光の3つの大事な性質
光のふるまいは、大きく分けて3つの性質で説明できます。
- 光は1秒間に約 30万km 進む。地球を 7回半 まわるくらいの速さ。
- あまりに速いので、ふだん私たちは「電気をつけたら部屋が明るくなる」を一瞬と感じるが、本当はわずかな時間だけ遅れている。
光の直進と影
光がまっすぐ進むという性質は、影を見ればよく分かります。
- 光源(太陽・電球・ろうそく)から出た光が、不透明な物にぶつかると、その先に光が届かない場所ができる。これが 影。
- 影ができるためには、①光源 ②光をさえぎる物体 ③影が映るスクリーン(地面や壁)の3つが必要。
- 真っ暗な部屋では影は見えない。光が当たっているからこそ、光のない部分が「影」として浮かび上がる。光と影は対の関係。
太陽が低いとき(朝・夕方)に影が長くなるのも、光がまっすぐ進む証拠です。光源の位置と物体の位置を直線でつなぐと、ちょうど影の先端になります。
反射の法則
光が鏡や金属の面にあたって跳ね返るとき、その跳ね返り方には決まったルールがあります。これが 反射の法則 です。
入射角 = 反射角
鏡に入ってくる光と、跳ね返って出ていく光は、法線に対して同じ角度になる。
- 入射角・反射角は 法線との角度。鏡面と光線の間の角ではない。
- 例えば光が鏡に対してほとんど寝た角度で入ってくると、鏡面との角は小さいが、法線との角(入射角)は大きい。
- テストで「入射角を答えよ」と言われたら、まず法線をかいてから測ること。
鏡に映る像 ── 鏡の向こうにあるように見える
鏡をのぞくと、自分の顔が「鏡の向こう側」にあるように見えます。でも、実際にそこに自分はいません。なぜそう見えるのでしょうか。
答えは、光線の経路 にあります。物体(自分の顔)から出た光は、鏡で反射の法則にしたがって跳ね返り、目に入ります。ところが、私たちの脳は 「光はまっすぐ来た」 と思いこむクセがあります。だから、跳ね返る前の道すじを忘れて、目に入ってきた向きをそのまま延長した先に物があると感じてしまうのです。
その「感じてしまう位置」が、鏡の向こう側。これを 虚像(きょぞう) といいます。
- 物体と像は、鏡面に対して対称の位置 にある。鏡からの距離が等しい。
- 像の 大きさは物体と同じ。
- 左右が逆に見える。ただし、本当は「奥行き(前後)」がひっくり返っているだけ。鏡に右手を上げると、像も鏡に向かって右の手を上げているが、こちらから見ると左側の手のように見える。
光線の道すじを図で確かめる
図の右側を見ると、物体から鏡までの距離と、鏡から像までの距離が 同じ になっています。これは反射の法則から計算で導けることで、鏡の向こうに同じ大きさのものがあるように見えるのは、このしくみのためです。
全身を映すのに鏡はどれだけ必要?
意外な事実があります。全身を映すために必要な鏡の高さは、身長と同じ ではありません。
身長160cmの人なら、高さ80cmの鏡があれば、頭から足までぜんぶ見える。
なぜでしょうか。反射の法則を使って考えます。
- 頭のてっぺんから出た光が、目に届くために鏡で反射する位置は、頭と目のちょうど真ん中の高さ。
- 同じように、足の先から出た光が目に届くために反射する位置は、足と目の真ん中の高さ。
- つまり、鏡に必要なのは「頭の半分くらいの高さ」から「足までの半分くらいの高さ」までの範囲。これは身長の ちょうど半分 になる。
鏡からどれだけ離れて立っても、この結論は変わりません。鏡を買うときの参考にもなる、入試にもよく出る話です。
乱反射 ── ふつうの物が見える理由
ここまで「鏡」の話をしてきましたが、私たちが本や机を見られるのも、実は反射のおかげです。ただし、鏡とは反射のしかたが違います。
乱反射のおかげで、私たちは どの角度から見ても その物を見ることができます。もし机がツルツルの鏡だったら、ある角度からしか机の表面が分からないでしょう。教室のどこに座っていても黒板の文字が読めるのは、黒板やチョークが乱反射しているからです。
逆に、夜の暗い部屋で本が読めないのは、本に光が当たっていないため反射する光がなく、目に届く光がないからです。「見える=光が反射して目に届く」。これが見るという現象の正体です。
この章でつまずきやすいところ
光の反射は、本文を読んでいる途中で「どこから角度を測るのか」「鏡の向こうに何があるのか」と感じやすい単元です。問題文や図を目で追いながら止まりがちな場面を取り上げ、整理のしかたを確認しましょう。
入射角を「鏡の面との角度」だと思い込んでしまう
- つまずく場面:図に光線が鏡に斜めに当たっている様子が描かれ、「入射角を答えよ」と問われた瞬間、鏡の面と光線のあいだの角を測ろうとして手が止まる。法線が点線でうすく描かれていると、つい無視してしまう。
- 克服のコツ:角度の基準は法線と覚える。手順としては、まず鏡面に垂直な線(法線)を引き、その法線と入射光線のあいだを測る。鏡面との角ではないので、光が寝た角度で入るほど鏡面との角は小さく、入射角は大きい、という位置関係を押さえる。
- ミニ例:鏡に対してほとんど寝た角度で光が入ると、鏡面と光線のあいだは小さいが、法線との角=入射角は大きい。教科書では角度はつねに法線から測ると整理する。
鏡の向こうに本物の自分がいるように感じてしまう
- つまずく場面:「鏡に映る像はどこにできるか」を本文で読み進めていると、図の中で像が鏡の向こう側に描かれている。鏡の裏に本当に物体があるわけではないと書いてあるのに、像の位置を答える段になると「鏡の中」と書きたくなる。
- 克服のコツ:因果関係で整理する。物体から出た光→鏡で反射→目に入る、という順で光は進む。脳は「光はまっすぐ来た」と感じるクセがあるため、跳ね返る前の道すじを延長した先に像があるように感じる。結果として像は鏡面に対して対称な位置に見える。
- ミニ例:鏡から30cm離れて立つと、像は鏡の向こう側30cmの位置にあるように見える。教科書ではこれを虚像と呼び、実際にそこに物体があるわけではないと整理する。
全身を映すには身長と同じ高さの鏡がいると思い込んでしまう
- つまずく場面:「身長160cmの人が全身を映すのに必要な鏡の高さは?」という問題を読み、直感で160cmと書きたくなる。さらに「鏡から離れたら大きい鏡が必要では?」と考え込んで、答えが選べなくなる。
- 克服のコツ:位置関係で整理する。頭から出た光が目に届くために反射する位置は頭と目の中間の高さ、足から出た光が反射する位置は足と目の中間の高さ。この二つの間が必要な範囲で、長さは身長のちょうど半分になる。反射の法則から、鏡との距離が変わっても角度の関係は同じなので必要な高さは変わらない。
- ミニ例:身長160cmの人なら必要な鏡の高さは80cm。鏡から1m離れても3m離れても、必要な高さは変わらず80cmのまま、と教科書では整理する。
ざらざらした紙や机では反射が起きていないと思い込んでしまう
- つまずく場面:本文に「鏡に映る像」「乱反射」と並んで出てくると、像がはっきり映る鏡だけが反射で、教科書のページや机の表面では反射していないように感じる。「どうして本が見えるのか」と問われた瞬間、答えにつまる。
- 克服のコツ:見分け方として、表面のなめらかさで整理する。鏡や水面のような滑らかな面では光がそろった向きに跳ね返り(正反射)、像が映る。紙・木・布のように細かい凸凹がある面では光がいろいろな方向に散る(乱反射)。どちらも反射は起きているが、跳ね返る向きがそろうかどうかが違う。
- ミニ例:教室のどの席からも黒板の文字が読めるのは、黒板やチョークが乱反射しているから。鏡のように正反射だけだと、決まった方向からしか表面が見えない、と教科書では整理する。
練習問題
- 鏡面に垂直に立てた線を何というか。
- 鏡に入ってくる光線と法線との間の角を何というか。
- 反射光線と法線との間の角を何というか。
- 反射の法則を式で書きなさい。
答えを見る
(1) 法線
(2) 入射角
(3) 反射角
(4) 入射角 = 反射角
※ 入射角・反射角はどちらも 法線との角度 であり、鏡面との角度ではない点に注意。
- 光が鏡にあたるとき、入射角と反射角の大きさの関係はどうなっているか。
- BさんからはAがどこに見えるか、簡単に説明しなさい。
- Bさんが感じるAの位置(像の位置)と、実際のAの位置には、鏡に対してどのような関係があるか。
答えを見る
(1) 入射角と反射角は等しい(反射の法則)。
(2) 鏡の向こう側 にAがあるように見える。これは、目に入った光が直進してきたと脳が感じるため。
(3) 鏡面に対して 対称な位置 にあり、鏡から像までの距離と、鏡からAまでの距離は 等しい。
答えを見る
必要な鏡の高さ:80cm(身長の半分)
鏡からの距離は関係ない。離れても近づいても、必要な鏡の高さは身長の半分のまま。
理由:頭から出た光が目に届くために反射する位置は、頭と目の中間の高さ。足から出た光が目に届くために反射する位置は、足と目の中間の高さ。この二つの間の長さは、頭から足までの長さ(身長)の半分にあたる。鏡からの距離が変わっても、反射の法則で「角度が同じ」なら、必要な高さの範囲は変わらない。
まとめ
- 光の3つの性質は 直進・反射・屈折。直進するから影ができ、反射するから物が見える。
- 反射の法則:入射角=反射角。どちらの角も 法線 からはかる。
- 鏡に映る像は、鏡面に対して物体と 対称な位置 にあり、大きさは同じ。これは 虚像。
- 全身を映す鏡は 身長の半分 の高さでよい。鏡からの距離には関係しない。
- 紙や机が見えるのは 乱反射 のおかげ。表面の凸凹で光がいろいろな方向に散るから、どの角度からも見える。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
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