受動態の基本形
「(主語が)〜される/〜された」
能動態と受動態の対比
能動態:動作を する側が主語
例:Tom broke the window.(トムが窓を壊した)
受動態:動作を 受ける側が主語
例:The window was broken by Tom.(窓はトムに壊された)
→ 同じ出来事でも視点が違う
肯定文の例
This book is read by many people.(多くの人に読まれている)
The window was broken by the boy.(窓は少年に壊された)
English is spoken in many countries.(多くの国で話されている)
This letter was written by Tom.(この手紙はトムが書いた)
The room is cleaned every day.(部屋は毎日掃除される)
Rice is grown in this area.(米はこの地域で栽培される)
能動態 → 受動態への書きかえ
① 能動態の 目的語 → 受動態の 主語
② 動詞 → be動詞 + 過去分詞(時制は元のまま)
③ 能動態の 主語 → by + 目的格
例:He wrote this letter. → This letter was written by him.
例:Many people read the book. → The book is read by many people.
例:She made this cake. → This cake was made by her.
時制ごとの受動態
| 時制 | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 現在 | is / am / are + 過去分詞 | The room is cleaned. |
| 過去 | was / were + 過去分詞 | The room was cleaned. |
| 未来 | will be + 過去分詞 | The room will be cleaned. |
| 進行形 | be動詞 + being + 過去分詞 | The room is being cleaned.(中3で) |
否定文と疑問文
否定:be動詞 + not + 過去分詞
例:This book is not read by children.
例:The letter was not written by him.
疑問:be動詞を文頭に
例:Is this book read in Japan? — Yes, it is.
例:Was the window broken? — Yes, it was. / No, it wasn't.
疑問詞 + 受動態:
例:When was this book written?(この本はいつ書かれた?)
過去分詞の作り方
| 動詞 | 過去形 | 過去分詞 |
|---|---|---|
| play(規則) | played | played |
| study(規則) | studied | studied |
| write | wrote | written |
| read | read(リード→レッド発音) | read(同上) |
| speak | spoke | spoken |
| eat | ate | eaten |
| see | saw | seen |
| do | did | done |
| make | made | made |
| take | took | taken |
| give | gave | given |
| break | broke | broken |
| build | built | built |
| find | found | found |
| buy | bought | bought |
by 〜(行為者)の省略
① 行為者が「一般の人々」のとき
English is spoken here.(ここでは英語が話される ← by people は省略)
② 行為者がわからない・重要でない
The window was broken.(窓は壊された ← 誰がは不明)
③ 行為者が明らか
He was killed in the war.(戦争で死んだ ← 戦争で当然のこと)
by 以外の前置詞をとる受動態
be interested in 〜(〜に興味がある)
be surprised at 〜(〜に驚く)
be covered with 〜(〜で覆われる)
be made of 〜(〜でできている/材料が見える)
be made from 〜(〜から作られる/原料が見えない)
be known to 〜(〜に知られている)
例:I am interested in soccer.
例:The mountain is covered with snow.
受動態が好まれる場面
① 行為者より 受け手に焦点を当てたい
② 行為者が 不明または重要でない
③ 客観的な事実として述べたい(ニュース・科学・歴史)
例:The Olympics were held in Tokyo in 2021.
例:The Mona Lisa was painted by da Vinci.
- 受動態は 必ずbe動詞を使う。do/does/did ではない
- 過去分詞は 過去形と違うことが多い(write→wrote→written)
- by の後は 目的格(he ではなく him、I ではなく me)
- 能動態の時制をそのまま受動態に反映する
- 過去形 → was/were + 過去分詞
- 現在形 → is/am/are + 過去分詞
- × He wrote this. → This is written by him.(時制違い)
- ○ He wrote this. → This was written by him.
- 自動詞(目的語なし)の文は受動態にできない
- × He runs fast.(自動詞 run)→ 受動態にできない
- 目的語があるとき(他動詞)のみ受動態にできる
英語で使えるようにする練習
この単元は、説明を読んで終わりにすると定着しません。次の型を、主語・時・目的語を入れ替えながら声に出してください。
This book is read by many students.
The window was broken by Tom.
English is spoken in many countries.
- be動詞を忘れない。
- 過去分詞を使う。
- by は動作主が必要なときだけ。
この章でつまずきやすいところ
受動態は「be動詞+過去分詞」で「〜される/〜された」を表す形ですが、本文を読んでいる途中で動詞の形に引っかかったり、能動態と視点が入れ替わって混乱したりしがちです。読みながら迷いやすい場面を4つに整理します。
過去形と過去分詞を同じ形だと思い込んでしまう
- つまずく場面:本文の The window was broken by the boy. を読んでいる途中、「broke と broken はどっち?」と手が止まる場面。write→wrote→written のように、過去形と過去分詞がちがう不規則動詞で迷いが起きます。
- 克服のコツ:見分け方は語の位置で決めます。was/were/is/am/are のすぐ後ろに来るのは過去分詞(broken・written・spoken)。be動詞がなくて、主語の動作として単独で出てくるのが過去形(broke・wrote・spoke)。be動詞の有無を先に確認してから動詞の形を選ぶ流れに慣れましょう。
- ミニ例:Tom broke the window.(broke は過去形)/The window was broken by Tom.(was の後ろなので broken)。be動詞の有無で形が決まります。
能動態の主語をそのまま受動態の主語にしてしまう
- つまずく場面:He wrote this letter. を受動態に書きかえる途中、「He was written...」と書きそうになって止まる場面。日本語で考えると主語が動かないので、視点を入れ替える操作で迷子になります。
- 克服のコツ:位置関係で整理します。能動態の目的語(this letter)が受動態の主語の位置に動き、能動態の主語(He)は文末に by + 目的格(by him)として下がる。目的語→主語、主語→by 〜 という入れ替えを矢印で書いてから英文を組み立てると、視点の取り違えを防げます。
- ミニ例:She made this cake. → 目的語 this cake が主語へ、She は by her へ → This cake was made by her.
日本語の「〜される」につられて be動詞を落としてしまう
- つまずく場面:「英語は多くの国で話されている」を英訳する途中、English spoken in many countries. と書いて「あれ、動詞っぽくない?」と引っかかる場面。日本語の「〜される」が一語なので、be動詞を入れ忘れがちです。
- 克服のコツ:因果関係で覚えます。過去分詞だけでは時制も主語も表せないため、文の動詞として成立しません。だから時制と主語に合わせる be動詞(is/am/are/was/were)が必ず必要です。「be動詞は時制係、過去分詞は意味係」と役割を分けて確認すると、書き忘れに気づけます。
- ミニ例:× English spoken in many countries.(be動詞なし)/○ English is spoken in many countries.(is が現在の時制を担当)。
時制を現在のままにして書きかえてしまう
- つまずく場面:He wrote this. を受動態にする途中、「wrote は過去分詞が written だから...」と形に集中するあまり、This is written by him. と現在形で書いてしまう場面。動詞の形と時制が頭の中で混ざります。
- 克服のコツ:時系列で確認します。受動態に書きかえても、もとの能動態の時制はそのまま引き継ぐのがルール。過去なら was/were、現在なら is/am/are。動詞の変形を考える前に、まず「この文は過去?現在?」を確認してから be動詞を選ぶ順序にすると、時制ズレを防げます。
- ミニ例:He wrote this.(過去)→ be動詞は was → This was written by him./They clean this room every day.(現在)→ is → This room is cleaned every day.
練習問題
能動態を受動態に書き換えよ。
- She wrote this letter.
- Many people read this book.
- He made this cake.
- They built this house ten years ago.
答えを見る
(1) This letter was written by her.
(2) This book is read by many people.
(3) This cake was made by him.
(4) This house was built (by them) ten years ago.
( ) の動詞を過去分詞にせよ。
- This song is (sing) by many singers.
- The book was (write) by Soseki.
- Was this picture (take) by you?
答えを見る
(1) sung (2) written (3) taken
- 英語は世界中で話されている。
- この本は子どもたちに読まれている。
- 私はサッカーに興味がある。
- その山は雪で覆われていた。
答えを見る
(1) English is spoken all over the world.
(2) This book is read by children.
(3) I am interested in soccer.
(4) The mountain was covered with snow.
次の受動態を否定文と疑問文に書きかえよ。
The window was broken by the boy.
答えを見る
否定:The window was not broken by the boy.
疑問:Was the window broken by the boy? — Yes, it was. / No, it wasn't.
- この本は多くの生徒に読まれています。
- その窓はトムによって壊されました。
- 英語は多くの国で話されています。
答えを見る
(1) This book is read by many students.
(2) The window was broken by Tom.
(3) English is spoken in many countries.
まとめ
- 受動態:be動詞 + 過去分詞。「〜される/〜された」
- 能動態の目的語が受動態の主語になる。
- 能動態の主語は by + 目的格。
- 時制に応じて be動詞を変える(is, was, will be)。
- 過去分詞は不規則変化に注意(write→written、speak→spoken)。
- by 以外:interested in, surprised at, covered with など。
- by 〜 は行為者が不明・一般・重要でないとき省略。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
English is spoken at the UN(国連で話される英語)実生活
「English is spoken in many countries.(多くの国で話される)」は教科書の代表例文です。実際、英語は国連の6つの公用語(アラビア語・中国語・英語・フランス語・ロシア語・スペイン語)の一つで、フランス語とともに事務局や国際司法裁判所の常用語として使われています。世界の話し合いで英語が「話される」のは、受動態がぴったり合う場面です。
The Mona Lisa was painted by da Vinci(モナ・リザは描かれた)発展
教科書の「The Mona Lisa was painted by da Vinci.」は実話です。この絵はレオナルド・ダ・ヴィンチの作品で、現在はパリのルーヴル美術館の最も大きな部屋(サル・デ・ゼタ=Salle des États)にガラスケースに入れて展示されています。誰が描いたかをはっきり言いたいので by da Vinci を付け、有名な作品だから受動態で「描かれた」と表します。
The Olympics were held in Tokyo(オリンピックは開かれた)発展
「The Olympics were held in Tokyo.」のように、ニュースや歴史では受動態がよく使われます。東京2020オリンピックは新型コロナの影響で1年延期され、実際には2021年7月23日から8月8日に開催されました。「誰が開いたか」より「いつ・どこで開かれたか」が大事なので、be動詞+過去分詞で表します。
なぜ理科の英語で受動態が多いの?発展
受動態は「誰がしたか」より「何が起きたか」に注目させるので、客観的に書きたい理科の実験レポートで好まれてきました。例えば実験方法は「The water was heated.(水は熱せられた)」のように書きます。米ノースカロライナ大学の文章指導センターも、行為者が不要・不明なときや客観的な書き方をしたいときに受動態が役立つと説明しています。
出典:The Writing Center, University of North Carolina at Chapel Hill
The mountain is covered with snow(雪で覆われる富士山)実生活
熟語 be covered with 〜(〜で覆われる)も受動態の仲間です。富士山が初めて雪に覆われた様子(初冠雪)は、気象庁の甲府地方気象台が目視で観測して発表します。1894年に統計が始まり、2024年は11月7日の発表で、130年間で最も遅い記録になりました。
