この章の比較ペア(まとめ表)
| 比較ペア | A | B |
|---|---|---|
| 「戻す」と「戻さない」の違い | 戻す(復元) | 戻さない(非復元) |
| 「直接数える」と「余事象で数える」の違い | 直接数える | 余事象で数える |
| 「順列(並べ方)」と「組合せ(選び方)」の違い | 順列(並べ方) | 組合せ(選び方) |
1. 「戻す」と「戻さない」の違い
| 比べる軸 | 戻す(復元) | 戻さない(非復元) |
|---|---|---|
| 全体の場合の数 | 2回目も同じ(変わらない) | 2回目は1個減って少なくなる |
| 1回目と2回目の関係 | 独立試行(影響しない) | 1回目の結果に影響される |
| 確率の計算 | 毎回同じ確率を掛け算 | 分母は必ず1ずつ減る。分子は同じ色を続けるときだけ1ずつ減り、違う色ならその色の残数のまま |
| 例:赤2白3から赤2回 | (2/5)×(2/5)=4/25 | (2/5)×(1/4)=1/10 |
| 「同時に取り出す」扱い | あてはまらない | 戻さずに連続で2個と同じ扱い |
| 問題文の合図 | 「戻して」「もう一度引く」 | 「戻さず」「同時に2個」「順に1本ずつ」 |
| つまずきやすさ | 確率が変わらないと忘れがち | 2回目の分母を5のままにしがち |
なぜこの違いが生まれたのか
確率は 全体の場合の数 分の 条件に合う場合の数 で決まります。戻すと袋の中身は元通りなので2回目も全体は5個のまま。戻さないと1個減るので2回目は4個になり、分母が変わります。問題文で「戻す/戻さない」を必ず確認することが計算の出発点です。
混同しやすいポイント
戻さない場合でも、2回目の分母を最初と同じ「5」にしてしまうミスが定番。「同時に取り出す」も戻さないと同じ扱いなのを忘れがちです。
テストでの聞かれ方
「赤◯白◯の袋から2個取り出す」型で頻出。「戻して」「戻さず」「同時に」の文言で計算が変わるため、まず条件確認をさせる問題が多いです。
2. 「直接数える」と「余事象で数える」の違い
| 比べる軸 | 直接数える | 余事象で数える |
|---|---|---|
| 数える対象 | 条件を満たす場合そのもの | 条件を満たさない場合(反対) |
| 計算式 | (条件に合う数)/(全体) | 1 −(起こらない確率) |
| 向いている場面 | 場合が少なく列挙しやすいとき | 「少なくとも1つ」「1回以上」のとき |
| 例:硬貨2枚で表1枚以上 | HH,HT,TH = 3通り → 3/4 | 1 − 1/4(TTのみ)= 3/4 |
| 例:サイコロ4回で1回以上6 | 出方が多すぎて大変 | 1 −(5/6)⁴ = 671/1296 と速い |
| ミスのリスク | 数え漏れ・重複が起きやすい | 「起こらない」の中身を取り違えやすい |
| 問題文の合図 | 「ちょうど◯個」「◯のとき」 | 「少なくとも」「1回以上」「1つでも」 |
なぜこの違いが生まれたのか
確率は 0 ≦ P ≦ 1 なので、起こる確率と起こらない確率を足すと必ず 1 になります。「少なくとも1回起こる」を直接数えると、1回・2回・3回…と場合分けが増えて大変。そこで 1 から「1回も起こらない確率」を引く と、一発で答えが出ます。これが余事象の発想です。
混同しやすいポイント
「少なくとも1回」を「ちょうど1回」と読み違えて、1回だけのケースしか数えないミスが多い。余事象は「全部起こらない」を引くのがポイントです。
テストでの聞かれ方
「少なくとも1回6が出る」「少なくとも1枚が表」など、文中に『少なくとも』があれば余事象で解くサインです。
3. 「順列(並べ方)」と「組合せ(選び方)」の違い
| 比べる軸 | 順列(並べ方) | 組合せ(選び方) |
|---|---|---|
| 順序 | 区別する(並ぶ順が違えば別物) | 区別しない(メンバーが同じなら同じ) |
| 計算の考え方 | n×(n−1)×(n−2)×… | n×(n−1)/2 のように順序分で割る |
| 例:3人から2人を選ぶ | 3×2 = 6通り(AB と BA は別) | 3通り(AB, AC, BC) |
| 例:5人から2人 | 5×4 = 20通り | 5×4/2 = 10通り |
| 問題文の合図 | 「並べる」「順に」「1番目・2番目」 | 「選ぶ」「組をつくる」「代表◯人」 |
| サイコロ2個との関係 | (1,2)と(2,1)を別と数える(36通り型) | 和や積で考えるときの組として整理 |
| 高校での発展 | 順列 nPr | 組合せ nCr |
なぜこの違いが生まれたのか
並べ方と選び方の違いは 順序を区別するかどうか です。3人から2人選んで一列に並べると AB と BA は別物(順列)。ただ代表2人を選ぶだけなら AB と BA は同じ組(組合せ)。組合せは順列を「同じ並びの数」で割る ので、人数が同じでも答えが小さくなります。
混同しやすいポイント
「選ぶ」だけの問題なのに並べ方の式を使い、答えが2倍になってしまうミスが定番。逆に「並べる」のに÷2してしまうのも要注意です。
テストでの聞かれ方
「3人から2人選んで並べる」「5人から3人を並べる」と「5人から2人選ぶ」を同じ問題内に混ぜ、順序の有無で式を切り替えさせる出題が頻出です。
関連
出典・最終更新
- 出典基盤:教科書(数学)の核となる事実と概念データに基づく整理。
- 編集方針:教科書頻出の混同ペアを、比較表と背景説明、混同ポイント、テストでの問われ方までセットで提示しています。
- 最終更新:2026-06-27
