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6章 円周角 ── 章末35問問題集

6章の総まとめ 35問。角の計算・相似応用・接線・内接四角形までを総復習。中3数学の幾何分野の重要単元です。

復習のポイント

  • 円周角の定理:同じ弧の円周角は等しい
  • 中心角と円周角:中心角 = 円周角 × 2
  • 直径と円周角:直径に立つ円周角は 90°(タレスの定理)
  • 内接四角形:対角の和は 180°
  • 方べきの定理(参考):PA × PB = PC × PD(弦の交点)
  • 三平方の定理との組合せで応用問題

円周角問題の基本線

  • 同じ弧に対する円周角は等しい。まず、どの弧を見ている角かを確認する。
  • 中心角は同じ弧に対する円周角の2倍。
  • 直径に対する円周角は90°。直角三角形が隠れていないかを見る。
  • 円周角の逆を使う問題では、同じ線分を同じ角度で見る点は同じ円周上にあると考える。
注意
  • 角が等しい理由を「円だから」と書かない。同じ弧か、直径か、中心角かを明記する。
  • 弧ABに対する角と弧ACに対する角を混同しない。

この章でつまずきやすいところ

円周角の章末問題は、図を見ているうちに「どの弧の話だっけ」と分からなくなることが多い単元です。ここでは本文や問題を読んでいる途中に起こりやすい迷いを4つ取り上げ、図の見方を整えるコツを紹介します。

「同じ弧」を「同じ弦」と思い込んでしまう

  • つまずく場面:「弧ABの円周角」と書かれた問題で、点ABを結ぶ直線だけ見て角を等しいと決めつけてしまう場面。弦AB上に角があるかどうかではなく、どちら側の弧を見込んでいるかを区別できず手が止まる。
  • 克服のコツ:位置関係で整理する。①弧ABには短い側と長い側の2本があると意識する。②角の頂点Pがどちら側にあるかを図に書き込む。③Pと同じ側の弧を見込む角だけが等しい。弦が同じでも、弧が反対側なら角は等しくならないと確認してから式に進む。
  • ミニ例:弧ABの同じ側に頂点P, Qがあれば∠APB=∠AQB。Pが反対側にあるとき、∠APBは反対側の頂点が作る円周角と足して180°になる(同じ弦ABの上下で見込む角は補角の関係)。だから図の上下どちらに頂点があるかを必ず印で残す。

中心角と円周角を同じ大きさにしてしまう

  • つまずく場面:中心角120°と書かれた図を見て、つい同じ弧の円周角も120°と書いてしまう場面。中心Oが円の真ん中、頂点Pが円周上という違いを意識しないまま角度欄に数字を入れてしまい、計算が合わなくなる。
  • 克服のコツ:見分け方で整理する。①角の頂点が円の中心Oなら中心角、円周上のPなら円周角。②中心角は同じ弧の円周角の2倍、円周角は中心角の半分。③数字を書く前に「頂点はどこ?」と一度声に出して確認する。頂点が中心Oにある中心角の方が大きく、円周上Pにある円周角はその半分と覚える。
  • ミニ例:中心角∠AOB=120°なら、同じ弧ABを見込む円周角∠APB=60°。逆に円周角25°と書かれていたら、同じ弧の中心角は50°になる。

「直径に立つ円周角」のヒントを見落とす

  • つまずく場面:AB=10やAB=13といった直径の数値が問題に書かれているのに、ただの線分と見てしまい三平方の定理を使う発想が出てこない場面。直径ABと円周上のPで三角形APBが描かれているのに、直角に気づけない。
  • 克服のコツ:因果関係で整理する。①「直径」という言葉や、中心Oを通る弦を見つける。②直径ABに立つ円周角∠APBは必ず90°になる(タレスの定理)。③直角が確定したら、AP²+BP²=AB²の三平方の式に進める。直径という言葉を直角のサインと覚える。
  • ミニ例:直径AB=10、円周上の点PでAP=6のとき、∠APB=90°だから6²+BP²=10²、BP²=64でBP=8。直径と円周角90°がつながれば三平方が自動的に使える。

内接四角形の「対角」を隣の角と取り違える

  • つまずく場面:円に内接する四角形ABCDで∠A=75°と書かれた図を見て、∠Bの大きさを105°と書いてしまう場面。180°から引くのは隣の角ではなく向かい合う角だという区別がついていない。
  • 克服のコツ:位置関係で整理する。①円に内接する四角形では、向かい合う角(対角)の和が180°になる。②ABCDの並び順から、Aの対角はC、Bの対角はDだと指でなぞる。③180°から引く相手は「斜め向こうの頂点」と確認してから計算する。隣どうしの角は180°にならない点に注意。
  • ミニ例:内接四角形ABCDで∠A=75°なら、対角の∠C=180−75=105°。∠B=110°なら、対角の∠D=180−110=70°。一般には隣どうしの角の和は180°にならない(180°になるのは向かい合う対角どうし)点を必ず図で確認する。
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A 円周角の計算(15問)
  1. 中心角 120° → 同じ弧の円周角
  2. 円周角 25° → 同じ弧の中心角
  3. 同じ弧の2つの円周角 ∠APB = 30°、∠AQB は
  4. 直径 AB に立つ円周角
  5. 円に内接する四角形 ABCD で ∠A = 75°、∠C は
  6. 円に内接する四角形 ABCD で ∠B = 110°、∠D は
  7. 中心角 200° → 円周角
  8. 中心角 90° → 円周角
  9. 円周角 60° → 弧の中心角
  10. 円周角 90° → 弦は
  11. 円周角 45° → 中心角
  12. 中心角 80° → 円周角
  13. 円周上の3点で作る三角形の内角の和
  14. 内接四角形で ∠A=90° → ∠C
  15. 同じ弧の円周角同士の関係
答えを見る

(1) 60° (2) 50° (3) 30°(同じ弧) (4) 90°(タレス) (5) 105°(180−75) (6) 70°

(7) 100°(200/2) (8) 45° (9) 120° (10) 直径

(11) 90° (12) 40° (13) 180°(普通の三角形と同じ) (14) 90° (15) 等しい

B 相似・接線・直径応用(15問)
  1. 弦 AB, CD が P で交わる。PA=6, PB=4, PC=3 → PD
  2. PA=5, PB=8, PD=10 → PC
  3. 外部点 P から円に2接線。接点を T,T'。PT=10 → PT'
  4. 点 P から円 O に接線。PT=12、PO=15 → 半径
  5. 直径 AB=10、円周上 P で AP=6 → BP
  6. 直径 AB=13、円周上 P で AP=5 → BP
  7. 直径 AB、円周上 P で ∠ABP=35° → ∠BAP
  8. 同じ弧の円周角 ∠APB=∠AQB=42° なら、弧の中心角
  9. 弧 AB の長さが弧 CD の2倍 → 円周角 ∠APB と ∠CQD の関係
  10. 内接する四角形 ABCD で ∠BAD = 100°、∠ABC = 70° → ∠BCD, ∠CDA
  11. 円の半径6、弧の長さが弧全体の1/3 → 中心角・円周角
  12. 外部の1点から円に引いた2本の接線の長さの性質
  13. 円に内接する正三角形の中心角
  14. 円に内接する正方形の中心角
  15. 円に内接する正六角形の中心角
答えを見る

(1) 24 = 3·PD → 8 (2) 40 = PC·10 → 4

(3) 10(外部から2本の接線は等しい) (4) r² = 15² − 12² = 81 → r = 9

(5) ∠APB=90°、6²+BP²=10² → BP²=64 → BP=8

(6) 5²+BP²=169 → BP²=144 → BP=12

(7) ∠APB=90°、∠BAP=90−35=55°

(8) 84°(円周角の2倍)

(9) ∠APB = 2·∠CQD(弧の長さに比例)

(10) ∠BCD=180−100=80°、∠CDA=180−70=110°

(11) 中心角120°、円周角60° (12) 2本の接線の長さは等しい

(13) 120°(360/3) (14) 90°(360/4) (15) 60°(360/6)

C 三平方との組合せ(5問)
  1. 直径 10 の円、弦 AB=8 のとき中心から弦までの距離
  2. 半径 5 の円、中心から距離 3 のところに弦 → 弦の長さ
  3. 直径 13 の円に内接する直角三角形、一辺 5 → 他の二辺
  4. 半径 10 の円の周上 4 点で正方形、対角線
  5. 半径 r の円に内接する正三角形の一辺
答えを見る

(1) 半径 5、半弦 4 → √(5²−4²) = 3

(2) 半弦 = √(5²−3²) = 4、弦 = 8

(3) 斜辺は直径13、5²+x²=169 → x=12(5,12,13 直角三角形)

(4) 対角線 = 直径 = 20

(5) r√3

テスト前のチェックリスト

  • □ 中心角 = 円周角 × 2
  • □ 同じ弧の円周角は等しい
  • □ 直径に立つ円周角は90°
  • □ 内接四角形の対角の和は180°
  • □ 円外の点からの2接線の長さは等しい
  • □ 接線と半径は接点で垂直
  • □ 三平方の定理と組み合わせる応用
つまずきポイントの再確認
  • 「同じ弧」とは:同じ点A、Bにはさまれた弧
  • 中心角と円周角の方向:両方とも同じ弧側を見る
  • 内接四角形:4つの頂点が円周上にある四角形
  • 接線は接点で半径に垂直、これを使って三平方

円周角の典型問題パターン

入試で頻出するパターン

① 同じ弧 = 同じ円周角を見つける → 2角相似

② 直径 = 90°のヒントを探す → 直角三角形 → 三平方

③ 内接四角形の対角の和で角度計算

④ 方べきの定理で辺の長さを連立

⑤ 2接線の長さが等しい性質で連立方程式

応用:内接円と外接円

  • 三角形の外接円:3頂点を通る円。中心は3辺の垂直二等分線の交点
  • 三角形の内接円:3辺に接する円。中心は3つの角の二等分線の交点
  • 正三角形:外接円の半径 R と内接円の半径 r の関係 R = 2r
  • 直角三角形:斜辺の中点が外接円の中心、半径は斜辺の半分
つまずきポイント①:弧と円周角の対応を間違える
  • 「弧 AB」と書いてあっても、A から B まで 2通りある(短い弧と長い弧)
  • 図を描いてどちら側か明示する
  • 円周角はどちら側に立つかで違う角度になる
つまずきポイント②:相似と方べきの順序
  • 方べきの定理は「相似」が背景
  • まずは2角の相似を示し、対応する辺の比から PA·PB = PC·PD を導く
  • 順序を間違えるとミスする → 「P から見た2点までの距離の積」
つまずきポイント③:三平方との連携
  • 直径に立つ円周角 = 90° → 三平方の定理が使える
  • 接線と半径も垂直 → 三平方
  • 中心から弦までの距離も垂直 → 三平方
  • 「90°を見つける」のが解法のコツ

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

円周角の定理は2300年前の本に載っている発展

「同じ弧の円周角は等しく、中心角はその2倍」という性質は、紀元前4世紀ごろのユークリッド『原論』第3巻の命題20・21にすでに書かれています。今みんなが解いている円周角の問題は、2000年以上前から証明されてきた定理を使っているのです。

出典:ウィキペディア「円周角」

直径に立つ円周角=90°は「タレスの定理」発展

直径を見込む円周角がいつも90°になることは「タレスの定理」と呼ばれ、その逆として直角三角形の外接円の中心は斜辺の真ん中にあることも示せます。古代ギリシャの哲学者タレスにちなむ名前ですが、本当にタレスが発見したかは現代の研究では確かでないとされています。

出典:ウィキペディア「タレスの定理」

内接四角形の対角線にも公式がある(トレミーの定理)発展

円に内接する四角形ABCDでは、2本の対角線の積が向かい合う辺の積の和に等しく、AC×BD=AB×CD+AD×BCが成り立ちます。これはトレミーの定理と呼ばれ、天文学者プトレマイオスが著書『アルマゲスト』で三角比を求める準備に使いました。

出典:ウィキペディア「トレミーの定理」

測量は「距離から位置を決める」三辺測量で円を使う実生活

国土地理院は、各辺の距離を正確に測って三角点の位置を求める「三辺測量」を行ってきました。ある点からの距離が分かるとその点はある円の上にあると分かり、複数の距離を組み合わせて位置を1点に絞り込みます。これは円や三平方の定理を使う考え方とつながっています。

出典:国土地理院「三角点の測量方法」

マンホールのふたが丸いのは穴に落ちないため実生活

下水道のマンホールのふたが丸いのは、四角いふただと向きがずれたとき対角線から穴に落ちてしまうのに対し、円なら向きを変えても穴に落ちないからです。円はどの向きでも幅(直径)が同じという性質が、安全のために役立っています。

出典:旭川市「マンホールの蓋はなぜ丸い?」