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立体の種類 ── 角柱・円柱・角錐・円錐・多面体

5章は平面(2次元)の世界、6章はいよいよ 空間(3次元)。立体図形には基本的な5種類があり、それぞれに名前と性質があります。最初に分類を整理しておけば、これからの体積・表面積の話がスッキリ入ります。

立体の基本5種類

基本の立体5種類 角柱 円柱 角錐 円錐 球
図1:5種類の基本立体

柱体(ちゅうたい):角柱と円柱

用語
角柱・円柱
  • 角柱:上下の面(底面)が 合同な多角形で、側面が長方形の立体。底面の形で「三角柱」「四角柱」「五角柱」と呼ぶ。
  • 円柱:上下の面が 合同な円で、側面が曲面(巻いた長方形)の立体。

柱体は 「同じ形を上下に積み重ねた」イメージ。その同じ形を 底面、横の面を 側面、底面と底面の距離を 高さ といいます。

錐体(すいたい):角錐と円錐

用語
角錐・円錐
  • 角錐:底面が多角形で、その上の 1点(頂点)に集まる三角形の側面でできた立体。「三角錐」「四角錐」など。
  • 円錐:底面が円で、頂点に集まる曲面の側面でできた立体。

錐体は 「先がとがった」形。エジプトのピラミッド(四角錐)、アイスクリームのコーン(円錐)など。

球(きゅう)

用語
球
中心から表面までの距離(半径)がすべて等しい立体。サッカーボール、地球儀など。

多面体(ためんたい)と正多面体

用語
多面体(ためんたい)
平面(多角形)だけで囲まれた立体。
角柱・角錐は多面体だが、円柱・円錐・球は曲面を含むので多面体ではない。
特別な多面体
正多面体(せいためんたい)

どの面も 合同な正多角形で、どの頂点にも 同じ数の面が集まる多面体。

世の中には 正多面体は5種類しかない:

  • 正四面体(4面、正三角形が4枚)
  • 正六面体(6面、正方形が6枚 = 立方体)
  • 正八面体(8面、正三角形が8枚)
  • 正十二面体(12面、正五角形が12枚)
  • 正二十面体(20面、正三角形が20枚)

立体の各部の名前

用語
面・辺・頂点
  • 面(めん):立体を構成する平面または曲面
  • 辺(へん):面と面の境目の線
  • 頂点(ちょうてん):辺どうしの交点

例:立方体は面6つ、辺12本、頂点8個。

分類で迷ったときの見分け方

立体の名前は、まず 底面の形 と 上へ伸びるか、1点に集まるか で決めます。底面と同じ形がもう1つあり、側面が長方形や平行四辺形のように並ぶなら「柱」。底面から1つの頂点に向かって側面が集まるなら「錐」です。底面が円なら、柱は円柱、錐は円錐になります。

  • 角柱:底面が多角形で、同じ形の底面が2つある。
  • 角錐:底面が多角形で、側面が1つの頂点に集まる。
  • 円柱:底面が円で、同じ円が上下に2つある。
  • 円錐:底面が円で、側面が1つの頂点に集まる。
  • 球:どこにも底面や辺がなく、中心から表面までの距離が等しい。
よくある誤解
  • 「三角柱」は三角形が1枚ある立体ではなく、三角形の底面が2つある立体。
  • 「四角錐」と「三角錐」は、側面の数ではなく 底面の形で名前が決まる。
  • 円柱・円錐・球は曲面を含むので、多面体ではない。

この章でつまずきやすいところ

立体の単元は名前と形が一気に増えるので、本文を読んでいる途中で「これは柱?錐?多面体?」と迷う場面がよく起きます。底面と頂点に注目する見分け方を、迷いがちな瞬間ごとに整理します。

円柱や円錐も多面体だと思い込んでしまう

  • つまずく場面:本文で「角柱・角錐は多面体」と読んだ直後、「じゃあ柱や錐はみんな多面体だな」と勘違いしたまま読み進めてしまい、多面体判定の問題で円柱を多面体に分類してしまう場面。
  • 克服のコツ:見分け方は「平面だけで囲まれているか、曲面を含むか」に絞って考えます。柱か錐かよりも先に、まず側面に曲面があるかどうかを確認するクセをつけると、円柱・円錐・球は自動的に多面体から外せます。
  • ミニ例:円柱は底面が円で側面が曲面なので多面体ではない。一方、四角柱は底面が正方形で側面が長方形(平面)だけなので多面体である。

「三角柱」を三角形が1枚ある立体だと思い込んでしまう

  • つまずく場面:本文の「三角柱・四角柱・五角柱」という名前を読んでいる途中で、名前にある図形が「1枚ある立体」と早合点してしまい、底面が2つある事実を見落としたまま角錐との区別ができなくなる場面。
  • 克服のコツ:見分け方は「底面の数」です。柱体は合同な底面が上下に2つあり、錐体は底面が1つで側面が1つの頂点に集まります。名前の前半(三角・四角…)は底面の形、後半(柱・錐)は底面の数と側面の集まり方を表すと覚えるとブレません。
  • ミニ例:三角柱は三角形の底面が上下に2つあり、側面は長方形3枚。三角錐は三角形の底面が1つで、残り3枚の三角形が1つの頂点に集まる。

正多面体を「面が正多角形なら何でもよい」と思い込んでしまう

  • つまずく場面:本文の「どの面も合同な正多角形」という条件だけが目に残り、「正三角形でできていれば全部正多面体だ」と思い込んだまま読み進め、正多面体が5種類しかない理由でつまずく場面。
  • 克服のコツ:因果関係で整理すると、正多面体の条件は2つセットです。(1) どの面も合同な正多角形であること、(2) どの頂点にも同じ数の面が集まること。この2条件を同時に満たす立体は、結果として正四・正六・正八・正十二・正二十面体の5種類だけになります。
  • ミニ例:正三角形だけでできていても、ある頂点に3枚、別の頂点に4枚集まる立体は条件(2)を満たさないので正多面体ではない。正八面体はどの頂点にも正三角形が4枚集まる。

「四角錐」の名前を側面の数で決めると思い込んでしまう

  • つまずく場面:錐体の図を見ていて、側面の三角形を数えながら「三角形が4枚あるから四角錐」と決めてしまい、底面の形を確認しないまま名前を付けてしまう場面。三角錐との区別もあいまいになる。
  • 克服のコツ:位置関係で整理すると、錐の名前は「底面の形」で決まります。下にある底面の多角形が何角形かを最初に確認し、側面の三角形の枚数は結果として決まるものと考えます。側面の枚数=底面の辺の数になっていることを後から確かめるのは構いません。
  • ミニ例:底面が四角形なら四角錐で、側面の三角形は自動的に4枚。底面が三角形なら三角錐で、側面は3枚。名前は底面で決め、側面の数で確かめる順番。

練習問題

問題1(分類)
次の立体は、角柱・円柱・角錐・円錐・球のどれか。
  1. 底面が三角形で、側面が長方形の立体
  2. 頂点が1つで、底面が円の立体
  3. 中心からの距離がどこも同じ立体
  4. 底面が五角形で、頂点に集まる三角形の側面でできた立体
答えを見る

(1) 三角柱 (2) 円錐 (3) 球 (4) 五角錐

問題2(多面体)
次の立体は多面体か。多面体でないなら理由を答えなさい。
  1. 正方形を底面とする四角柱
  2. 円柱
  3. 三角錐
  4. 球
答えを見る

(1) 多面体(すべて平面の面)

(2) 多面体ではない(側面が曲面)

(3) 多面体(4つの三角形でできている)

(4) 多面体ではない(曲面)

問題3(正多面体)
立方体は5種類の正多面体のうちのどれか答え、面・辺・頂点の数を答えなさい。
答えを見る

立方体 = 正六面体(正方形が6枚)

面:6、辺:12、頂点:8

まとめ

  • 基本の立体5種類:角柱・円柱・角錐・円錐・球。
  • 柱体は底面を上下に積んだ形、錐体は底面から頂点へ集まる形。
  • 多面体は 平面だけで囲まれた立体(円柱・円錐・球は除外)。
  • 正多面体は 5種類だけ:正四・六・八・十二・二十面体。
  • 各部:面・辺・頂点。

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

正多面体が5種類しかない理由発展

正多面体が正四面体・正六面体・正八面体・正十二面体・正二十面体の5種類だけになるのは、1つの頂点に集まる正多角形の角の和が360度より小さくなければならないという制限があるためです。この事実は紀元前のユークリッド『原論』第13巻にも記され、オイラーの多面体定理からも示せます。

出典:ウィキペディア(正多面体)

サッカーボールは「切頂二十面体」発展

白黒のサッカーボールは、正二十面体の12個の頂点を切り落とした「切頂二十面体」という立体がもとになっています。この立体は正五角形12枚と正六角形20枚の合計32面でできていて、空気を入れて球に近づけたものがボールです。

出典:ウィキペディア(切頂二十面体)

サッカーボールの形をした分子フラーレン実生活

炭素原子60個が結びついた「フラーレン(C60)」という分子は、五角形12個と六角形20個が集まったサッカーボール状の切頂二十面体の構造をしています。直径はわずか0.71ナノメートルで、立体の形が目に見えない分子の世界にも現れている例です。

出典:理化学研究所

ピラミッドは巨大な四角錐実生活

エジプトのギザにあるクフ王のピラミッドは、正方形の底面をもつ四角錐の形をしています。建造当初の高さは約146.6メートル、底辺は約230.3メートルもあり、教科書で学ぶ錐体が実際の建造物として残っている例です。

出典:ウィキペディア(ギザの大ピラミッド)

食塩の結晶はサイコロ形実生活

塩化ナトリウム(食塩)の結晶は、無色透明の立方体(正六面体)の形をしています。原子が規則正しく並ぶことで、目に見える結晶も6つの正方形の面をもつサイコロのような立体になります。

出典:ウィキペディア(塩化ナトリウム)