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5章 相似 ── 章末45問問題集

5章の総まとめ 45問。基本・比・面積体積に分けて練習。中3数学の重要単元、高校入試でも必ず出題されます。

復習のポイント

  • 相似:形が同じだが大きさが違う図形(記号 ∽)
  • 相似条件:3組の辺の比/2組の辺と挟む角/2組の角
  • 相似比:対応する辺の長さの比(同じ)
  • 平行線と線分の比:平行線で切ると比が一定
  • 中点連結定理:MN ∥ BC かつ MN = BC/2
  • 面積比 = 相似比²、体積比 = 相似比³

相似問題の解き始め

  • まず対応する頂点の順番をそろえる。相似記号の順番は、辺の比を作る設計図になる。
  • 三角形の相似条件は、3辺の比、2辺の比とその間の角、2組の角の3つ。
  • 平行線がある図では、同位角・錯角から相似を見つける。
  • 面積比は相似比の2乗、体積比は相似比の3乗。長さの比のまま答えない。
例:相似比 2:3

対応する辺の比は2:3、面積比は4:9、体積比は8:27。

この章でつまずきやすいところ

相似は「形が同じで大きさだけ違う」図形を扱う単元です。問題を読み進める途中で、対応の順番や面積比・体積比の指数で手が止まりやすい場面が出てきます。ここでは、解き方の手順ではなく「読みながら迷う瞬間」を切り取って整理します。

面積比を相似比のままにしてしまう

  • つまずく場面:「相似比 2:3」と書かれている図形を見ながら、そのまま「面積比も 2:3」と決めてよいか迷い、ペンが止まる場面。長さと面積の違いを意識できず、相似比の数字をそのまま写してしまいたくなる。
  • 克服のコツ:見分け方は「次元」で考える。長さは1方向の量、面積は縦×横の2方向、体積は3方向。だから面積比=相似比²、体積比=相似比³になる。問題文に「面積」「体積」の語を見つけた瞬間に、相似比を何乗すべきか確認する習慣をつけよう。
  • ミニ例:相似比 2:3 なら、面積比は 4:9、体積比は 8:27。線の比のまま 2:3 と答えそうになったら、必ず指数を確認する。

△ABCと△DEFの対応順を読み飛ばしてしまう

  • つまずく場面:「△ABC ∽ △DEF」という表記を見て、すぐに辺の長さを比べ始めてしまう場面。どの頂点とどの頂点が対応するかを意識せず、AB と EF のような違う組で比例式を作りかけて混乱する。
  • 克服のコツ:見分け方は「記号の順番=対応の設計図」と読むこと。∽ で結ばれた式は、左から順に頂点が対応していると決まっている。AはD、BはE、CはFと先に書き出してから、辺の比を作ると間違えにくい。
  • ミニ例:△ABC ∽ △DEF、AB=4、DE=6 のとき、対応は AB↔DE なので相似比は 4:6=2:3。AB↔EF と読むと比がずれてしまう。

平行線がないのに比例式を作ろうとしてしまう

  • つまずく場面:三角形の中に線分が引かれた図を見て、「AD:DB = AE:EC になるはず」と書きかけたところで、その線分が本当に BC と平行か分からなくなる場面。図の見た目だけで平行と決めていいか迷う。
  • 克服のコツ:位置関係の見分け方は「DE∥BC が条件として与えられているか」を必ず確認することだ。平行が先、比は後。平行と書いていない場合は、逆に「比が等しいから平行」と示せるかを考える。図の見た目で平行と決めるのは禁止。
  • ミニ例:△ABC で AD=2、AB=6、AE=3、AC=9 のとき、AD:AB=AE:AC=1:3 で等しいから DE∥BC と逆向きに言える。先に比を確かめる順番だ。

影の問題で「比」を逆にしてしまう

  • つまずく場面:棒と木の影の問題を読んでいる途中、「1m の棒の影が 0.5m」「木の影が 10m」という数値を見て、どちらを分母にすればよいか迷う場面。木の高さを「10×0.5」と書きそうになる。
  • 克服のコツ:因果関係で整理する。太陽の角度が同じなので、棒と木で「高さ:影の長さ」の比が等しい、というのが理由だ。先に 棒の高さ:棒の影=1:0.5=2:1 と比を整えると、木の影に同じ倍率をかけるだけになる。
  • ミニ例:棒は 高さ:影=2:1。木の影は 10m なので、木の高さは 10×2=20m。0.5 を直接かけて 5m にしないよう、比を先に作ること。
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A 相似比・対応(10問)
  1. 1辺 4 と 6 の正方形の相似比
  2. 3辺 6, 8, 10 と 3辺 9, 12, 15 の三角形は相似か
  3. △ABC ∽ △DEF、AB=4, DE=6 → 相似比
  4. △ABC ∽ △PQR、∠A=70°, ∠B=60° → ∠R
  5. 相似比 2:5、AB=8 → 対応する DE
  6. 3辺 3, 4, 5 と 3辺 9, 12, 15 は相似か(相似比)
  7. △ABC ∽ △DEF、BC=6, EF=10 → 相似比
  8. 相似比 1:3 の三角形の周の比
  9. 正三角形と正三角形は常に相似か
  10. 長方形 2×3 と長方形 4×7 は相似か
答えを見る

(1) 4:6 = 2:3 (2) すべて 2:3 → 相似

(3) 4:6 = 2:3 (4) ∠C = 180−70−60 = 50°、R は C に対応 → 50°

(5) 8:DE = 2:5 → DE = 20 (6) 1:3 → 相似

(7) 6:10 = 3:5 (8) 1:3(線比そのまま)

(9) はい (10) 2/3 ≠ 4/7 → 相似ではない

B 相似条件と証明(10問)
  1. 三角形の相似条件3つ
  2. △ABC と △DEF で AB:DE=BC:EF=CA:FD なら?
  3. 2角が等しい三角形は
  4. 2辺の比と挟む角が等しい三角形は
  5. 2つの正三角形は常に
  6. 2つの正方形は常に
  7. 2つの長方形は
  8. △ABC で BC 上の点 D、∠BAD=∠BCA → 何が相似
  9. 直角三角形の斜辺と1つの鋭角が等しい → 何が等しい
  10. 合同と相似の違い
答えを見る

(1) ① 3組の辺の比が等しい ② 2組の辺の比と挟む角 ③ 2組の角

(2) 相似(3辺の比) (3) 相似(2組の角)

(4) 相似 (5)(6) 相似 (7) 縦横比次第(一概に言えない)

(8) △ABD ∽ △CBA(共通角 B + 仮定)

(9) 合同(直角三角形の合同条件は中2で学習) (10) 合同:形も大きさも同じ/相似:形が同じ大きさ違う

C 平行線・中点連結(10問)
  1. △ABC で DE ∥ BC、AD=4, DB=6, AE=8 → EC
  2. 同じ条件で BC=20 → DE
  3. AD:DB = 3:5、AE:EC = 3:5 → DE と BC は
  4. 3本の平行線で AB=5, BC=8、向こうで DE=10 → EF
  5. △ABC で M, N が AB, AC の中点、BC=14 → MN
  6. △ABC で M, N が中点、MN=6 → BC
  7. 四角形の4辺の中点を結ぶと?
  8. 四角形で対角線 AC=12, BD=8 → 中点四角形の周
  9. △ABC、AD=2, AB=6、AE=3, AC=9。DE ∥ BC か
  10. 三角形の重心は中線をどう分けるか
答えを見る

(1) 4:6 = 8:EC → EC = 12 (2) 4:10 = DE:20 → DE = 8

(3) 比が等しい → 平行 (4) 5:8 = 10:EF → EF = 16

(5) 7 (6) 12 (7) 平行四辺形

(8) PQ = SR = 6(=AC/2)、QR = PS = 4(=BD/2)、周 = 20

(9) AD:AB = 1:3、AE:AC = 1:3 → 等しい → 平行

(10) 重心から頂点までと中点までの比は 2:1

D 面積・体積比(10問)
  1. 相似比 2:3 → 面積比
  2. 相似比 1:4 → 体積比
  3. 面積比 25:64 → 相似比
  4. 体積比 27:64 → 相似比
  5. 相似な三角形、相似比 3:5、小さい方の面積 18 → 大きい方
  6. 相似な立体、相似比 2:3、小さい方の体積 16 → 大きい方
  7. 地図縮尺 1:10000 の上で 5cm²、実際の面積(m²)
  8. △ABC ∽ △DEF、相似比 2:3、△ABC の周 24 → △DEF の周
  9. 1辺xcmの正三角形と1辺2xcm の正三角形の面積比
  10. 大円と小円の半径比が3:2、面積比は
答えを見る

(1) 4:9 (2) 1:64 (3) 5:8 (4) 3:4

(5) 18·(25/9) = 50 (6) 16·(27/8) = 54

(7) 5·10000²cm² = 50,000 m²

(8) 24·(3/2) = 36 (9) 1:4 (10) 9:4

E 応用問題(5問)
  1. △ABC ∽ △PQR、相似比 2:3、AB=4 → PQ
  2. 木の影の長さで木の高さを測る。1m の棒の影が0.5m、木の影が10m → 木の高さ
  3. 1辺 a の立方体と 1辺 2a の立方体の体積比
  4. 地図縮尺 1:25000、地図上 4cm の実距離(km)
  5. 相似な2つの三角形の面積比 16:25、周の比
答えを見る

(1) PQ = 6 (2) 高さ:影 = 1:0.5 = 2:1、木 = 10×2 = 20m

(3) 1:8 (4) 4 × 25000 = 100000cm = 1km

(5) √16 : √25 = 4:5

テスト前のチェックリスト

  • □ 相似条件3つ(3辺の比、2辺と挟む角、2角)
  • □ 相似比 = 対応する辺の比
  • □ 周の比 = 相似比
  • □ 面積比 = 相似比²
  • □ 体積比 = 相似比³
  • □ 平行線と線分の比(DE∥BC で AD:DB = AE:EC)
  • □ 中点連結定理:MN = BC/2、MN ∥ BC
  • □ 縮尺:地図と実際の長さ・面積の比
つまずきポイントの再確認
  • 対応の順:△ABC ∽ △DEF なら A↔D、B↔E、C↔F
  • 面積比は相似比の2乗(線形 → 2次元)
  • 体積比は相似比の3乗(線形 → 3次元)
  • 共通角は相似の証明でよく使う

相似の重要ポイント整理

3つの相似条件

① 3組の辺の比がすべて等しい(SSS)

② 2組の辺の比とその挟む角が等しい(SAS)

③ 2組の角がそれぞれ等しい(AA)── 最も頻出

→ 入試の証明問題ではほとんど「2角」を使う

相似と各種図形の関係

  • 三角形の中の平行線:DE ∥ BC → △ADE ∽ △ABC
  • 直角三角形の高さ:△ABC ∽ △ACH ∽ △CBH(3つの相似)
  • 円周角:同じ弧の円周角は等しい → 2角で相似
  • 方べきの定理:弦の交点で相似 → PA·PB = PC·PD

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

地図の縮尺は「相似比」そのもの実生活

国土地理院の2万5千分の1地形図は、実際の地形を相似な形のまま2万5千分の1に縮めた図です。地図上で4cm測れば、実際の距離は4×25000=100000cm=1kmと、相似比を使って計算できます。地図は身近にある巨大な相似図形だといえます。

出典:国土地理院 KIDS(距離と縮尺)

地図上の面積は縮尺の2乗で実際に直す実生活

地図から実際の面積を求めるときは、縮尺を1回ではなく2回かけます。たとえば2万5千分の1の地図では、縦と横の両方向が2万5千倍されるため、地図上の面積に25000²をかけて実際の面積になります。これは「面積比=相似比の2乗」という相似の性質が実際の測量で使われている例です。

出典:国土地理院 地理院地図(面積を測る)

影を使って木やビルの高さを測る測量実生活

直接はかれない木や塔の高さも、相似な直角三角形を作れば求められます。同じ時刻なら太陽の光は平行なので「棒の高さ:棒の影=木の高さ:木の影」という相似関係が成り立ちます。江戸時代の測量でも、木のてっぺんと山頂を重ねて見る位置から直角三角形の相似で高さを計算する方法が用いられました。

出典:国立国会図書館「江戸の数学」測量の方法

プラモデルの「1/144」も相似の考え方発展

プラモデルの1/144や1/72といったスケールは、実物を相似な形のままその割合に縮めた縮尺を表します。たとえば1/144なら全長は実物の144分の1になります。ただし模型では見栄えのために意図的な変形(デフォルメ)が加わることもあり、必ずしも完全な相似形とは限りません。

出典:Wikipedia「1/144スケール」

図形の中に図形がある「自己相似」フラクタル発展

正三角形の各辺の中点を結んでできる中央の三角形を取り除き、残った3つの三角形に同じ操作を無限にくり返すと「シェルピンスキーのギャスケット」ができます。どこを拡大しても全体と同じ形が現れ、これを自己相似性といいます。相似の考えを無限に重ねると、こうした不思議なフラクタル図形が生まれます。

出典:Wikipedia「シェルピンスキーのギャスケット」