図でつかむ
力は速さや向きを変える原因です。慣性と加速を分けて考えると混乱しにくくなります。
慣性の法則 ── 力がなければそのまま
電車が急ブレーキ → 乗客が前のめり(体は動き続けようとする)
急発進 → 乗客が後ろにのけぞる(体は静止し続けようとする)
テーブルクロスを素早く引く → 上のお皿は動かない
力がはたらくと運動が変わる
- 運動と 同じ向きに力 → 速さが増す(加速)
- 運動と 逆向きに力 → 速さが減る(減速)
- 運動と 垂直に力 → 進行方向が変わる(カーブ)
斜面を下る運動
重力の 斜面方向の成分が力として働く → 加速
速さは時間とともに 一定の割合で増加(等加速度運動)
記録テープは 右へ行くほど間隔が広がる形
自由落下
速さが時間に 比例して増える(9.8 m/s ずつ速くなる、g = 9.8 m/s²)
時間 t 秒後の速さ:v = gt
時間 t 秒後の落下距離:y = (1/2)g·t²
→ 数学で学ぶ y = ax² と同じ形
水平投射・斜方投射(参考)
水平に投げると、水平方向は 等速、垂直方向は 自由落下と同じ。同時に2つの運動をしている。
作用反作用の法則
壁を押すと壁から押し返される
ロケットが燃料を後ろに出すと、ロケットは前へ進む
スケーターが氷を後ろに蹴ると、スケーターは前へ滑る
つりあいと作用反作用は違う
運動の3法則(ニュートン)
第1法則:慣性の法則 力が働かなければ等速直線運動
第2法則:運動方程式 F = ma(高校で学ぶ)
第3法則:作用反作用 力は対で生じる
→ 中学では第1と第3を学び、第2の概念は感覚的に理解
力と速さの関係(中3範囲)
- 力なし → 等速(慣性)
- 運動方向の力 → 加速(速くなる)
- 逆方向の力 → 減速(遅くなる)
- 強い力 → 大きな加速(速さの変化が大きい)
- 軽い物体 → 大きな加速(同じ力でも軽いほど速く動く)
摩擦力と運動
静止摩擦力:物体が動き出す前に働く(押しても動かない)
動摩擦力:動いている物体に働く(だんだん遅くなる)
力 > 静止摩擦力 → 動き始める
水平面で物体を押す → 摩擦が小さければ加速、大きければ等速や停止
記録タイマーで分かる加速
- 同じ時間ごとのテープの長さが 一定の割合で増える → 等加速度運動
- 増え方が大きいほど、速さが増加する割合も大きい
- 例:間隔 1, 3, 5, 7, 9 cm(毎0.1秒)→ 速さが増えていく
- 各区間の速さ = その区間の長さ / 0.1秒
- つりあい:1つの物体に働く2つの力が打ち消し合う。例:机の上の本にかかる重力と、机が押し返す力。
- 作用反作用:A → B の力と B → A の力(異なる物体同士)。
- 区別:力が「同じ物体に働く」か「異なる物体に働く」か。
- 自由落下の 速さは質量と関係ない(空気抵抗を無視すれば)
- 1kgの鉄球も1gの紙くずも、同じ速さで落ちる(真空中)
- 実際の空気中では空気抵抗で違う(紙はゆっくり落ちる)
- ガリレオが実験で証明したと伝えられる
- 「速い」状態と「加速している」状態は違う
- 等速直線運動 = 速いまま 変化しない(力がつりあい)
- 加速運動 = 速さが 変化する(力が働いている)
- 記録テープの間隔で見分けられる
練習問題
動いているバスが急停車したとき、乗客の体はどちらに倒れるか。理由も。
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前方(進行方向)に倒れる。慣性によって体は動き続けようとするから。
摩擦のない斜面を台車が下るとき、記録テープの間隔はどう変化するか。
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進むにつれて 間隔が広がる(速さが増加する=加速運動)。
自由落下で 2秒後の物体の速さ(g = 9.8 m/s² として)。
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v = 9.8 × 2 = 19.6 m/s
本を机の上に置いたとき、本に働く重力と、机が本を押し返す力は「つりあい」か「作用反作用」か。
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つりあい(どちらも本に働く力)。作用反作用は、本が机を押す力と、机が本を押す力の関係。
まとめ
- 慣性の法則:力がなければ 速さも向きも変わらない。
- 力が働くと 速さや向きが変わる。
- 斜面の運動:等加速度(記録テープの間隔が広がる)。
- 自由落下:v = gt、落下距離は (1/2)gt²。
- 作用反作用:A → B と B → A は同じ大きさで反対向き(異なる物体同士)。
- 「つりあい」は同じ物体に働く力、「作用反作用」は異なる物体間。