この章でつまずきやすいところ
平面図形の問題を解いている途中、「半径と直径どっち?」「中心角の割合をどこに掛ける?」と手が止まりやすい。50問を解き進める前に、迷いやすい4場面を整理しておこう。
おうぎ形で半径の二乗を掛ける場所を取り違える
- つまずく場面:問題20「半径6cm、中心角90°の弧の長さ」を見たとき、面積の公式とごちゃ混ぜになって、つい π×6² から始めてしまう。弧なのか面積なのかで、半径を二乗するかしないかが切り替わる場面で止まる。
- 克服のコツ:見分け方は「長さか面積か」で公式を選ぶこと。弧の長さは円周 2πr に中心角/360 を掛ける(半径は1乗)。面積は円の面積 πr² に中心角/360 を掛ける(半径は2乗)。長さは1乗、面積は2乗とセットで覚える。
- ミニ例:半径6cm、中心角90°なら、弧は 2π×6×(90/360)=3π cm、面積は π×6²×(90/360)=9π cm²。同じ図形でも掛ける半径の次数が違う。
直径で与えられた円を、半径のつもりで計算してしまう
- つまずく場面:問題19「直径10cmの円の面積」や問題49「直径14cmの円の面積」を読むとき、数字をそのまま公式に入れて π×10² や π×14² と書きそうになる。「直径」と「半径」のどちらで与えられたかを見落とす場面で迷う。
- 克服のコツ:見分け方は「公式に入れる前に半径に直す」を必ず先にやること。円の面積も周も使う文字は半径 r。直径と書かれたら必ず2で割ってから式を立てる、と順番を固定する。条件を整理する段階で「r= 」とメモするのが安全。
- ミニ例:直径10cmなら 半径5cm として π×5²=25π cm²。直径14cmなら半径7cmで π×7²=49π cm²。直径のままだと面積が4倍になってしまう。
角の二等分線と垂直二等分線の役割を取り違える
- つまずく場面:問題33「3点A, B, Cから等距離の点を作図する」を読んだとき、「等距離だから角の二等分線かな」と手が動いてしまう。一方、問題34「三角形の内接円の中心」では垂直二等分線を引きたくなる。何から等距離なのかで迷う場面。
- 克服のコツ:見分け方は「何から等距離か」で決めること。垂直二等分線=2点から等距離な点の集まり。角の二等分線=角の2辺から等距離な点の集まり。問題文の「3点から」「3辺から」のどちらかを必ず読み取る。
- ミニ例:3点から等距離 → 線分AB, BCの垂直二等分線2本の交点。三角形の3辺から等距離(内接円の中心) → 2つの内角の角の二等分線の交点。
中心角がわからないとき、おうぎ形は解けないと思い込む
- つまずく場面:問題41「半径10cm、弧が5π cmのおうぎ形の面積」や問題48「面積25π cm²のおうぎ形の弧」を見たとき、中心角が書かれていないので「公式に入れる数字がない」と固まる。中心角→面積の一方向しか想像できず迷う場面。
- 克服のコツ:因果関係で整理する。半径・中心角・弧・面積の4つは互いに行き来できる。中心角がなければ、与えられた弧や面積から中心角/360 の「割合」を逆算すればよい。さらに S=(1/2)rℓ(面積=半径×弧÷2)を使えば中心角を出さずに済む場合もある。
- ミニ例:半径10cm、弧5π cm → 円周20π に対する割合は 5π/20π=1/4。面積は π×100×(1/4)=25π cm²。S=(1/2)×10×5π でも同じ結果になる。
基本(20問)── 用語・移動・円
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標準(20問)── おうぎ形・作図
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応用(10問)── 総合・記述
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※ 別公式:おうぎ形の面積=(1/2)×半径×弧 = (1/2)×10×5π = 25π
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もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
マンホールのふたが丸いのは「円の幅が一定」だから実生活
円はどの向きにはかっても幅(直径)が同じなので、ふたを回しても穴のすき間より小さくならず、中に落ちません。四角形だと対角線が辺より長いため、ななめにすると落ちてしまいます。この性質は会社の入社試験でも出される有名な問題です。
作図で長さを測らないのはユークリッド以来の約束発展
定規は「2点を通る直線を引く道具」、コンパスは「中心と半径から円を描く道具」と決められ、定規で長さを測ってはいけません。これは古代ギリシャの『原論』にさかのぼる伝統で、限られた道具だけで論理的に正しい図形を作ることを目指しています。
「角の三等分」は定規とコンパスではできない発展
角を2等分する作図は習いますが、どんな角も3等分する作図は、定規とコンパスだけでは一般に不可能です。1837年にヴァンツェルが証明しました。ただし90°のような特別な角は3等分でき、別の道具を使えば一般の角も三等分できます。
ガウスが18歳で見つけた正十七角形の作図発展
ユークリッドの時代には正三角形や正五角形などの作図は知られていましたが、長らく増えませんでした。1796年、19歳になる前のガウスが、定規とコンパスだけで正十七角形が作図できることを発見し、作図の研究を大きく前進させました。
おうぎ形の弧や面積は中心角に比例する発展
半径が同じおうぎ形では、弧の長さも面積も中心角の大きさに比例します。だから「中心角÷360」を円全体にかければ求められます。この比例を使えば、面積からも弧の長さからも中心角を逆算でき、おうぎ形の問題を見通しよく解けます。
