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熱分解では試験管の口を少し下げて加熱します。生成物のうち二酸化炭素は石灰水を白くにごらせ、水は口の近くの内側にたまります。反応は 2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + H₂O + CO₂ です。
化学変化と物理変化の違い
化学変化:物質の 種類が変わる(性質も変わる)
物理変化:物質の 状態が変わるだけ(種類は同じ)
物理変化:氷 → 水 → 水蒸気(すべて H₂O)
物理変化:砂糖を水に溶かす(砂糖と水は別々のまま)
化学変化:水を電気分解 → 水素 + 酸素(別の物質に)
化学変化:鉄が燃える → 酸化鉄(鉄ではなくなる)
分解とは
① 熱分解 ── 熱で分解する
化学反応式:2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + H₂O + CO₂
炭酸水素ナトリウム → 炭酸ナトリウム + 水 + 二酸化炭素
実験:試験管に炭酸水素ナトリウムを入れて熱する
確認:
・出てきた気体を石灰水に通す → 白く濁る(CO₂ の確認)
・試験管の口にできる水滴 → 青色塩化コバルト紙が桃色に(水の確認)
・残った白い粉(炭酸ナトリウム)に水を加える → 強いアルカリ性
炭酸水素ナトリウム(重曹):弱アルカリ性、水に少し溶ける
炭酸ナトリウム:強アルカリ性、水によく溶ける
→ 物質が 性質も変わっていることを確認できる
化学反応式:2Ag₂O → 4Ag + O₂
酸化銀(黒色) → 銀(白色光沢)+ 酸素
確認:
・色の変化(黒 → 白)
・残った物質に電気が通る(金属の銀の証拠)
・発生した気体に火のついた線香を入れる → 激しく燃える(酸素)
② 電気分解 ── 電気で分解する
化学反応式:2H₂O → 2H₂ + O₂
実験:水酸化ナトリウム少量を溶かした水(電気を通すため)に電圧をかける
陰極(−):水素が発生
陽極(+):酸素が発生
体積比:水素:酸素 = 2:1
確認:
・水素 → マッチの火を近づけると音を立てて燃える
・酸素 → 火のついた線香が激しく燃える
化学反応式:2HCl → H₂ + Cl₂
陰極:水素
陽極:塩素(黄緑色・刺激臭)
確認:
・水素 → ポンと音をたてて燃える
・塩素 → 色つきの紙を脱色する
化学反応式の書き方
- 左辺:反応する物質(反応物)
- 右辺:できる物質(生成物)
- 左右の 原子の数を等しくする(係数で調整)
- 例:2H₂O → 2H₂ + O₂ (左:H 4個 O 2個、右:H 4個 O 2個)
分解の利用
- ベーキングパウダー:炭酸水素ナトリウムの熱分解で CO₂ が発生し、生地が膨らむ
- 水素自動車:水の電気分解で水素を作り、燃料として利用
- 金属精錬:アルミニウムは融解した酸化アルミの電気分解で作る
- 違う物質ができる → 化学変化
- 同じ物質のまま形・状態だけ変化 → 物理変化
- 例:氷が溶ける(物理)/鉄が錆びる(化学)
- 判別:「もとに戻せるか?」も目安(物理は戻せる、化学は戻しにくい)
- 水素:マッチの火 → ポンと音をたてて燃える
- 酸素:火のついた線香 → 激しく燃える
- 二酸化炭素:石灰水 → 白く濁る
- テストでよく出る!
この章でつまずきやすいところ
分解の単元は、<strong>熱分解(炭酸水素ナトリウム・酸化銀)</strong>と<strong>電気分解(水)</strong>の2系統が並走し、さらに発生気体の確認方法が水素・酸素・二酸化炭素の3つ同時に登場するため、「どの反応で・どの気体が・どう確認できるか」を取り違えやすい場所がいくつもあります。読みながら迷う具体場面を先にほどいておきましょう。
「分解」を「細かく砕く」と思い込んでしまう
- つまずく場面:「1つの物質が2つ以上に分かれる」という説明を読んだ瞬間、つい「氷を細かく砕くのも分解?」とイメージしてしまい、状態変化や粉砕と区別がつかなくなる場面。
- 克服のコツ:見分け方は「物質の種類そのものが変わったか」を軸にすること。粒を細かくしただけ、氷が水になっただけは、種類はそのまま=物理変化。別の物質が新しく生まれていれば分解と整理します。
- ミニ例:氷を砕いて粉にしても、できるのは小さな氷(水)であって種類は変わらない=分解ではない。一方、水を電気分解すると水素と酸素という別の物質が新しくできるので、これが分解にあたります。
炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを同じものと混同する
- つまずく場面:本文で「2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + H₂O + CO₂」を読み進めている途中、名前が似すぎていて「結局どっちが反応前でどっちが残るの?」と式の左右を見失う場面。
- 克服のコツ:「水素(H)が付いている方=反応前」「水素が取れた方=反応後に残る白い粉」という位置関係で覚えると安定します。性質面では、反応前(炭酸水素ナトリウム)は弱いアルカリ性、反応後(炭酸ナトリウム)はより強いアルカリ性を示すため、フェノールフタレインを加えたときの色の濃さで反応後を判別できます。
- ミニ例:試験管に入れて熱したのが炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)、加熱後に残った白い粉が炭酸ナトリウム(Na₂CO₃)。両方を水に溶かしてフェノールフタレインを加えたとき、より濃い赤色になる方が「反応後」の炭酸ナトリウムです。
電気分解で陰極と陽極のどちらに何が出るかを取り違える
- つまずく場面:水の電気分解の図を見ながら「陰極から出るのが水素だっけ?酸素だっけ?」と迷い、体積比2:1がどちらの気体だったかも一緒に混乱してしまう場面。
- 克服のコツ:因果関係で押さえます。水の電気分解では、水の分子式H₂O中の水素原子と酸素原子の数の比が2:1であるため、発生する体積比は水素:酸素=2:1になります。多い方(陰極側)が水素、少ない方(陽極側)が酸素。さらに確認方法とセットにすると、位置と性質が一本につながります。
- ミニ例:陰極から多く集まった気体にマッチの火を近づけて「ポン」と音がしたら水素、陽極側の少ない方に火のついた線香を入れて激しく燃えたら酸素と判別できます。
発生した気体の確認方法を別の気体のものと混ぜてしまう
- つまずく場面:本文で水素・酸素・二酸化炭素の確認方法が続けて出てくるところで、「石灰水で確かめるのは酸素?」「線香が激しく燃えるのは水素?」と読み返しながら入れ替わってしまう場面。
- 克服のコツ:気体ごとに「使う道具」と「起こる現象」をペアで固定して整理します。水素=マッチ+ポンと音、酸素=線香+激しく燃える、二酸化炭素=石灰水+白く濁る。道具が決まれば現象も一意に決まる、と因果でつなぐのがコツ。
- ミニ例:炭酸水素ナトリウムを熱して出た気体を石灰水に通すと白く濁ったのでCO₂、水の電気分解で陽極側に出た気体に火のついた線香を入れたら激しく燃えたのでO₂、陰極側の気体にマッチを近づけたらポンと音がしたのでH₂、と教科書では整理します。
練習問題
炭酸水素ナトリウムを熱分解するとできる3つの物質を答え、それぞれの確認方法を述べよ。
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炭酸ナトリウム(残った白い粉、強アルカリ性)、水(青色塩化コバルト紙が桃色になる)、二酸化炭素(石灰水が白く濁る)
- 水の電気分解で発生する気体と体積比は
- 陰極と陽極のどちらから水素が発生するか
- 水酸化ナトリウムを少量加えるのはなぜか
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(1) 水素と酸素、体積比 2:1 (2) 陰極 (3) 電気を通しやすくするため(水だけでは電気を通さない)
次は化学変化か物理変化か。
- 氷が水になる
- 鉄が錆びる
- 食塩が水に溶ける
- 紙が燃える
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(1) 物理(同じ H₂O) (2) 化学(酸化鉄に) (3) 物理(食塩と水は別々) (4) 化学(燃えて灰・煙に)
次の式の係数を答えよ。
- ( )NaHCO₃ → Na₂CO₃ + H₂O + CO₂
- ( )Ag₂O → ( )Ag + O₂
- ( )H₂O → ( )H₂ + O₂
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(1) 2 (2) 2, 4 (3) 2, 2
まとめ
- 化学変化:物質の 種類が変わる。物理変化と区別。
- 分解:1つの物質が 2つ以上に分かれる化学変化。
- 熱分解:炭酸水素ナトリウム → 炭酸ナトリウム + 水 + CO₂。酸化銀 → 銀 + 酸素。
- 電気分解:水 → 水素 + 酸素(体積比 2:1)。塩酸 → 水素 + 塩素。
- 気体の確認方法:水素(ポンと音)/酸素(線香激しく燃える)/CO₂(石灰水白く濁る)。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
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