同じ大きさで比べないと意味がない
鉄のかたまりと綿のかたまりを比べるとき、片方が大きくて片方が小さいと、どちらが「ぎっしりつまっているか」は分かりません。物質の性質をくらべるなら、まず 大きさをそろえる ことが必要です。
そこで、理科ではいつも 1cm³(1立方センチメートル=1辺1cmのサイコロの大きさ)あたりの質量 でくらべます。これが 密度です。
密度の式
密度は、質量を体積でわるだけで求められます。
密度(g/cm³)= 質量(g)÷ 体積(cm³)
この1本の式は、知りたいものを左辺に持ってくれば3つの使い方ができます。
密度知りたい:密度 = 質量 ÷ 体積
質量知りたい:質量 = 密度 × 体積
体積知りたい:体積 = 質量 ÷ 密度
身近な物質の密度(覚えておくと便利)
よく出てくる物質の密度は、いくつか頭に入れておくと問題がぐっと解きやすくなります。
- 水:1.00 ← これが基準!超重要
- 氷:0.92(水より小さい ── だから氷が水に浮く!)
- エタノール:0.79
- アルミニウム:2.70
- 鉄:7.87
- 銅:8.96
- 金:19.3(とても重たい金属)
とくに 水の密度が 1.00 g/cm³ というのは何度も使います。水は浮き沈みを考えるときの基準になり、これより大きいか小さいかが、いろいろな現象を分けます。
水に浮く・沈むは密度で決まる
物質が水に浮くか沈むかは、同じ物質のかたまりとして見ると、形や大きさそのものではなく 水と物質の密度の大小で決まります。空気をふくむ船や中空の物体では、全体としての平均密度で考えます。
物質の密度 > 1.00 g/cm³ → 水に沈む
物質の密度 < 1.00 g/cm³ → 水に浮く
具体的に見てみます。
- 木:多くの木は 0.4〜0.8 g/cm³。だから水に 浮く。
- アルミニウム:2.70 g/cm³。水より重いので 沈む。
- 氷:0.92 g/cm³。水より軽いので 浮く。コップの氷が浮くのはこのため。
- 鉄:7.87 g/cm³。当然 沈む。
- 水銀(じょうおんで液体の金属)の密度は 13.6 g/cm³。
- 鉄の密度は 7.87 g/cm³ なので、水銀より軽い。
- つまり、水銀の中に鉄を入れると、鉄は 浮く!
- 「重そうな鉄が浮く」というのは、相手の液体の密度しだい。浮き沈みは 2つの密度のくらべっこ なのだと分かります。
密度で物質を見分ける
密度は 物質を見分ける手がかり になります。同じ大きさに見える金属でも、質量を測って密度を出せば、それが何の金属に近いかを推測できます。
例題:体積 10cm³、質量 78.7g の金属がある。これは何の金属か?
密度 = 78.7 ÷ 10 = 7.87 g/cm³。表と照らし合わせると → 鉄。
このように、見ただけでは区別できない物質も、密度を計算して表と比べれば、正体を推測しやすくなります。これが理科で密度を学ぶ大きな理由のひとつです。
体積の測り方 ── メスシリンダーと水
サイコロのように形がきれいなら、たて×よこ×高さで体積が出せます。でも石ころや金属のかたまりのように 形がふぞろい なものは、計算できません。そんなときに使うのが メスシリンダーです。
- 水をある量、メスシリンダーに入れて目盛りを読む(たとえば 50 mL)。
- そこに調べたい物質をしずかに沈める。
- 水面が上がる。新しい目盛りを読む(たとえば 65 mL)。
- 増えた分(65 − 50 = 15 mL)が、その物質の 体積。
※ 1 mL = 1 cm³ なので、15 mL = 15 cm³ として密度の計算に使えます。
練習問題
- 体積 5 cm³、質量 13.5 g の金属
- 体積 20 cm³、質量 56 g の金属
- 体積 8 cm³、質量 154.4 g の金属
答えを見る
(1) 13.5 ÷ 5 = 2.70 g/cm³(→ アルミニウム)
(2) 56 ÷ 20 = 2.80 g/cm³
(3) 154.4 ÷ 8 = 19.3 g/cm³(→ 金)
- この金属の密度はいくらか。
- 記事中の表から、この金属は何だと考えられるか。
答えを見る
(1) 密度 = 67.5 ÷ 25 = 2.70 g/cm³
(2) 表より アルミニウム(2.70 g/cm³ と一致)。
答えを見る
体積 = 質量 ÷ 密度 を使う。
鉄の体積:100 ÷ 7.87 = 約 12.7 cm³
アルミニウムの体積:100 ÷ 2.70 = 約 37.0 cm³
よって、アルミニウムのほうが体積は大きい。
※ 同じ質量でも、密度が小さい物質ほどかさばる(体積が大きい)。逆に、同じ大きさなら密度の大きい物質のほうが重い。
まとめ
- 物質を比べるときは 同じ体積(1cm³)あたりの質量 = 密度 でくらべる。同じ質量でも体積はちがう。
- 密度 = 質量 ÷ 体積。3つの変形(質量=密度×体積、体積=質量÷密度)も自由に使えるように。
- 水の密度は 1.00 g/cm³。これより小さい物質は浮き、大きい物質は沈む。
- 氷が水に浮くのは、氷の密度(0.92)が水の密度(1.00)より小さいから。
- 不規則な形の物質の体積は メスシリンダー で水位の上がった分から測る(1 mL = 1 cm³)。
- 密度は物質を見分ける手がかり。温度や状態もそろえて、質量と体積から求めた値を表と比べる。
