投影図(とうえいず):3方向から見た図
- 平面図:真上から見た形(鳥の目)
- 立面図(正面図):真正面から見た形
- 側面図:真横から見た形
各立体の投影図
- 円柱:平面図=円、立面図=長方形、側面図=長方形
- 円錐:平面図=円(中心に点)、立面図=三角形、側面図=三角形
- 三角柱:平面図=三角形、立面図=長方形、側面図=長方形
- 立方体:すべて正方形(同じ大きさ)
展開図(てんかいず):広げた図
角柱の展開図
- 底面が2つ(多角形)+ 側面が n 個の長方形(n は底面の辺の数)
- 例:四角柱なら、底面の正方形2枚 + 側面の長方形4枚 = 6枚
円柱の展開図
- 底面の円が2つ + 側面の長方形(縦=高さ、横=底面の周の長さ=2πr)
円錐の展開図
- 底面の円 + 側面(おうぎ形:半径=母線の長さ、弧の長さ=底面の円周)
円錐の側面は おうぎ形。これが理解できれば、表面積の計算がぐっと楽になります(次回以降)。
展開図のチェック方法
- 面の数が立体と一致するか
- 組み立てたときに辺どうしが ぴったり合うか
- 立方体の展開図には 11種類のパターンがある(有名な問題)
回転体(かいてんたい):平面図形を回転させてできる立体
展開図は「立体を切り開いて平面に広げる」考え方でしたが、回転体はその逆で、平面図形を回転させて立体をつくる考え方です。
- 長方形を1辺を軸にして1回転 → 円柱
- 直角三角形を直角をはさむ1辺を軸にして1回転 → 円錐
- 半円を直径を軸にして1回転 → 球
球については、6章6/6「球の体積と表面積」で「半円をその直径を軸として1回転させるとできる」ことをくわしく扱います。
- 側面の長方形の横の長さ:円柱の側面長方形の 横は底面の円周(2πr)。 高さと混同しない。
- 円錐の側面はおうぎ形:長方形ではない。半径=母線、弧=底面の円周。
- 展開図の正解は1つでない:どの辺で切り開くかで形が変わる。立方体だけでも11種類あることを覚えておく。
この章でつまずきやすいところ
投影図と展開図は、立体を平面に置きかえて読むための約束ごとです。本文や問題を見ている途中で「どの方向から見た図か」「面がどうつながるか」が混ざりやすいので、迷いやすい場面を先に整理しておきましょう。
平面図だけで立体の形を決めつけてしまう
- つまずく場面:問題文で「平面図が円」と書かれた瞬間に、頭の中で円柱だと決め込んでしまう場面。立面図や側面図にまだ目を通していないのに、立体の正体を1つに絞ってしまい、円錐や半球と混同する迷いが出ます。
- 克服のコツ:位置関係で整理します。平面図は真上から見た形(底面の輪郭)、立面図と側面図は高さや幅を補う情報です。3方向の図を上下左右に並べてから、底面→高さ→側面の順に読み合わせれば、平面図1枚で立体を決めつけずに済みます。
- ミニ例:平面図が円でも、立面図が長方形なら円柱、三角形なら円錐。円錐の平面図では、頂点を真上から見た位置に点を打って円柱と区別することがあります。
円柱の側面の横の長さを「高さ」と混同してしまう
- つまずく場面:円柱の展開図を見ている途中、側面の長方形の縦と横のどちらが高さで、どちらが円周なのかが分からなくなる場面。底面の円周(2πr)を計算した直後に、その値を縦に書き込んでしまい、計算が合わなくなる迷いです。
- 克服のコツ:因果関係で整理します。側面の長方形は「巻いた紙を切って広げたもの」なので、縦=もとの円柱の高さ、横=底面の円周にぴったり一致します。展開図を見るたびに「巻き戻したらどこに戻るか」を矢印で確認すると、縦横が入れ替わりません。
- ミニ例:底面の半径3cm、高さ10cmの円柱では、側面の長方形は縦10cm・横6π cm。横の6π cmは底面の円周(2π×3)と等しくなります。
円錐の側面も長方形だと思い込んでしまう
- つまずく場面:円柱の展開図を読んだ流れで円錐の展開図に進んだとき、側面もまた長方形のような形だと考えてしまう場面。底面の円は描けたものの、横の側面をどう広げればよいか手が止まる迷いです。
- 克服のコツ:見分け方で整理します。円錐は頂点が1点に集まる立体なので、側面を広げるとおうぎ形になります。長方形にならない理由は、上に行くほど周の長さが短くなるからです。「頂点があるか/ないか」をまず確認してから側面の形を選びましょう。
- ミニ例:円錐の展開図は底面の円+側面のおうぎ形。おうぎ形の半径=母線の長さ、弧の長さ=底面の円周になります。
立方体の展開図はいつも同じ形だと思い込んでしまう
- つまずく場面:立方体の展開図というと十字型(プラス型)の1種類しかないと思い込み、問題で別の形が示された瞬間に「これは立方体ではない」と判断してしまう場面。組み立てたときに辺がぴったり合うかを確かめる前に、形だけで切り捨てる迷いです。
- 克服のコツ:見分け方で整理します。展開図の正解は1つではなく、どの辺で切り開くかで形が変わります。立方体だけでも11種類のパターンがあります。判定では、面の数(6枚)が合っているか、基準面から共有辺で折り上げたときに辺どうしがぴったり重なるかを順に確認しましょう。
- ミニ例:正方形6枚を一直線に並べた形は、折り上げると面どうしが重なってしまい立方体にならない反例です。十字型以外にも、立方体の展開図は全部で11種類あります。
練習問題
- 立方体
- 円柱
- 円錐
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(1) 平面図:正方形、立面図:正方形
(2) 平面図:円、立面図:長方形
(3) 平面図:円(中心の点)、立面図:三角形(二等辺三角形)
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縦=高さ=10 cm
横=底面の円周=2π×3=6π cm
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解答例:円柱の側面は曲がった面だが、これを縦に1本切って広げると、長方形になる。長方形の縦は円柱の高さに、横は底面の円周(2πr)に等しい。曲がった面がきれいな長方形になるのは、側面が「真直ぐな縦線が並んでいる」面(線織面)だから。
まとめ
- 投影図:3方向から見た図(平面図・立面図・側面図)。
- 展開図:立体の表面を平面に広げた図。組み立てると元の立体に。
- 円柱の展開図:底面の円2つ+側面の長方形(縦=高さ、横=2πr)。
- 円錐の展開図:底面の円+側面のおうぎ形(半径=母線)。
- 立方体の展開図には 11種類のパターンがある。
- 回転体:平面図形を軸のまわりに1回転させてできる立体。長方形→円柱、直角三角形→円錐、半円→球。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
機械の設計図は「第三角法」の投影図でかかれる実生活
工場で部品をつくるための機械製図では、立体を正面・上(平面)・横(側面)から見た図を組み合わせて表す「第三角法」が使われます。日本の製図規格(JIS B 0001:2019)では、製作図には原則として第三角法を用いると定められています。授業で学ぶ平面図・立面図・側面図は、そのまま「ものづくり」の共通言語になっているのです。
丸い地球を平らな地図にするのも「投影」実生活
球である地球の表面を平らな紙に表すのが地図の投影法で、円筒や円錐を地球に巻きつけて写し取る考え方が使われます。立体を平面に写すと必ずひずみが出るため、目的に合わせて図法を選びます。立体を別の方向から平面に写す投影図の発想は、地図づくりにも生きています。
円錐の側面=おうぎ形は地図の「円錐図法」とつながる発展
円錐を地球に巻きつけて広げる円錐図法では、地図がおうぎ形(または円錐台の側面)の展開図になります。これは授業で学ぶ「円錐の側面はおうぎ形である」という性質とまったく同じ考え方です。身近な地図のしくみが、円錐の展開図の理解につながります。
展開図を貼って手作り地球儀をつくる実生活
埼玉大学教育学部の研究室では、舟型の世界地図(展開図)をボールに貼り合わせて地球儀をつくる方法が公開されています。平らな展開図を組み立てると立体になる、という授業のテーマがそのまま体験できる例です。ボールの円周に合わせて展開図の幅を決める点が、計算の工夫になっています。
立方体の展開図がちょうど11種類になるわけを考える発展
立方体はどの辺で切り開くかによって展開図の形が変わり、回転や裏返しで重なるものを同じとすると全部で11種類あります。面の並びを「1-4-1型」「1-3-2型」「2-2-2型」「3-3型」の4タイプに分けて数えると、もれなく11種類を見つけられます。「なぜ11種類か」を考えることが、空間を論理的にとらえる力を伸ばします。
