この章の比較ペア(まとめ表)
| 比較ペア | A | B |
|---|---|---|
| AD:DB(同じ辺の上下)と AD:AB(全体と部分)の違い | AD:DB(上下) | AD:AB(全体と部分) |
| 「平行 → 比」と「比 → 平行」の違い | 平行 → 比(順) | 比 → 平行(逆) |
| 三角形と平行線と3本の平行線の比の違い | 三角形と平行線 | 3本の平行線 |
1. AD:DB(同じ辺の上下)と AD:AB(全体と部分)の違い
| 比べる軸 | AD:DB(上下) | AD:AB(全体と部分) |
|---|---|---|
| 比べているもの | 同じ辺 AB を点 D で切った上下の長さ | 辺の一部 AD と辺全体 AB の長さ |
| 分母にあたるもの | もう一方の部分 DB | 辺全体 AB |
| 対応する比 | AE:EC(もう一辺の上下) | AE:AC または DE:BC |
| DE の長さに使えるか | そのままでは使えない | DE:BC として使える |
| 向いている場面 | EC など辺の部分を求めたいとき | DE や BC の長さを求めたいとき |
| 図への書き込み方 | AD と DB に分けて印をつける | AD と AB 全体に印をつける |
| よくある誤答 | AD:DB と AE:AC を混ぜる | AD:AB と AE:EC を混ぜる |
なぜこの違いが生まれたのか
三角形と平行線の公式は AD:DB = AE:EC と AD:AB = AE:AC = DE:BC の2つの形を持ち、どちらも △ADE ∽ △ABC から導かれます。同じ相似でも「辺の上下で切った比」と「部分と全体の比」では分母にとる長さが違うため、混ぜると比例式が成り立たなくなります。
混同しやすいポイント
AD:DB = DE:BC としてしまうのが定番の誤り。DE と BC の比は「全体と部分」の AD:AB に等しく、上下の比 AD:DB とは別物。
テストでの聞かれ方
「DE ∥ BC のとき EC を求めよ」では AD:DB = AE:EC を、「DE の長さを求めよ」では AD:AB = DE:BC を使い分ける問題が頻出。図にどちらの比を取るかを書き込ませる出題が多い。
2. 「平行 → 比」と「比 → 平行」の違い
| 比べる軸 | 平行 → 比(順) | 比 → 平行(逆) |
|---|---|---|
| 前提(仮定) | DE ∥ BC である | AD:DB = AE:EC が成り立つ |
| 結論 | AD:DB = AE:EC | DE ∥ BC である |
| 使う場面 | 辺の長さや比を求める問題 | 「平行であることを示せ」という証明問題 |
| 根拠となる事実 | DE ∥ BC から △ADE ∽ △ABC | 比が等しいことから相似が言え、平行が出る |
| 答案で書くこと | 比例式を立てて未知数を求める | 比を約分し等しいことを示してから結論 |
| 見分け方の合言葉 | 平行が与えられたら比で攻める | 比が与えられたら平行を疑う |
| 両方合わせると | 必要十分条件(⇔) | 必要十分条件(⇔) |
なぜこの違いが生まれたのか
公式は DE ∥ BC ⇔ AD:DB = AE:EC という形で、両方向に成り立つ(必要十分条件)。順は「平行から比を取り出す」道具、逆は「比から平行を示す」道具で、問題で問われている向きが違えば使う公式の使い方も変わります。
混同しやすいポイント
証明問題で「DE ∥ BC を示せ」と聞かれているのに、平行を仮定にして比を計算してしまう 循環論法 がありがち。仮定と結論を取り違えないこと。
テストでの聞かれ方
「AD=6, DB=4, AE=9, EC=6 のとき DE と BC は平行か」のように、比から平行を判定させる問題が定番。比を約分して同じになることを示すのがゴール。
3. 三角形と平行線と3本の平行線の比の違い
| 比べる軸 | 三角形と平行線 | 3本の平行線 |
|---|---|---|
| 図の形 | 1つの三角形の中に1本の平行線 | 3本の平行線を2本の直線が横切る |
| 平行線の本数 | 底辺と平行な1本 | ℓ ∥ m ∥ n の3本(以上) |
| 比の取り方 | AD:DB = AE:EC(左右の辺の上下) | AB:BC = DE:EF(左の直線と右の直線の区間) |
| 比べる場所 | 三角形の2辺の上で同じ高さ | 2本の直線の上で同じ区間 |
| 全体と部分の式 | AD:AB = DE:BC が使える | AB:AC = DE:DF も成り立つ(AB:BC=DE:EF から導ける) |
| 本数を増やせるか | 三角形は1つで完結 | 4本5本でも各区間の比が等しい |
| 根拠 | △ADE ∽ △ABC(2角相似) | 三角形と平行線の定理を区間ごとに使う |
なぜこの違いが生まれたのか
3本の平行線の定理は、三角形と平行線の定理を「区間ごと」に分けて使ったものと考えられます。三角形では 1本の平行線 が2辺を同じ比で切り、3本の平行線では 各区間どうし が同じ比になります。どちらも「平行から比が等しくなる」点で兄弟関係です。
混同しやすいポイント
3本の平行線では AB:AC = DE:DF のような「全体と部分」の式は使えないと思い込むのが誤り。実際は 区間どうしの比(AB:BC = DE:EF)が等しいことから、全体と部分の比(AB:AC = DE:DF)も同様に成り立つ。
テストでの聞かれ方
「3本の平行線で AB=4, BC=6, DE=6 のとき EF を求めよ」のような出題が定番。4:6 = 6:EF のように区間どうしを正しく対応させられるかが問われる。
関連
出典・最終更新
- 出典基盤:教科書(数学)の核となる事実と概念データに基づく整理。
- 編集方針:教科書頻出の混同ペアを、比較表と背景説明、混同ポイント、テストでの問われ方までセットで提示しています。
- 最終更新:2026-06-27
