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国連には総会・安全保障理事会・経済社会理事会・事務局・国際司法裁判所・信託統治理事会という6つの主要機関があり、これらは上下関係のない並列の機関です。総会はすべての加盟国が1票を持つ討議の場、安全保障理事会は常任理事国5か国の拒否権を含む強い決定力を持つ機関という役割の違いはありますが、どちらが「上」というわけではありません。UNESCOは主要機関とは別の専門機関、UNICEFは総会の下に置かれた基金という位置づけの違いも図で押さえましょう。
国連の設立
国連憲章
- 1945年 サンフランシスコ会議で採択
- 国連の 目的・原則を定める
- 4つの目的:平和・友好関係・経済社会協力・人権
国連の主要6機関
- 総会:すべての加盟国が1票を持ち、討議・勧告を行う中心機関
- 安全保障理事会(安保理):平和維持の中心。重要
- 経済社会理事会:経済・社会問題
- 事務局:日常事務、事務総長が率いる
- 国際司法裁判所:国家間の紛争解決(ハーグ)
- 信託統治理事会:現在活動休止
安全保障理事会
アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国(旧連合国)
拒否権:1か国でも反対すると重要事項は決まらない
非常任理事国 10か国:任期2年、毎年5か国ずつ改選
専門機関・関連機関
- UNESCO(ユネスコ):教育・科学・文化(国連専門機関)
- WHO:世界保健機関(国連専門機関)
- ILO:国際労働機関(国連専門機関)
- UNICEF(ユニセフ):子どもの福祉を支援する国連の基金
- UNHCR:難民を支援する国連機関
- IAEA:原子力の平和利用を扱う国連関連機関
PKO(平和維持活動)
1992年「PKO協力法」成立 → 日本が国連PKOに参加
カンボジア、東ティモール、南スーダンなど
国連の課題
- 安保理の常任理事国の拒否権(5か国だけ強い)
- 分担金未払い問題
- 機関の縦割り
- 大国の対立で安保理の合意が難しくなることがある
国連と国際連盟の違い
| 国際連盟(1920-46) | 国際連合(1945〜) | |
|---|---|---|
| 本部 | ジュネーブ | ニューヨーク |
| 米国の加盟 | 不参加 | 加盟 |
| 議決 | 全会一致 | 多数決 |
| 制裁 | 経済制裁のみ | 軍事制裁可能 |
| 失敗の理由 | 大国不参加・制裁力不足 | − |
第一次大戦後の国際連盟が失敗したから、第二次大戦後に国連を設立した
事務総長の歴史
初代:トリグブ・リー(ノルウェー、1946-52)
6代:コフィ・アナン(ガーナ、1997-2006)── 2001年ノーベル平和賞
7代:潘基文(韓国、2007-2016)
8代:アントニオ・グテーレス(ポルトガル、2017〜)
→ 任期5年(再任あり)
日本と国連
1956年:日本が国連に加盟(80番目)
分担金:日本は上位の負担国の一つ。順位・割合は年度で変わるため最新資料で確認
非常任理事国:日本は何度も選出されてきた
事務次長:明石康氏など
常任理事国入り:G4(日・独・印・伯)が改革を主張
持続可能な開発目標(SDGs)
- 2015年:国連サミットで採択
- 2030年までに達成すべき17の目標
- 1: 貧困をなくそう
- 4: 質の高い教育をみんなに
- 13: 気候変動に具体的な対策を
- 17: パートナーシップで目標を達成
- 誰一人取り残さない(Leave No One Behind)
- 米英仏中ロ(USA, UK, France, China, Russia)
- WWII の戦勝国(連合国)から構成。
- 「日本もドイツもインドもブラジルも入っていない」 → 改革の議論あり。
- 常任理事国が 1か国でも反対すると重要事項は決まらない
- 東西冷戦時代は米ソが拒否権を多用して安保理が機能不全
- 近年の紛争でも、常任理事国の対立で決議が難しくなる例がある
- 拒否権の 廃止・制限を求める議論がある
- UNESCO = United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization
- WHO = World Health Organization
- UNICEF = United Nations Children's Fund
- ILO = International Labour Organization
- 英語の略称と日本語名・本部所在地をセットで覚える
この章でつまずきやすいところ
国連の章は、総会と安保理の役割の違いや、専門機関・基金などの似た名称が混ざりやすい単元です。本文を読み進める途中で迷いやすい場面を取り上げ、どこに目印を置けば整理できるかを確認していきましょう。
総会と安保理を同じ重さの会議だと思い込んでしまう
- つまずく場面:本文で「総会は全加盟国が1票を持つ」と読んだ直後に「安保理は強制力を持つ」と出てきて、どちらが上位の会議なのか分からなくなり、両方を同格の話し合いの場として読み流してしまう場面。
- 克服のコツ:役割が違うと押さえます。総会は全加盟国が参加して討議・勧告する場、安保理は15理事国(常任5+非常任10)で構成され、平和と安全の維持について主要な責任を持ち、その決議は加盟国を拘束しうる機関です。「参加の広さ」と「決定の重さ」が役割ごとに分かれていると押さえると、本文の役割分担が読み解けます。
- ミニ例:本文では総会=勧告、安保理=強制力をもつ決定と整理されています。人数が多いほど決定力が強いわけではなく、機関ごとに与えられた役割が違うのだと分かります。
UNESCO・WHO・UNICEFを全部「国連の専門機関」とひとくくりにしてしまう
- つまずく場面:本文で略称が連続して出てくる場面で、UNESCO・WHO・ILOと、UNICEF・UNHCRの説明文を見比べたとき、どれも「国連の〜」と始まるので全部同じ位置づけだと思い込み、専門機関と基金・補助機関の区別をつけずに読み進めてしまう場面。
- 克服のコツ:分類の見分け方で整理します。教科書の表記に依拠すると、UNESCO・WHO・ILO=専門機関、UNICEF・UNHCR=総会の下に置かれる基金・計画/補助機関、IAEA=関連機関と書き分けられています。略称の後ろにある「専門機関」「基金」「関連機関」の語尾に印を付けながら読むと、種類のちがいが浮かび上がります。
- ミニ例:本文の「UNICEF=子どもの福祉を支援する国連の基金」という1文を見れば、専門機関ではなく基金として扱われていると確認できます。
拒否権を「多数決で負けても覆せる権利」と読み違えてしまう
- つまずく場面:本文の「1か国でも反対すると重要事項は決まらない」という説明を読んだとき、「反対した1国が決定を取り消す力」と受け取ってしまい、賛成多数で決まったものを後からひっくり返す権利だと思い込んでしまう場面。
- 克服のコツ:因果関係で押さえます。拒否権は「決定の前」に働くストッパーで、結果として常任理事国が1か国でも反対した時点でそもそも決定が成立しない仕組みです。「覆す」ではなく「成立を止める」と読み替えると、本文の冷戦期の話ともつながります。
- ミニ例:本文では冷戦期は米ソの拒否権行使が多く、安保理の決定がしばしば妨げられたと整理されています。決議が「通った後に否決された」のではなく、最初から成立しなかったということです。
国際連盟と国際連合を時期だけで区別しようとしてつまずく
- つまずく場面:本文の比較箇所で「国際連盟(1920年〜1946年)」「国際連合(1945年〜)」と並んだとき、年号の前後関係だけを覚えようとして、議決方法のちがいまで頭が回らず、どちらの説明だったか混乱する場面。
- 克服のコツ:議決方式の対比で見分けます。本文では連盟=全会一致/連合=多数決と整理されています。この章の主題は「国連の組織と役割」なので、連盟との対比はこの1点にしぼっておけば十分です。制裁手段については、連盟は経済制裁が中心で、連合は安保理決議に基づき軍事的措置もとりうる、という違いがあると押さえておきましょう。
- ミニ例:本文の「連盟は全会一致/連合は多数決」という対比を覚えておけば、議決方式から「これは連合の話だ」と判別できます。
練習問題
- 国連の設立年
- 国連本部の所在地
- 原加盟国数
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(1) 1945年 (2) ニューヨーク(アメリカ) (3) 51か国
安全保障理事会の5常任理事国を答えよ。
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アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国
次の略称が示す機関は。
- UNESCO
- WHO
- UNICEF
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(1) 国連教育科学文化機関 (2) 世界保健機関 (3) 国連児童基金
まとめ
- 国連:1945年、本部ニューヨーク。加盟国数は最新資料で確認。
- 主要6機関:総会・安保理・経済社会理事会・事務局・国際司法裁判所・信託統治理事会。
- 安保理:5常任理事国(米英仏中ロ)と10非常任理事国。拒否権あり。
- 専門機関・関連機関:UNESCO・WHO・ILO・UNICEF・UNHCR・IAEAなど。
- 日本のPKO参加(1992年〜)。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
国連加盟国は現在193か国発展
原加盟国は51か国でしたが、2011年に南スーダンが加わって以降、加盟国数は193か国になっています。なお日本が国家として承認しているバチカンなどは未加盟で、日本が承認していない北朝鮮は加盟しているなど、『国の数』と『国連加盟国の数』は一致しません。
出典:外務省「国連とは」
事務総長グテーレス氏は第9代時事
現在の国連事務総長は、ポルトガル首相や国連難民高等弁務官を務めたアントニオ・グテーレス氏で、2017年1月1日に第9代事務総長として就任しました。2021年に2期目が承認され、任期は2026年末までとなっています。
日本の国連分担金は世界3位時事
国連の通常予算は加盟国が分担金として負担しており、日本はアメリカ・中国に次ぐ第3位の負担国です。2025〜2027年の日本の分担率は6.930%で、これより前の8.033%から下がり、近年は中国の割合が大きく増えています。
拒否権の使用に説明責任を求める決議時事
安保理で常任理事国が拒否権を使うと重要な決議が成立せず、機能不全が課題となっています。これを受けて2022年4月、拒否権を行使した国は10日以内に総会で理由を説明するよう求める総会決議が無投票で採択され、日本も共同提案国となりました。
自衛隊の南スーダンPKOは2017年に撤収発展
1992年のPKO協力法成立後、日本は各地のPKOに参加してきました。南スーダンでは陸上自衛隊が道路や国連施設の整備などにあたりましたが、2017年5月に撤収が完了し、現在は部隊としての派遣は行われていません。
SDGsは達成の遅れが課題時事
2015年に採択されたSDGsは2030年が目標年ですが、国連の2025年報告書は、順調または前進しているターゲットは約35%にとどまると指摘しています。気候変動や紛争、貧困などの影響で進捗が遅れており、国際協力の強化が求められています。
