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中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

must と have to ── 〜しなければならない

「〜しなければならない」を表す2つの表現、must と have to。肯定文では意味がほぼ同じですが、否定文では意味が真逆になる重要ポイント。テストでも頻出です。

must の基本

用語
must
主語 + must + 動詞の原形
① 「〜しなければならない」(義務・強制)
② 「〜にちがいない」(強い推量)
義務の例

You must study hard.(一生懸命勉強しなければならない)

We must follow the rules.(ルールを守らなければならない)

She must finish her homework.(宿題を終えなければならない)

You must wear a seatbelt.(シートベルトをしなければならない)

3単現でも must の形は変わらない(×musts)

推量の例

He must be tired.(疲れているにちがいない)

She must be at home now.(家にいるはずだ)

It must be cold outside.(外は寒いにちがいない)

→ 客観的な根拠がある「強い確信」

have to の基本

用語
have to
主語 + have / has to + 動詞の原形
「〜しなければならない」(必要・状況的な義務)
have to の例

I have to go now.(もう行かなければならない)

She has to study English.(3単現で has)

We have to leave at 8.(8時に出発しなければ)

You have to take an exam.(試験を受けなければ)

3単現主語(he, she, it)は has to、それ以外は have to

must と have to の違い

musthave to
意味主観的な義務・話し手の強い気持ち客観的な必要・状況上の義務
例You must read this!(強くおすすめ!)You have to read this for school.(学校で必要)
3単現変化なしhas to
過去形なし(had to を使う)had to
未来形なし(will have to)will have to
否定形must not = 禁止don't have to = 不要

否定文の重要な違い(最重要)

重要
否定の意味

must not(mustn't):「〜してはいけない」(禁止・してはダメ)

don't have to / doesn't have to:「〜する必要はない」(不要・しなくてもいい)

→ 真逆の意味になる!

違いの例

You must not smoke here.(ここでタバコを吸って はいけない)→ 禁止

You don't have to come.(来る 必要はない)→ 不要

You mustn't be late.(遅れてはいけない)

You don't have to be early.(早く来なくてもいい)

She mustn't tell anyone.(誰にも話してはいけない)

She doesn't have to tell anyone.(誰にも話す必要はない)

疑問文と答え方

疑問文の作り方

must:Must I 〜?(〜しなければならない?)

 例:Must I go now? — Yes, you must. / No, you don't have to.

 ※否定の答えは don't have to を使う(must not は禁止になってしまうので使わない)

have to:Do/Does + 主語 + have to 〜?

 例:Do I have to go? — Yes, you do. / No, you don't.

 例:Does she have to study? — Yes, she does. / No, she doesn't.

過去形と未来形

時制の変化

must には 過去形がない → 過去のことは had to を使う

 例:I had to work yesterday.(昨日働かなければならなかった)

未来 → will have to を使う

 例:You will have to wait.(待たなければならないでしょう)

否定:didn't have to(しなくてもよかった)

 例:I didn't have to come.(来なくてもよかった)

同じ意味の「〜すべきだ」

  • should(〜すべきだ):軽い助言
  • have to:状況上の必要
  • must:強い義務
  • 強さ:must > have to > should
  • 例:You should study.(勉強した方がいいよ)
  • 例:You have to study.(勉強しなければ)
  • 例:You must study.(絶対勉強しろ!)
つまずきポイント①:否定の意味の違い
  • must not = 禁止「してはいけない」(強い)
  • don't have to = 不要「しなくてもいい」(弱い)
  • 正反対の意味なので注意!
  • テストで頻出。
つまずきポイント②:must の後は原形
  • × He must goes. ○ He must go.
  • × She musts study. ○ She must study.
  • must は助動詞、3単現で形を変えない。
つまずきポイント③:have to / has to の使い分け
  • 主語が3単現(he, she, it)→ has to
  • それ以外(I, you, we, they, 複数)→ have to
  • × She have to go. ○ She has to go.

英語で使えるようにする練習

この単元は、説明を読んで終わりにすると定着しません。次の型を、主語・時・目的語を入れ替えながら声に出してください。

型
must / have toの基本パターン
主語 + must / have to + 動詞の原形
音読して覚える例文

You must follow the rules.

I have to do my homework.

You must not run here.

よくあるミス
  • must not は禁止。
  • do not have to は「する必要がない」。
  • he/she は has to。

この章でつまずきやすいところ

must と have to は肯定文では似た意味なのに、否定形になった瞬間に意味が真逆になります。本文を読んでいる途中で「あれ、これは禁止?それとも不要?」と止まってしまう生徒が多い単元。読み進める途中で迷う典型場面を3つに整理します。

must not を「しなくてもよい」と思い込んでしまう

  • つまずく場面:本文中で You must not run here. を見つけて、「must は〜しなければならない、だから must not は〜しなくてもよい、かな?」と日本語に置き換える途中で迷う場面。
  • 克服のコツ:見分け方:not がどの語にかかっているかで判定する。must not は「must(しなければならない)」をまるごと否定するのではなく、動詞を not で打ち消して「するな」と命じる形。一方 don't have to は have to(必要がある)を打ち消すので「必要がない」。禁止か不要かは、not の隣の語で見抜く。
  • ミニ例:You must not talk here.(話してはいけない=禁止)と You don't have to talk here.(話す必要はない=任意)。同じ here でも、行動を止められているのか、自由に選べるのかが正反対。

must に三単現の s をつけたくなってしまう

  • つまずく場面:本文を読み進めて She ___ study English. の空所に出会ったとき、「主語が She だから s をつける」と反射的に判断して、 musts か must で手が止まる場面。
  • 克服のコツ:位置関係で整理する。must は助動詞で、主語と動詞の間に置く道具。助動詞は主語が誰であっても形が変わらない。s がつくのは助動詞のうしろの動詞ではなく、「動詞 have」を含む have to の方の haveだけ。must は動詞ではないので、s をつける場所そのものが存在しない。
  • ミニ例:She must study English.(must はそのまま、study も原形)。同じ意味を have to で言うと She has to study English.(こちらは have が has に変わる)。

「過去のしなければならない」を musted と作ってしまう

  • つまずく場面:本文の和訳問題で「私は昨日早く起きなければならなかった」を英語にしようとして、「must の過去形は…musted?mustted?」と書きかけて手が止まる場面。
  • 克服のコツ:時系列で整理する。must には過去形・未来形が存在しないと教科書では割り切る。だから過去のことは had to、未来のことは will have to と、have to の側に乗り換えて時制を表す。「過去・未来は have to に引っ越す」と覚えれば、musted のような形を書く迷いが消える。
  • ミニ例:現在 I have to get up early. → 過去 I had to get up early yesterday. → 未来 I will have to get up early tomorrow.。must は現在の場面だけを担当する助動詞。

Must I 〜? に No, you must not. と答えてしまう

  • つまずく場面:問題で Must I go now? という疑問文を見て、「No だから must not かな」と書きかけたものの、「あれ、これだと『行ってはいけない』になる?」と途中で迷う場面。
  • 克服のコツ:因果関係で整理する。Must I 〜? は「しなければならない?」と必要性を聞いている。No と答えた瞬間に必要性は消えるので、答えに求められるのは「不要」を表す表現。must not を使うと「するな」という禁止に意味がすり替わってしまうため、教科書では No, you don't have to. と返すと整理する。
  • ミニ例:Must I go now? — Yes, you must. / No, you don't have to.(行く必要はない)。No, you must not. と答えると「行ってはいけない」という別の意味になってしまう。

練習問題

問題1(英訳)
  1. あなたはここで静かにしなければならない。
  2. あなたはここで話してはいけない。
  3. あなたは早く起きる必要はない。
  4. 彼女は明日働かなければならない。
答えを見る

(1) You must be quiet here. / You have to be quiet here.

(2) You must not talk here. / You mustn't talk here.

(3) You don't have to get up early.

(4) She has to work tomorrow.

問題2(適切な形)
  1. She (must / musts) study hard.
  2. I (have / has) to leave now.
  3. He (have / has) to be careful.
  4. You (must not / don't have to) come if you're tired.
答えを見る

(1) must (2) have (3) has (4) don't have to(不要の意味)

問題3(書きかえ)

次の文を、ほぼ同じ意味になるように書きかえよ。

  1. You must study hard.
  2. She has to clean her room.
答えを見る

(1) You have to study hard.

(2) She must clean her room.

問題4(過去形)

「私は昨日早く起きなければならなかった」を英訳せよ。

答えを見る

I had to get up early yesterday.(must には過去形がないので had to を使う)

追加問題(瞬間英作文)
次の日本語を、このページの型を使って英語にしなさい。
  1. あなたはルールを守らなければならない。
  2. 私は宿題をしなければならない。
  3. ここで走ってはいけません。
答えを見る

(1) You must follow the rules.

(2) I have to do my homework.

(3) You must not run here.

まとめ

  • must + 原形:〜しなければならない/〜にちがいない。
  • have to + 原形:〜しなければならない(状況的)。
  • 3単現は has to、過去は had to、未来は will have to。
  • must not = 禁止/don't have to = 不要(意味が反対!)。
  • must の疑問の否定回答は「No, you don't have to.」
  • 義務の強さ:must > have to > should。

may ── 許可・推量を表す助動詞

用語
may
主語 + may + 動詞の原形
① 「〜してもよい」(許可)
② 「〜かもしれない」(推量)
許可を表す may

May I come in?(入ってもいいですか)— Yes, you may. / No, you may not.

You may go home now.(もう帰ってもいいですよ)

→ 許可を求めるときは Can I ...? よりもていねいな言い方になる。

推量を表す may

It may rain tomorrow.(明日雨が降るかもしれない)

She may be busy now.(彼女は今忙しいかもしれない)

→ 同じ推量でも、must be 〜(〜にちがいない:強い確信)ほど確信度は高くない、弱い推量を表す。

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

「シートベルトをしなければならない」は英語で must / have to実生活

教科書の例文 You must wear a seatbelt. は、日本の道路交通法でも本物のルールです。警察庁は「後部座席でシートベルトの着用は全ての道路で義務です」と呼びかけていて、運転者は同乗者にも着けさせなければなりません。「義務(しなければならない)」を表す must / have to が、実際の交通安全のことばとして使われています。

出典:警察庁「全ての座席でシートベルトを着用しましょう」

後部座席のシートベルトは2008年から「義務」になった発展

内閣府によると、後部座席のシートベルト着用は平成20年(2008年)6月1日から義務化されました。それより前は前の席だけが義務だったので、英語で言うなら昔は You didn't have to wear it in the back seat. の状態でした。must には過去形がないので、こうした「昔は~しなくてよかった」は didn't have to で表します。

出典:内閣府「後部座席もシートベルトを締めましょう!」

シートベルトの効果が示す「しなければならない」理由発展

警察庁のデータでは、後部座席でシートベルトを着けていないときの致死率は、着けているときと比べて高速道路で約13.9倍、一般道路で約2.8倍も高くなります。だから単なるお願いではなく You must wear it.(しなければならない)という強い義務になっているのです。must が「強い気持ち・強制」を表すことと結びつけて考えられます。

出典:警察庁「全ての座席でシートベルトを着用しましょう」

飛行機の中の「常時しなければならない」と must実生活

国土交通省は、飛行中の突然の揺れでけがをしないために「着席中は常時シートベルトを適切に締める」よう求めています。サインが消えていても常に着けるべきなので、英語の機内放送でも You must keep your seatbelt fastened. のように must がよく使われます。状況上の必要 have to との使い分けを考える身近な例です。

出典:国土交通省 航空「飛行中の突然の揺れに伴う負傷防止」

禁止の標識は must not と同じ意味発展

道路標識のうち「規制標識」は、赤い縁取りの円で禁止を表すものが多く、これは英語の must not(してはいけない)と同じ働きです。一方、No smoking のように〈No + 名詞〉でも禁止を表せます。must not と don't have to(する必要はない)は意味が正反対なので、標識を見て「これは禁止か、それとも不要か」を見分ける練習になります。

出典:国土交通省「道の相談室:道路標識」