デジタルこどもBASEのロゴ特定非営利活動法人デジタルこどもBASE
中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

火山と火成岩 ── マグマのねばりと岩石のでき方

「富士山は円錐形なのに、ハワイのキラウエア火山はなぜ平たいの?」── この答えは、火山の下にある マグマのねばりけにあります。マグマがねばっているか、さらさらか。たったそれだけの違いで、火山の形・噴火の激しさ・溶岩の色・できる岩石の種類まで決まってしまうのです。今回は、ねばりけを主役にして、火山と火成岩を一気につなげて理解します。

マグマって何?

火山の話のスタートは、地下深くにある マグマ です。

用語:マグマ
地下の高温の岩石が液状化したもの
地下深くで、岩石が高温でとけて どろどろになったもの。温度はおよそ 900〜1200℃。地下にあるあいだは「マグマ」と呼びます。
用語:溶岩(ようがん)
マグマが地表に出たもの
マグマが噴火で地表に出ると、呼び名が 溶岩 に変わります。やがて冷えて固まると、岩石になります。
用語:火成岩(かせいがん)
マグマが冷えて固まった岩石
マグマや溶岩が冷え固まってできた岩石をまとめて 火成岩 と呼びます。冷え方の違いで「火山岩」と「深成岩」の2種類に分かれます(後で出てきます)。

火山の形は「マグマのねばりけ」で決まる

火山は世界中にありますが、形を3つに分けて整理すると、しくみが見えてきます。

3つの火山と、ねばりけ・噴火の関係
火山の形 マグマのねばりけ 噴火
楯状(たてじょう)火山
平たい・なだらか
弱い(さらさら) おだやか キラウエア(ハワイ)
成層火山
きれいな円錐形
中くらい 中くらい 富士山・桜島
ドーム状火山
おわんを伏せた形
強い(ねばねば) 激しい・爆発的 雲仙普賢岳・昭和新山

ポイントは 「ねばりけが強いほど、ガスがぬけにくく、激しく爆発的に噴火する」ということ。さらさらのマグマは、コーラのフタを開けたときのようにガスがすぐにぬけて、おだやかに溶岩を流すだけ。けれどねばねばのマグマは、ガスが内側にたまり、限界まで圧力が上がってから一気に爆発します。だから火山の形も、急斜面でモコッと盛り上がる形になるのです。

マグマのねばりけと火山の形 楯状火山 ねばりけ:弱い マグマだまり 噴火:おだやか 例:キラウエア 溶岩:黒っぽい 成層火山 ねばりけ:中くらい マグマだまり 噴火:中くらい 例:富士山・桜島 溶岩:灰色 ドーム状火山 ねばりけ:強い マグマだまり 噴火:激しい 例:雲仙普賢岳 溶岩:白っぽい
図1:3種類の火山。ねばりけが強いほど、形は急斜面で噴火も激しい。

マグマのねばりけは色も決める

火山博物館などで溶岩のサンプルを見比べると、黒っぽいものと白っぽいものがあります。色のちがいは マグマのねばりけと直結しています。

溶岩の色とねばりけ
  • ねばりけ 弱い黒っぽい溶岩(玄武岩質)
  • ねばりけ 強い白っぽい溶岩(流紋岩質)

これを決めているのが、マグマに含まれる 二酸化ケイ素(SiO₂) の量です。SiO₂が多いほどマグマはねばねばし、色は白くなります。逆にSiO₂が少ないとさらさらで、色は黒くなります。

因果のまとめ

SiO₂の量 → ねばりけ → 火山の形 → 噴火の激しさ → 溶岩の色。
すべては 1本の鎖でつながっています。「ねばりけが強い火山は、急斜面で激しく爆発し、溶岩は白い」とセットで覚えましょう。

火成岩 ── マグマが冷えて固まった岩石

マグマが冷えて固まると 火成岩 になります。冷える 場所がちがうと、岩石のつくり(粒の大きさのそろい方)も大きく変わります。

① 火山岩(かざんがん)── 地表近くで急に冷える

用語:火山岩
地表近くで急に冷えてできた火成岩
マグマや溶岩が 地表近く急に冷えて固まる。結晶が大きく成長する時間がないため、つくりは 斑状組織(はんじょうそしき)と呼ばれる、こまかい結晶やガラス質(石基)の中に、大きめの結晶(斑晶)がぽつんと散らばった見た目になる。
例:玄武岩・安山岩・流紋岩

② 深成岩(しんせいがん)── 地下深くでゆっくり冷える

用語:深成岩
地下深くでゆっくり冷えてできた火成岩
マグマが 地下深くゆっくり冷えて固まる。結晶が成長する時間がたっぷりあるので、似た大きさの結晶がびっしり並んだ 等粒状組織(とうりゅうじょうそしき)になる。
例:はんれい岩・せん緑岩・花こう岩
火山岩と深成岩のつくりの比較 火山岩(斑状組織) 地表近くで急に冷えた 斑晶 斑晶 こまかい石基の中に大きい斑晶がぽつん 例:玄武岩・安山岩・流紋岩 深成岩(等粒状組織) 地下深くでゆっくり冷えた 似た大きさの結晶がびっしり並ぶ 例:はんれい岩・せん緑岩・花こう岩
図2:火山岩は急冷で結晶がそろわず、深成岩はゆっくり冷えて結晶が大きくそろう。

6つの火成岩の覚え方

火成岩は、冷え方(火山岩/深成岩)と、白さ(無色鉱物の量)の組み合わせで 6種類に整理できます。

6種類の火成岩の表
黒っぽい ← 中くらい → 白っぽい
火山岩
(急に冷えた)
玄武岩 安山岩 流紋岩
深成岩
(ゆっくり冷えた)
はんれい岩 せん緑岩 花こう岩
語呂合わせ「しんかんせん は かりあげ」

深成こう岩・せん緑岩・はんれい岩 → 「かんせんは」

火山りゅう紋岩・あん山岩・げん武岩 → 「りあげ」

並び白っぽい順 → 黒っぽい順で読むと「しんかんせん は かりあげ」

鉱物 ── 岩石を作っている粒

火成岩をルーペで観察すると、何種類かの 鉱物(こうぶつ)の集まりでできていることが分かります。鉱物は大きく2種類に分けられます。

用語:無色鉱物
白っぽい鉱物
石英・長石 など。SiO₂が多い岩石にたくさん含まれる。
用語:有色鉱物
黒っぽい・緑っぽい鉱物
黒雲母(くろうんも)・角閃石(かくせんせき)・輝石・かんらん石 など。SiO₂が少ない岩石にたくさん含まれる。

つまり、白っぽい火成岩(流紋岩・花こう岩)は無色鉱物が多く、黒っぽい火成岩(玄武岩・はんれい岩)は有色鉱物が多いのです。最初に出てきた「ねばりけ → 色」の話とつながります。

練習問題

問題1(分類)
次の6つの火成岩を、火山岩/深成岩の表に分類し、それぞれ「黒っぽい・中くらい・白っぽい」のどこに入るかも答えなさい。
玄武岩・安山岩・流紋岩・はんれい岩・せん緑岩・花こう岩
答えを見る

火山岩:黒っぽい→玄武岩/中くらい→安山岩/白っぽい→流紋岩

深成岩:黒っぽい→はんれい岩/中くらい→せん緑岩/白っぽい→花こう岩

※ 語呂「しんかんせんはかりあげ」で、深成岩→火山岩、白→黒の順に並ぶ。

問題2(記述)
(1) マグマのねばりけが強い火山の特徴を3つ答えなさい。
(2) 火山岩と深成岩のつくり(組織)の違いを答え、なぜそのような違いができるのかを説明しなさい。
答えを見る

(1) ねばりけが強い火山の特徴:

  • 火山の形が ドーム状(おわんを伏せた形)になる。
  • 噴火が 激しく爆発的になる(ガスがぬけにくいため)。
  • 溶岩の色が 白っぽい(SiO₂が多いため)。

(2) 火山岩と深成岩のちがい:

火山岩は 斑状組織(こまかい石基の中に大きな斑晶がある)で、深成岩は 等粒状組織(似た大きさの結晶がびっしり並ぶ)。
火山岩は地表近くで 急に冷えたため結晶が成長する時間がなく、深成岩は地下深くで ゆっくり冷えたため結晶が大きくそろって成長したから。

問題3(応用)
次の特徴をもつ火成岩は何か答えなさい。
(1) 黒っぽくて、ルーペで見るとこまかい結晶の中に大きめの結晶が散らばっている。
(2) 白っぽくて、似た大きさの結晶がびっしり並んでいる。
答えを見る

(1) 黒っぽい+斑状組織(火山岩) → 玄武岩

(2) 白っぽい+等粒状組織(深成岩) → 花こう岩

※ 「色」で火山岩・深成岩のどの段に入るか、「組織」で火山岩か深成岩かを判別する2ステップで考える。

まとめ

  • マグマは地下の高温(900〜1200℃)の岩石がとけたもの。地表に出ると 溶岩、冷えて固まると 火成岩になる。
  • 火山の 形・噴火・色はすべて マグマのねばりけで決まる。ねばりけ強い → ドーム状・激しい・白い/弱い → 楯状・おだやか・黒い。
  • 火成岩は冷え方で2種類。火山岩(地表近くで急冷・斑状組織)と 深成岩(地下深くで徐冷・等粒状組織)。
  • 6種類の火成岩は「しんかんせん は かりあげ」で覚える。深成:花こう岩・せん緑岩・はんれい岩/火山:流紋岩・安山岩・玄武岩。
  • 白っぽい岩石は 無色鉱物(石英・長石)が多く、黒っぽい岩石は 有色鉱物(黒雲母・角閃石・輝石・かんらん石)が多い。