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月の満ち欠け ── 太陽の光の当たり方

毎晩少しずつ姿を変える月。三日月、半月、満月──このサイクルは 約30日。月は自分で光らず、太陽の光を反射しているだけ。地球から見える「光っている部分」が、地球・太陽・月の位置関係で変わるのです。

図でつかむ

月の満ち欠け ── 地球から見た月の位置と光る面 太陽の光 地球 新月(太陽側・見えない) 三日月 上弦の月(右半分が光る) 満月(全体が光る) 下弦の月(左半分が光る) 公転の向き 約29.5日で1周 日食=新月のとき(太陽→月→地球)/月食=満月のとき(太陽→地球→月)にだけ起こる
地球のまわりを公転する月の位置と満ち欠け ── 太陽の光はつねに左から当たり、地球から見える「光った面」の割合が変わる

月はどの位置にいても太陽側の半分だけが照らされています。地球から見える向きが変わるだけで、新月→上弦→満月→下弦の順に約29.5日で一巡します。

月は太陽の光を反射しているだけ

前提
月の光
月は自ら光らない衛星。太陽の光が当たった半面だけが明るく見える。

月の満ち欠けのサイクル

地球から見た月の形は 約 29.5 日(約1か月)で1周。

  • 新月:太陽と同じ側 → 暗い面が地球を向く → 見えない
  • 三日月:新月から3日目くらい、細い月
  • 上弦の月:右半分が明るい半月
  • 満月:太陽と反対側 → 明るい面が地球を向く → 全部見える
  • 下弦の月:左半分が明るい半月

位置関係で形が決まる

配置と見える形

太陽 → 地球 → 月の順なら、地球から見る月の面はすべて太陽光 → 満月

太陽 → 月 → 地球の順なら、月の暗い面が地球を向く → 新月

太陽が直角の位置にあると → 半月(上弦/下弦)

月の見える時刻・方角

月の形夕方の方角南中時刻
新月見えない正午(昼間)
上弦南の空18時頃
満月東の地平線24時(深夜)
下弦見えない(深夜から朝)明け方

日食 ── 月が太陽を隠す

日食の条件

太陽 → 月 → 地球(新月の位置)に並ぶ

月が太陽の前を通り、太陽を隠す

皆既日食:全部隠す / 部分日食:一部隠す

月食 ── 地球の影に月が入る

月食の条件

太陽 → 地球 → 月(満月の位置)に並ぶ

月が地球の影に入って暗くなる

皆既月食:全部影に / 部分月食:一部影に

皆既月食では、月が 赤銅色に見える(地球大気を通った赤い光だけ届く)

月の表面の特徴

月の地形

クレーター:隕石の衝突跡

海(うみ):黒く見える平らな部分(実際には水はない)

高地:白く見える山がちな部分

月には大気がほとんどない

月の自転周期と公転周期は同じ → 同じ面しか見えない

1969年:アポロ11号が人類初の月面着陸

月と地球の関係

  • 月は地球の 唯一の自然衛星
  • 地球から約 38万km 離れている
  • 直径は地球の約 1/4(約3500km)
  • 質量は地球の約 1/80
  • 月の引力で地球の 潮の満ち引きが起こる
  • 月は地球を 約27.3日で公転(自転周期も同じ)
つまずきポイント①:新月・満月でも毎回食が起こるわけではない
  • 月の公転面は地球の公転面に少し傾いているため、毎月の新月で日食、毎月の満月で月食、にはならない
  • 日食は新月のとき限定、月食は満月のとき限定
  • 3天体(太陽・地球・月)の位置が一直線になる必要がある
つまずきポイント②:日食 vs 月食
  • 日食:月が太陽を隠す(新月、太陽→月→地球)
  • 月食:地球の影に月が入る(満月、太陽→地球→月)
  • 「日が食べられる」「月が食べられる」と覚える
つまずきポイント③:上弦と下弦
  • 上弦の月:新月から満月へ向かう途中。夕方ごろ南の空に見え、右半分が明るい
  • 下弦の月:満月から新月へ向かう途中。明け方ごろ南の空に見え、左半分が明るい
  • 「弦の向き」だけで覚えると、見る時刻や方角で混乱しやすい。まずは 満ち欠けの途中段階・南中時刻・明るい側で整理する

この章でつまずきやすいところ

月の満ち欠けは、太陽・地球・月の位置関係が変わることで「明るく見える面」が変化する現象です。読んでいる途中で「月そのものが欠ける」「毎月日食が起きるはず」と感じやすい場面を整理し、本文の理解をぶれにくくします。

月そのものの形が変わると思い込んでしまう

  • つまずく場面:本文に「三日月」「半月」「満月」と図が並ぶのを見て、月本体が膨らんだり欠けたりしているように受け取ってしまう。「形が変わる」という言葉が、月の輪郭そのものが変形するイメージにつながる場面。
  • 克服のコツ:因果関係で整理する。月は球のままで、太陽に照らされた半面のうち地球から見える割合が変わるだけ。「形が変わる」のは見え方であって、月本体ではない。本文の図を見るときは、いつも半球が照らされている前提で読み直すと迷いが減る。
  • ミニ例:満月のときも、月の裏側(地球から見えない側)は暗い。新月のときも、太陽側の半面は明るく照らされている。明暗の境目はいつも月の真ん中を通っている。

満ち欠けを地球の影のせいだと思い込んでしまう

  • つまずく場面:本文で「月食は地球の影に月が入る現象」と読んだ直後、ふだんの三日月や半月も地球の影が月を隠していると勘違いしてしまう。日常の月の形と月食を混ぜて読んでしまう場面。
  • 克服のコツ:見分け方で整理する。毎日の満ち欠けは太陽・地球・月の位置関係で「光って見える部分」が変わる現象。月食は満月のときに3天体が一直線に並び、地球の影が月にかかる特別な現象。日常の半月や三日月に地球の影は関係しない。
  • ミニ例:半月のとき地球の影が半分かかっているわけではない。半月は太陽が月に対して真横から当たり、照らされた半面のうち半分だけが地球を向いている状態。

新月と満月が来るたびに食が起こると思い込んでしまう

  • つまずく場面:本文の「日食は新月のとき」「月食は満月のとき」を読んで、では毎月の新月で日食、毎月の満月で月食が起こるはずだ、と素直につながってしまう場面。なぜ毎月起きないのか本文を行き来する迷い。
  • 克服のコツ:位置関係で整理する。新月・満月は食の必要条件であって十分条件ではない。月が地球のまわりを回る面は、地球が太陽のまわりを回る面と少しずれているため、新月や満月のたびに3天体が一直線にそろうとは限らない、と教科書では整理する。
  • ミニ例:毎月新月は来るが、日食が見られるのは年に数回だけ。新月のうち、太陽・地球・月がほぼ一直線にそろったときだけ日食になる、と教科書の図で確認する。

上弦と下弦を「弦の向き」だけで覚えようとして混乱してしまう

  • つまずく場面:本文で上弦・下弦という言葉が出てきたとき、「弦が上を向くから上弦」「下を向くから下弦」と覚えようとして、明るい側が右か左か、見える時刻が夕方か明け方か、を読みながら毎回迷ってしまう場面。
  • 克服のコツ:サイクル上の位置で押さえる。順番は新月→上弦→満月→下弦→新月。上弦は新月から満月へ向かう途中、下弦は満月から新月へ向かう途中の半月。弦の向きで覚えるより、このサイクル上のどこにいるかで判断する。明るい側や見える時刻は教科書の図で確認する。
  • ミニ例:「これから満月に向かう半月」なら上弦、「これから新月に向かう半月」なら下弦。明るい側が右か左かは、教科書の図と見比べて確かめる。

練習問題

問題1(位置関係と形)

太陽・地球・月の位置で、満月になる並びと新月になる並びを答えよ。

答えを見る

満月:太陽→地球→月の順 / 新月:太陽→月→地球の順

問題2(時刻)

満月が南の空に来るのは何時頃か。

答えを見る

真夜中(深夜0時頃)

問題3(日食・月食)

(1) 日食が起こるのは、新月か満月か。(2) 月食が起こるのは。

答えを見る

(1) 新月のとき (2) 満月のとき

月齢と月の名前

月齢形名前
0見えない新月(朔)
3細い右下がりの弧三日月
7右半分上弦の月
13ほぼ満月十三夜
14満月の前夜小望月
15満月望月(十五夜)
22左半分下弦の月
28細い右上がりの弧有明の月

月の出と月の入りの時刻

月の出る時刻

新月:太陽と一緒(昼間、見えない)

上弦の月:昼12時頃に出る → 夕方に南の空で見られる → 真夜中に西へ沈む

満月:日没頃 → 真夜中に南中 → 明け方に沈む

下弦の月:真夜中 → 明け方の南の空 → 昼12時頃に沈む

→ 1日あたり 約50分遅くなる

まとめ

  • 月は 太陽の光を反射するだけ。自ら光らない。
  • サイクル:新月 → 上弦 → 満月 → 下弦 → 新月(約29.5日)。
  • 形は 太陽・地球・月の位置関係で決まる。
  • 日食:太陽 → 月 → 地球(新月のとき)。
  • 月食:太陽 → 地球 → 月(満月のとき)。
  • 毎日 約50分遅れで月の出が遅くなる。

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

皆既月食で月が赤銅色になるわけ発展

皆既月食でも月は真っ暗にはならず、赤黒い「赤銅(しゃくどう)色」に見えます。これは、地球の大気を通るときに青い光は散乱されて届かず、散乱されにくい赤い光だけが屈折して地球の影の中の月を照らすためです。大気中のちりが多い年は暗く、少ない年は明るいオレンジ色になります。

出典:国立天文台(NAOJ)「月が赤く見えるときがあるのはなぜ?」

月の引力が起こす潮の満ち引き実生活

海の潮が満ちたり引いたりするのは、おもに月の引力が地球の海水を引きよせるためです。月と同じ向きや反対の向きの海では水位が高くなり、約半日ごとに満潮と干潮がくり返されます。海岸での遊びや漁業の時間も、この月による潮の動きに合わせて決められています。

出典:JAXA宇宙科学研究所キッズサイト「月の引力がどう影響して潮に満干があるのですか」

月がいつも同じ面を見せる理由(潮汐ロック)発展

月の自転周期と公転周期はどちらも約27.3日でぴったり同じなので、地球からは月の同じ面しか見えません。これは長い時間をかけて潮汐の力で自転がしだいに調整された結果で、「潮汐ロック」と呼ばれます。火星の衛星や木星のガリレオ衛星など、多くの衛星でも同じ現象が見られます。

出典:JAXA宇宙科学研究所キッズサイト「ウチューンズ」

大きく見える満月「スーパームーン」実生活

月の軌道は楕円形なので、地球との距離は約35万6千kmから約40万6千kmまで変化します。地球に近い満月は遠い満月にくらべて視直径が約14%大きく、明るさは約30%も明るく見え、近年は「スーパームーン」と呼ばれて話題になります。ただしこれは厳密な天文用語ではなく、定義のあいまいな言葉です。

出典:国立天文台(NAOJ)「『スーパームーン』ってなに?」

月は少しずつ地球から遠ざかっている発展

アポロ宇宙船などが月面に置いた反射鏡へレーザーを当てて距離を精密に測ると、月は1年に約3.8cmずつ地球から遠ざかっていることがわかります。これは潮の満ち引きにともなう潮汐摩擦が原因で、その分だけ地球の自転もごくわずかに遅くなっています。月の満ち欠けのもとになる地球と月の関係も、長い時間でみれば少しずつ変化しているのです。

出典:国立天文台 暦計算室「暦Wiki/潮汐/潮汐摩擦」

大潮・小潮と太陽・月の位置関係実生活

潮の満ち引きには月だけでなく太陽の引力も関係しています。新月や満月のように太陽・地球・月がほぼ一直線に並ぶと引く力が重なって潮位差が大きい「大潮」になり、上弦・下弦の月のように直角に並ぶと力が打ち消し合って差の小さい「小潮」になります。月の満ち欠けの形を見れば、その日の潮の大きさのおおよそが分かります。

出典:ファン!ファン!JAXA!「もっと知りたい!?惑星のこと ~月編~」