この章の比較ペア(まとめ表)
| 比較ペア | A | B |
|---|---|---|
| 力のつり合いと作用・反作用のちがい | 力のつり合い | 作用・反作用 |
| 等速直線運動と等加速度運動のちがい | 等速直線運動 | 等加速度運動 |
| 斜面を下る運動と自由落下のちがい | 斜面を下る運動 | 自由落下 |
1. 力のつり合いと作用・反作用のちがい
| 比べる軸 | 力のつり合い | 作用・反作用 |
|---|---|---|
| 力がはたらく物体 | 同じ1つの物体 | 別々の2つの物体 |
| 力の大きさ | 同じ大きさ | 同じ大きさ |
| 力の向き | 反対向き | 反対向き |
| 合力 | 0になる(打ち消し合う) | 別々の物体にはたらくので合力は考えない |
| 代表例 | 机の上の本:重力と机が押し返す力 | 本が机を押す力と机が本を押す力 |
| 運動の状態 | 静止または等速直線運動を続ける | 片方の物体は加速することもある |
| 見分けるコツ | 「同じ物体」にはたらく2力か確認 | 「AがBに」「BがAに」の対になっているか確認 |
なぜこの違いが生まれたのか
つり合いは1つの物体にはたらく複数の力が打ち消し合って合力が0になる現象で、運動の状態が変わらないことが結果として観察される。一方作用・反作用は、Aが力を加えればBも必ず同じ大きさ反対向きの力をAに返すという、力のやり取りそのもののきまり。注目している物体の数がちがうため、別の概念として整理する必要がある。
混同しやすいポイント
本にはたらく重力と机が本を押す力を「作用・反作用」と答えてしまうミスが多い。これは同じ物体(本)にはたらく2力なのでつり合いであり、作用・反作用は本と机という別々の物体の関係。
テストでの聞かれ方
「机の上の本にはたらく重力と、机が本を押し返す力はつり合いか作用・反作用か」「壁を押し返される力はどちらか」など、具体例から区別を答えさせる定番問題。同じ物体か別の物体かを根拠に書かせる記述もよく出る。
2. 等速直線運動と等加速度運動のちがい
| 比べる軸 | 等速直線運動 | 等加速度運動 |
|---|---|---|
| 合力 | 0(力がはたらかないかつり合っている) | 0でない一定の向きの力がはたらく |
| 速さの変化 | 変わらない(一定) | 時間とともに一定の割合で増える(または減る) |
| 運動の向き | まっすぐで変わらない(向きは一定) | まっすぐで変わらない(向きは一定) |
| 代表例 | なめらかな床をすべる物体、慣性で進む電車内の物 | なめらかな斜面を下る台車、自由落下 |
| 記録テープの間隔 | どこも同じ間隔 | 進むほど間隔が広がる |
| 関係する法則 | 慣性の法則(運動の第1法則) | 重力など一定の力がはたらく場面 |
| 速さと時間のグラフ | 横軸に平行な直線 | 右上がりの直線 |
なぜこの違いが生まれたのか
物体にはたらく力の合計が0かどうかで運動のしかたが決まる。合力が0なら速さも向きも変わらず等速直線運動を続け、これが慣性の法則。合力が0でなければ、その向きに一定の割合で速さが変わる等加速度運動になる。斜面や自由落下では重力という一定の力が働き続けるため、速さがどんどん大きくなる。
混同しやすいポイント
「速く動いている=力がはたらいている」と思い込みやすいが、速いことと加速することは別。等速直線運動では速くても合力は0。逆に止まっている瞬間でも力がはたらいて加速していることがある。
テストでの聞かれ方
記録テープの間隔の図から「等速か、加速か」を判断させる問題が頻出。間隔が一定なら等速、進むほど間隔が広くなれば加速と答え、理由として「合力が0かどうか」を書かせる記述問題もよく出る。
3. 斜面を下る運動と自由落下のちがい
| 比べる軸 | 斜面を下る運動 | 自由落下 |
|---|---|---|
| はたらく力 | 重力のうち斜面方向の成分 | 重力そのもの(下向きすべて) |
| 運動の向き | 斜面に沿って下向き | 真下(鉛直下向き) |
| 速さの増え方 | 斜面の角度が大きいほど速さの増え方が大きい | どこでも同じ割合で速さが増える(毎秒約9.8 m/s ずつ、つまり加速度9.8 m/s²) |
| 加速の大きさ | 斜面の角度が大きいほど大きい | g=9.8 m/s²で一定 |
| 無視する条件 | 摩擦と空気抵抗を無視 | 空気抵抗を無視 |
| 落下距離 | 斜面に沿った距離が時間の2乗に比例して増える | 真下の距離が時間の2乗に比例して増える |
なぜこの違いが生まれたのか
どちらも重力が運動の原因だが、斜面では重力のうち斜面方向の成分だけが運動を生み出す力になる。残りの成分は斜面に押しつける力として打ち消されるため、加速のしかたは真下に落ちる自由落下より小さい。自由落下は重力すべてが運動方向にはたらく特別な場合と考えるとつながりが見える。
混同しやすいポイント
自由落下で「重い物ほど速く落ちる」と考えるミスが多いが、空気抵抗を無視すれば速さは質量に関係しない。1kgの鉄球も1gの紙くずも真空中なら同じ速さで落ちる。
テストでの聞かれ方
「自由落下で2秒後の速さは1秒後の何倍か」「斜面の角度を大きくすると速さの増え方はどうなるか」を問う記述問題が定番。記録テープの間隔が等加速度を示すこともセットで問われる。
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出典・最終更新
- 出典基盤:教科書(理科)の核となる事実と概念データに基づく整理。
- 編集方針:教科書頻出の混同ペアを、比較表と背景説明、混同ポイント、テストでの問われ方までセットで提示しています。
- 最終更新:2026-06-27
