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中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

大陸と海洋・世界の州 ── 世界の見取り図

「世界の大陸はいくつ?」── 6つです(ユーラシア・アフリカ・北アメリカ・南アメリカ・オーストラリア・南極)。「世界の海は?」── 3つ(太平洋・大西洋・インド洋)。さらに人間がまとめた区分として 6つの州もあります。一見バラバラですが、3つの軸を整理すれば世界地図がぐっと見やすくなる。今回はその見取り図を一段くわしく作ります。

図でつかむ

6大陸と3大洋の見取り図 ── ①〜⑥は面積の大きい順 赤道 ウラル山脈 ①ユーラシア大陸(最大) ヨーロッパ州 アジア州 ③北アメリカ大陸 ②アフリカ大陸 ④南アメリカ大陸 ⑥オーストラリア大陸(最小) ⑤南極大陸(面積はオーストラリア大陸の約2倍) 日本 太平洋(最大) 大西洋 インド洋 陸:海=3:7(陸地は約30%)
6大陸と3大洋の見取り図 ── 丸数字は面積の大きい順。ユーラシア大陸はウラル山脈を境にヨーロッパ州とアジア州に分かれる

最大のユーラシア大陸から最小のオーストラリア大陸まで、6つの陸のかたまりと太平洋・大西洋・インド洋の位置関係をデフォルメした地図です。1つの大陸(ユーラシア)の上に、ウラル山脈を境として2つの州(ヨーロッパ州・アジア州)がのっている点に注目してください。

地球の陸地と海 ── 3対7の比

地球の表面のうち、陸地は 約30%、海は 約70%。「3対7」と覚えると簡単です。海のほうがずっと広い。

  • 陸地:約 1億 5千万 km² (全体の 約30%)
  • 海洋:約 3億 6千万 km² (全体の 約70%)

6大陸 ── 陸地のかたまり

大陸 特徴
① ユーラシア大陸世界最大。アジアとヨーロッパが地続き。日本もこの大陸の一部(島だが)
② アフリカ大陸2番目に大きい。赤道が中央を通る。サハラ砂漠とジャングルの両方
③ 北アメリカ大陸米国・カナダ・メキシコがある
④ 南アメリカ大陸アマゾン熱帯雨林とアンデス山脈
⑤ 南極大陸氷で覆われ、定住する人がいない(観測基地のみ)
⑥ オーストラリア大陸最小の大陸。乾燥した平らな大地が多い

3大洋 ── 海のかたまり

  • 太平洋:世界最大の海。日本の東〜南、アメリカの西側。「Pacific Ocean」。
  • 大西洋:南北アメリカとヨーロッパ・アフリカの間。「Atlantic Ocean」。
  • インド洋:インドの南、アフリカ東岸とオーストラリア西岸の間。「Indian Ocean」。
「南極海」「北極海」もある
  • 南極大陸の周りを 南極海、北極のあたりを 北極海と呼ぶことがある。
  • 中学地理では3大洋(太平洋・大西洋・インド洋)を中心に覚える。

世界の6州 ── 大陸を人間がまとめた区分

大陸はあくまで 地理的な陸地のかたまり。ユーラシア大陸は広すぎるので、文化や歴史も加味して 「アジア」と「ヨーロッパ」に分けます。これが 州(しゅう)です。

州 範囲 人口
① アジア州ユーラシア大陸の東半分(日本もここ)最多(約46億人)
② ヨーロッパ州ユーラシア大陸の西半分約7億5千万人
③ アフリカ州アフリカ大陸約14億人(急増中)
④ 北アメリカ州北アメリカ大陸約5億9千万人
⑤ 南アメリカ州南アメリカ大陸約4億3千万人
⑥ オセアニア州オーストラリア大陸+太平洋の島々約4千万人(最少)

アジアとヨーロッパの境目

「アジア州」と「ヨーロッパ州」は同じユーラシア大陸の上にあります。境目は地形的に決まっていて、次のような線で区切ります。

  • ウラル山脈(ロシア中央を南北に走る山脈)
  • カスピ海
  • カフカス山脈(カスピ海と黒海の間)
  • 黒海・ボスポラス海峡(トルコ)

ロシアは ウラル山脈の西側がヨーロッパ州、東側がアジア州。1つの国が2つの州にまたがる珍しい例です。

アジア州の細分化

アジア州はとても広いので、さらに細かく分けます。

  • 東アジア:日本・中国・韓国・北朝鮮・モンゴル
  • 東南アジア:タイ・ベトナム・インドネシア・フィリピンなど
  • 南アジア:インド・パキスタン・バングラデシュ・スリランカなど
  • 中央アジア:カザフスタン・ウズベキスタンなど
  • 西アジア:サウジアラビア・トルコ・イランなど(中東とも呼ぶ)

覚え方のコツ

テクニック
大陸・州・大洋を白地図で書けるか
  • 6大陸の 輪郭 をなぞって書ける。
  • そこに 赤道・本初子午線を書き加える。
  • 各大陸を 6つの州のどれかに対応させる。
  • 大陸の間の海に 3大洋の名前を書き入れる。
これだけで世界の見取り図が頭に入る。

この章でつまずきやすいところ

「大陸」「海洋」「州」は似ているようで役割が違う区分です。本文を読み進めるなかで、どこで線を引くか・何の名前なのかが混ざりがちです。大陸の数を数えるとき、州の範囲をとらえるとき、海の場所を答えるときに迷いやすい4場面を先に押さえておきましょう。

ヨーロッパを大陸名だと思い込んでしまう

  • つまずく場面:本文で「6大陸」と「6州」が並べて出てきたとき、ヨーロッパもオーストラリアと同じように大陸名だと感じてしまい、大陸の数を数えるときに7つに増やしてしまう場面で迷う。
  • 克服のコツ:区分の種類で見分けるとよい。大陸=地理的な陸地のかたまり、州=文化や歴史も含めた人間の区分、と分けて考える。ユーラシアは1つの大陸だが、その上にアジア州とヨーロッパ州という2つの州がのっている、と二段構えでとらえる。
  • ミニ例:「ヨーロッパ大陸」と書きそうになったら、ユーラシア大陸の西半分にのっている州の名前だと思い出す。大陸を数えるときはユーラシアで1つにまとめる。

オーストラリア大陸とオセアニア州を同じものだと思ってしまう

  • つまずく場面:オセアニア州にはオーストラリア大陸と太平洋の島々(ニュージーランドなど)が含まれる、と本文に書かれているとき、オーストラリア大陸=オセアニア州だと早合点しそうになる。問題でニュージーランドや太平洋の島国が出ると、どちらに入れるか迷う。
  • 克服のコツ:範囲の広さで見分ける。大陸は陸地のかたまりだけを指すのに対し、州は周辺の島々も含む広い区分。オセアニア州はオーストラリア大陸という土台に、太平洋の島々を足したものだとイメージするとよい。
  • ミニ例:オーストラリア大陸=陸のかたまりだけ。オセアニア州=そこに太平洋の島々を加えた区分、と二段で押さえる。

ロシアをアジア州だけ・ヨーロッパ州だけに入れてしまう

  • つまずく場面:問題で「ロシアは何州?」と聞かれたとき、首都モスクワがヨーロッパ側にあると聞いて全部ヨーロッパ州だと答えそうになったり、逆に国土が広いからアジア州だと書いてしまったりして迷う。
  • 克服のコツ:位置関係で整理するとよい。ロシアはウラル山脈を境に、西側がヨーロッパ州、東側がアジア州にまたがる珍しい国。州は国家の国境とは別の区切り方をしており、アジア州とヨーロッパ州の境界はウラル山脈という地形で引かれている、と意識して地図を見る。
  • ミニ例:ウラル山脈を縦線でイメージし、その西がヨーロッパ州、東がアジア州と覚える。ロシアはその線を踏みまたいでいる国、と整理する。

「日本の周りの海=太平洋」だけで全部覚えてしまう

  • つまずく場面:3大洋の本文を読んでいるとき、太平洋は地図でよく見るので覚えやすいが、大西洋とインド洋がどちらの大陸の間にあるのかがあいまいなまま読み進めてしまい、問題で「ヨーロッパの西の海は?」と問われると詰まる。
  • 克服のコツ:位置関係を「起点の大陸」と「向こう岸の大陸」のセットで覚える。太平洋=アジア・オーストラリア東岸と南北アメリカ西岸の間(日本の東に広がる海)、大西洋=ヨーロッパ・アフリカ西岸と南北アメリカ東岸の間、インド洋=インドの南でアフリカ東岸とオーストラリア西岸の間、と3点セットで結びつける。
  • ミニ例:「ヨーロッパの西の海は?」と聞かれたら、ヨーロッパから見て西=大西洋(向こう岸は南北アメリカ)と答える。「日本の東の海は?」なら日本から見て東=太平洋(向こう岸は南北アメリカ西岸)。起点と向こう岸をセットで思い出す。

練習問題

問題1(大陸の数)
世界の大陸を 大きい順 に並べなさい。
答えを見る

ユーラシア → アフリカ → 北アメリカ → 南アメリカ → 南極 → オーストラリア

南極とオーストラリアの順は資料によって入れ替わることがあるが、一般には南極のほうが大きい(南極はオーストラリアの約2倍の面積)。

問題2(州の判定)
次の国はそれぞれ何州に属するか。
  1. ブラジル
  2. エジプト
  3. イギリス
  4. オーストラリア
  5. インド
答えを見る

(1) 南アメリカ州

(2) アフリカ州

(3) ヨーロッパ州

(4) オセアニア州

(5) アジア州(南アジア)

問題3(境目)
アジア州とヨーロッパ州の境目になっている山脈と海を答えなさい。
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山脈:ウラル山脈(ロシアを南北に走る)

海:カスピ海・黒海(カフカス山脈・ボスポラス海峡も境目)

問題4(3大洋)
日本の東側に広がる海と、ヨーロッパの西側に広がる海を答えなさい。
答えを見る

日本の東 → 太平洋

ヨーロッパの西 → 大西洋

まとめ

  • 地球の 陸地は約30%、海は約70%。
  • 6大陸:ユーラシア・アフリカ・北アメリカ・南アメリカ・オーストラリア・南極。
  • 3大洋:太平洋・大西洋・インド洋。
  • 人間が分けた区分が 6州:アジア・ヨーロッパ・アフリカ・北アメリカ・南アメリカ・オセアニア。
  • アジアとヨーロッパの境目は ウラル山脈・カスピ海。ロシアは両方にまたがる。

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

南極大陸は「どの国のものでもない」── 南極条約のしくみ発展

南極大陸には定住する人がいませんが、これには国際的なルールも関係しています。1959年に採択された南極条約は、南極を平和的に利用すること、そして各国の領有権の主張を「凍結」することを定めており、日本はこの条約の原署名国の一つです。だから日本の昭和基地のような観測基地はあっても、どこかの国の領土として線引きはされていないのです。

出典:外務省「南極条約・環境保護に関する南極条約議定書」

世界人口は80億人を突破、その約6割がアジア州時事

国連によると、世界の人口は2022年11月15日に80億人に達しました。また、総務省統計局がまとめた「世界の統計」などの地域別人口データを見ると、アジア州には世界全体のおよそ6割の人々が暮らしていて、本文にあるとおりアジアが最も人口の多い州です。一方でこれからの人口増加はアフリカ州で特に大きいと予測されており、州ごとの人口バランスは少しずつ変わっていくと考えられています。

出典:国連広報センター「世界人口が80億人に達する中、すべての人のための持続可能な開発を進めるため国連が連帯を呼びかけ」(80億人到達)/総務省統計局「世界の統計」第2章 人口(地域別人口)

アジアとヨーロッパにまたがる都市・イスタンブール発展

アジア州とヨーロッパ州の境目の一つにボスポラス海峡があり、トルコの大都市イスタンブールはこの海峡をはさんで両方の州にまたがっています。海峡には橋がかけられ、日本のODA(政府開発援助)の協力で建設に関わった橋もあります。州の境目が、実際の人々の暮らしや交通とつながっていることがわかる例です。

出典:外務省「ODA白書(アジアとヨーロッパをつなぐボスポラス海峡の架け橋)」

海面上昇で危機にある太平洋の島国時事

オセアニア州の太平洋には、標高がとても低い島でできた国があります。たとえばツバルは平均標高が約1.5m、最も高い地点でも約4mほどしかなく、地球温暖化による海面上昇で水没の危機にあると指摘されています。海と陸の広がりを学ぶことは、こうした世界の課題を考える土台にもなります。

出典:気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT、国立環境研究所)

世界一高い山エベレストはアジア州にある発展

アジア州にあるヒマラヤ山脈には、世界で最も高い山エベレスト(チョモランマ)がそびえています。その標高は、2020年に中国とネパールが共同で発表した8848.86mが現在広く使われている値です。最も大きいユーラシア大陸が、世界一高い山という自然の特徴も持っていることがわかります。

出典:国立国会図書館 レファレンス協同データベース