

ブレーキをかけてから車が止まるまでの制動距離は、速度の2乗に比例します。だから速度が2倍になると制動距離は4倍に伸びます。これも y=ax² の形で、速度を上げすぎると止まれなくなる理由を数式が教えてくれます。

出典:警察庁交通局「速度規制の目的と現状」

時速が上がると止まれる距離はどれだけ伸びる?実生活

乾いた舗装路で急ブレーキをかけたとき、止まるまでの距離の目安は時速20kmで約9m、40kmで約22m、60kmで約44mとされています。速度が上がるほど距離が急に長くなるのは、放物線 y=ax² のようにグラフが急に立ち上がる性質と同じです。

出典:日本交通安全教育普及協会「自動車の停止距離」

パラボラアンテナは放物線でできている発展

JAXAが宇宙機との交信に使うパラボラアンテナは、放物線を回転させたお椀の形をしています。お椀に当たった電波が反射して中心の一点に集まる性質を利用し、月(約38万km先)や深宇宙の探査機からの弱い電波も受信できます。

出典:ファン!ファン!JAXA!「パラボラアンテナのこと」

y=ax² は加速する運動を表す式発展

速さが一定の運動は一次関数 y=ax+b で表せますが、自由落下のようにだんだん速くなる加速運動は y=ax² で表されます。一次関数と違い、変化の割合 a(p+q) が一定でないことが、加速=速さが変わることに対応しています。

出典:日本大百科全書(ニッポニカ)/JapanKnowledge「自由落下」