デジタルこどもBASEのロゴ特定非営利活動法人デジタルこどもBASE
中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

5章 平面図形 ── 50問問題集

図形用語・3つの移動・円とおうぎ形・3つの基本作図と応用まで。基本20・標準20・応用10で図形の基礎力を仕上げる。

この章でつまずきやすいところ

平面図形の問題を解いている途中、「半径と直径どっち?」「中心角の割合をどこに掛ける?」と手が止まりやすい。50問を解き進める前に、迷いやすい4場面を整理しておこう。

おうぎ形で半径の二乗を掛ける場所を取り違える

  • つまずく場面:問題20「半径6cm、中心角90°の弧の長さ」を見たとき、面積の公式とごちゃ混ぜになって、つい π×6² から始めてしまう。弧なのか面積なのかで、半径を二乗するかしないかが切り替わる場面で止まる。
  • 克服のコツ:見分け方は「長さか面積か」で公式を選ぶこと。弧の長さは円周 2πr に中心角/360 を掛ける(半径は1乗)。面積は円の面積 πr² に中心角/360 を掛ける(半径は2乗)。長さは1乗、面積は2乗とセットで覚える。
  • ミニ例:半径6cm、中心角90°なら、弧は 2π×6×(90/360)=3π cm、面積は π×6²×(90/360)=9π cm²。同じ図形でも掛ける半径の次数が違う。

直径で与えられた円を、半径のつもりで計算してしまう

  • つまずく場面:問題19「直径10cmの円の面積」や問題49「直径14cmの円の面積」を読むとき、数字をそのまま公式に入れて π×10² や π×14² と書きそうになる。「直径」と「半径」のどちらで与えられたかを見落とす場面で迷う。
  • 克服のコツ:見分け方は「公式に入れる前に半径に直す」を必ず先にやること。円の面積も周も使う文字は半径 r。直径と書かれたら必ず2で割ってから式を立てる、と順番を固定する。条件を整理する段階で「r= 」とメモするのが安全。
  • ミニ例:直径10cmなら 半径5cm として π×5²=25π cm²。直径14cmなら半径7cmで π×7²=49π cm²。直径のままだと面積が4倍になってしまう。

角の二等分線と垂直二等分線の役割を取り違える

  • つまずく場面:問題33「3点A, B, Cから等距離の点を作図する」を読んだとき、「等距離だから角の二等分線かな」と手が動いてしまう。一方、問題34「三角形の内接円の中心」では垂直二等分線を引きたくなる。何から等距離なのかで迷う場面。
  • 克服のコツ:見分け方は「何から等距離か」で決めること。垂直二等分線=2点から等距離な点の集まり。角の二等分線=角の2辺から等距離な点の集まり。問題文の「3点から」「3辺から」のどちらかを必ず読み取る。
  • ミニ例:3点から等距離 → 線分AB, BCの垂直二等分線2本の交点。三角形の3辺から等距離(内接円の中心) → 2つの内角の角の二等分線の交点。

中心角がわからないとき、おうぎ形は解けないと思い込む

  • つまずく場面:問題41「半径10cm、弧が5π cmのおうぎ形の面積」や問題48「面積25π cm²のおうぎ形の弧」を見たとき、中心角が書かれていないので「公式に入れる数字がない」と固まる。中心角→面積の一方向しか想像できず迷う場面。
  • 克服のコツ:因果関係で整理する。半径・中心角・弧・面積の4つは互いに行き来できる。中心角がなければ、与えられた弧や面積から中心角/360 の「割合」を逆算すればよい。さらに S=(1/2)rℓ(面積=半径×弧÷2)を使えば中心角を出さずに済む場合もある。
  • ミニ例:半径10cm、弧5π cm → 円周20π に対する割合は 5π/20π=1/4。面積は π×100×(1/4)=25π cm²。S=(1/2)×10×5π でも同じ結果になる。
📄 この章の印刷プリント(PDF・解答つき)を無料配布中 ── PDFをダウンロード プリント一覧へ

基本(20問)── 用語・移動・円

問題1
2点A, Bを結ぶ部分の線で、長さがある線を何というか。
答えを見る
線分 AB
問題2
両側に無限に伸びるまっすぐな線を何というか。
答えを見る
直線
問題3
1点を始点として一方向に無限に伸びる線を何というか。
答えを見る
半直線
問題4
「直線AB と直線CD は平行」を記号で表しなさい。
答えを見る
AB ∥ CD
問題5
「直線AB と直線CD は垂直に交わる」を記号で表しなさい。
答えを見る
AB ⊥ CD
問題6
頂点Bを持ち、辺BAとBCでできる角を記号で表しなさい。
答えを見る
∠ABC(または∠CBA、∠B)
問題7
90°より小さい角を何というか。
答えを見る
鋭角
問題8
90°より大きく180°より小さい角を何というか。
答えを見る
鈍角
問題9
図形を同じ向きに同じ距離だけずらす移動を何というか。
答えを見る
平行移動
問題10
1本の直線を境に図形を折り返す移動を何というか。
答えを見る
対称移動
問題11
1点を中心に図形をある角度だけ回す移動を何というか。
答えを見る
回転移動
問題12
対称移動の対称の軸は、対応する2点を結ぶ線分のどんな線か。
答えを見る
垂直二等分線
問題13
180°の回転移動を特に何というか。
答えを見る
点対称(移動)
問題14
円周上の2点を結ぶ線分を何というか。
答えを見る
弦
問題15
円周の一部を何というか。
答えを見る
弧
問題16
中心と円周上の点の2本の半径と弧で囲まれた図形を何というか。
答えを見る
おうぎ形
問題17
半径 5cm の円の周の長さを求めなさい(πを使う)。
答えを見る
2π×5 = 10π cm
問題18
半径 4cm の円の面積を求めなさい。
答えを見る
π×16 = 16π cm²
問題19
直径 10cm の円の面積を求めなさい。
答えを見る
半径5cm → π×25 = 25π cm²
問題20
半径 6cm、中心角 90° のおうぎ形の弧の長さを求めなさい。
答えを見る
2π×6×(90/360) = 12π×(1/4) = 3π cm

標準(20問)── おうぎ形・作図

問題21
半径 8cm、中心角 45° のおうぎ形の弧の長さを求めなさい。
答えを見る
2π×8×(45/360) = 16π×(1/8) = 2π cm
問題22
半径 10cm、中心角 60° のおうぎ形の弧の長さを求めなさい。
答えを見る
20π×(1/6) = 10π/3 cm
問題23
半径 6cm、中心角 90° のおうぎ形の面積を求めなさい。
答えを見る
π×36×(1/4) = 9π cm²
問題24
半径 12cm、中心角 30° のおうぎ形の面積を求めなさい。
答えを見る
π×144×(1/12) = 12π cm²
問題25
半径 9cm、中心角 120° のおうぎ形の弧の長さと面積を求めなさい。
答えを見る
弧 = 18π×(1/3) = 6π cm、面積 = 81π×(1/3) = 27π cm²
問題26
半径 6cm のおうぎ形の弧の長さが 4π cm のとき、中心角は何度か。
答えを見る
12π×(a/360)=4π → a/360=1/3 → a = 120°
問題27
半径 10cm のおうぎ形の面積が 25π cm² のとき、中心角は何度か。
答えを見る
100π×(a/360)=25π → a/360=1/4 → a = 90°
問題28
線分 AB の中点 M を求める作図に必要な「基本作図」は何か。
答えを見る
垂直二等分線(中点を通るので)
問題29
∠ABC を半分に分ける作図を何というか。
答えを見る
角の二等分線
問題30
点 P から直線 l に下ろす最短距離の線分の作図を何というか。
答えを見る
垂線(の作図)
問題31
線分 AB の垂直二等分線上の点 P について、PA と PB の関係を答えなさい。
答えを見る
PA = PB(A, B から等距離)
問題32
角の二等分線上の点は、角の何から等距離か。
答えを見る
角の2辺から等距離
問題33
3点 A, B, C から等距離の点を作図するには、どの作図を組み合わせるか。
答えを見る
線分 AB と BC の 垂直二等分線2本の交点
問題34
三角形の3辺すべてに接する円(内接円)の中心を作図するには?
答えを見る
2つの内角の 角の二等分線の交点
問題35
図形を平行移動するとき、対応する2点を結ぶ線分どうしの関係を答えなさい。
答えを見る
すべて平行で同じ長さ
問題36
回転移動で、回転の中心 O と対応する2点 A, A' の距離 OA, OA' の関係は?
答えを見る
OA = OA'(中心からの距離は等しい)
問題37
直径 6cm の円の半径と面積を求めなさい。
答えを見る
半径 = 3cm、面積 = π×9 = 9π cm²
問題38
半径 4cm のおうぎ形で、中心角 270°の弧の長さを求めなさい。
答えを見る
8π×(3/4) = 6π cm
問題39
半径 6cm の半円の周の長さを求めなさい(直径も含めて)。
答えを見る
半円の弧 6π + 直径 12 = 6π + 12 cm
問題40
半径 5cm の半円の面積を求めなさい。
答えを見る
π×25×(1/2) = 25π/2 cm²(=12.5π cm²)

応用(10問)── 総合・記述

問題41
半径 10cm のおうぎ形の弧の長さが 5π cm のとき、面積を求めなさい。
答えを見る
中心角 a=90°(弧から逆算)。面積=100π×(1/4)=25π cm²。
※ 別公式:おうぎ形の面積=(1/2)×半径×弧 = (1/2)×10×5π = 25π
問題42
「2つの直線が交わらないとき、平面の中ではどんな関係か」を答えなさい。
答えを見る
平行(平面内では交わらない=平行)
問題43
3点を通る円の中心を作図する原理を、自分のことばで説明しなさい。
答えを見る
解答例:3点A, B, Cを通る円の中心は、3点から等距離の点。AとBから等距離の点は線分ABの垂直二等分線上、BとCから等距離の点は線分BCの垂直二等分線上にあるので、それら2本の交点が中心になる。
問題44
半径 6cm、中心角 240°のおうぎ形の弧の長さと面積を求めなさい。
答えを見る
弧 = 12π×(2/3) = 8π cm、面積 = 36π×(2/3) = 24π cm²
問題45
半径 r、中心角 a° のおうぎ形について、面積をふくむ式を半径と弧 ℓ で表しなさい。
答えを見る
S = (1/2) r ℓ(おうぎ形の面積=半径×弧の半分)
問題46
点 P が線分 AB の垂直二等分線上にあるとき、PA = 5cm なら PB は何 cm か。
答えを見る
PA = PB なので PB = 5 cm
問題47
半径 6cm の円の周の長さの 1/4 は何 cm か。
答えを見る
12π×(1/4) = 3π cm
問題48
半径 10cm のおうぎ形の面積が 25π cm² のとき、弧の長さを求めなさい。
答えを見る
中心角 a → 100π×(a/360)=25π → a=90°。 弧=20π×(1/4) = 5π cm
問題49
直径 14cm の円の面積を求めなさい。
答えを見る
半径7 → π×49 = 49π cm²
問題50
「コンパスと定規だけで作図する」のはなぜか、自分のことばで答えなさい。
答えを見る
解答例:古代ギリシャから続く数学の伝統で、コンパス(同じ半径の円弧を描く=等距離をつくる)と定規(線を引く=2点を結ぶ)の2つだけで、論理的に正しい図形を作るための制約。長さを測らない(目盛りを使わない)ことで、純粋な幾何学的構造に集中できる。

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

マンホールのふたが丸いのは「円の幅が一定」だから実生活

円はどの向きにはかっても幅(直径)が同じなので、ふたを回しても穴のすき間より小さくならず、中に落ちません。四角形だと対角線が辺より長いため、ななめにすると落ちてしまいます。この性質は会社の入社試験でも出される有名な問題です。

出典:ウィキペディア「マンホールの蓋」

作図で長さを測らないのはユークリッド以来の約束発展

定規は「2点を通る直線を引く道具」、コンパスは「中心と半径から円を描く道具」と決められ、定規で長さを測ってはいけません。これは古代ギリシャの『原論』にさかのぼる伝統で、限られた道具だけで論理的に正しい図形を作ることを目指しています。

出典:ウィキペディア「定規とコンパスによる作図」

「角の三等分」は定規とコンパスではできない発展

角を2等分する作図は習いますが、どんな角も3等分する作図は、定規とコンパスだけでは一般に不可能です。1837年にヴァンツェルが証明しました。ただし90°のような特別な角は3等分でき、別の道具を使えば一般の角も三等分できます。

出典:ウィキペディア「角の三等分問題」

ガウスが18歳で見つけた正十七角形の作図発展

ユークリッドの時代には正三角形や正五角形などの作図は知られていましたが、長らく増えませんでした。1796年、19歳になる前のガウスが、定規とコンパスだけで正十七角形が作図できることを発見し、作図の研究を大きく前進させました。

出典:ウィキペディア「定規とコンパスによる作図」

おうぎ形の弧や面積は中心角に比例する発展

半径が同じおうぎ形では、弧の長さも面積も中心角の大きさに比例します。だから「中心角÷360」を円全体にかければ求められます。この比例を使えば、面積からも弧の長さからも中心角を逆算でき、おうぎ形の問題を見通しよく解けます。

出典:受験辞典(CASTDICE)「扇形とは?」