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1章 多項式 ── 51問問題集

展開・除法・乗法公式・因数分解の総まとめ。51問を A〜E に分けて段階的に。すべての問題で 過程も書き、自分の手で計算してから答えを開いてください。

  • 展開問題は、まず すべての積を書き出してから同類項をまとめる。
  • 因数分解問題は、最初に 共通因数がないかを確認し、最後に 展開して元に戻るかで検算する。

展開・因数分解の見分け方

  • 展開は「かっこを外して多項式にする」、因数分解は「かっこの積に戻す」操作。
  • 因数分解では、最初に共通因数を探す。公式を使うのはそのあと。
  • x²+bx+c 型は、積がc、和がbになる2数を探す。
  • 置き換えができる式は、同じまとまりが2回以上出ていないかを見る。
例:2x²+10x+12

まず共通因数2を出して 2(x²+5x+6)。中は積6、和5なので (x+2)(x+3)。

答えは 2(x+2)(x+3)。

この章でつまずきやすいところ

1章の51問は展開と因数分解が交互に出るので、目の前の式が「ばらす方向」なのか「まとめる方向」なのかで頭が混乱しがちです。ここでは問題を解いている途中に多くの中学生が迷う4つの場面を、見分け方と短い具体例で整理します。

(x+a)²を見て中央の2axを忘れてしまう

  • つまずく場面:B群の (x+6)² や (x−3)² を見て、頭の中で x²+6² や x²−9 と書きそうになる場面。平方の意味を「それぞれ2乗するだけ」と勘違いし、真ん中の項が抜けてしまうつまずきです。
  • 克服のコツ:見分け方は「同じものを2回かける=3項できる」と覚えること。(x+a)² は (x+a)(x+a) と書き直し、分配法則で4つの項を作ると、中央に同じ ax が2つ並ぶので合わせて 2ax になります。符号は (x−a)² なら−2axと、aの符号にそろえて書く。なお (5x−4)² のように x の係数が1でないときは、中央項は 2·5·4=40 のように係数の積も2倍になることに注意。
  • ミニ例:(x+6)² を (x+6)(x+6) と並べ直すと x²+6x+6x+36。真ん中の6xが2つあるので合わせてx²+12x+36。

因数分解で共通因数を見つけずに公式から探してしまう

  • つまずく場面:E群の 3x²−27 や 2x²+16x+32 を見て、いきなり「これは何の公式形だろう」と探し始める場面。係数に共通の数字があるのに、公式の形に当てはめようとして手が止まるつまずきです。
  • 克服のコツ:因数分解では「まず共通因数 → 次に公式」の手順を固定します。係数の最大公約数と、すべての項に現れる文字を最初に外に出すこと。共通因数を抜いた中身が x²−○ や x²+bx+c の形になって初めて、公式の出番が来ます。
  • ミニ例:3x²−27 はまず3を外に出して 3(x²−9)。中の x²−9 は x²−3² と書ける2乗の差の形なので、和と差の積を使って 3(x+3)(x−3)。

和と差の積と平方公式の形(項数)を取り違える

  • つまずく場面:B群で (x+5)(x−5) と (x+5)² が並んでいる場面。(x+5)(x−5) を見て真ん中に項を足して x²+10x+25 と書いたり、(x+5)² を見て2項のまま x²−25 と書いてしまったりするつまずきです。
  • 克服のコツ:位置関係で見分けます。かっこが2つ並んで符号が逆なら和と差の積で答えは2項( x²−a² )。同じかっこを2乗なら平方公式で答えは3項( x²±2ax+a² )。「かっこの数」と「中の符号がそろっているか」を最初に確認するのがコツです。
  • ミニ例:(x+5)(x−5) は符号が逆 → x²−25。(x−5)² は同じかっこの2乗 → x²−10x+25。

x²+bx+c型で和と積を取り違える

  • つまずく場面:D群の x²+7x+12 や x²−5x−24 を見て、「12になる2数は…3と4」と思いついた瞬間、和が合っているか確かめずに書いてしまう場面。とくに −5x−24 のように符号が混ざると、どちらの数を負にするか迷うつまずきです。
  • 克服のコツ:手順で整えます。定数項cが正なら2数は同符号、負なら異符号。同符号のときは1次の係数bの符号がそのまま2数の符号。異符号のときは絶対値の大きい方の符号がbと一致します。
  • ミニ例:x²−5x−24 は積−24で異符号、和−5なので大きい方が負。−8と+3で (x−8)(x+3)。
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A 多項式の展開・除法(11問)
  1. (x + 2)(x + 5)
  2. (x + 3)(x − 7)
  3. (x − 4)(x − 6)
  4. (2x + 1)(x − 3)
  5. (3a − 2)(a + 4)
  6. (x + y)(x + 3)
  7. (a + b)(a + b + 1)
  8. (x + y + 2)(x − 3)
  9. (2x − y)(x + 3y)
  10. (x + 1)(x − 1)(x² + 1)
  11. (6a²b − 9ab) ÷ 3ab
答えを見る

(1) x² + 7x + 10

(2) x² − 4x − 21

(3) x² − 10x + 24

(4) 2x² − 5x − 3

(5) 3a² + 10a − 8

(6) x² + 3x + xy + 3y

(7) a² + 2ab + b² + a + b

(8) x² − 3x + xy − 3y + 2x − 6 = x² + xy − x − 3y − 6

(9) 2x² + 6xy − xy − 3y² = 2x² + 5xy − 3y²

(10) (x²−1)(x²+1) = x⁴ − 1

(11) 6a²b÷3ab − 9ab÷3ab = 2a − 3

B 乗法公式の利用(10問)
  1. (x + 6)²
  2. (x − 9)²
  3. (2x + 3)²
  4. (x + 5)(x − 5)
  5. (3a + 2b)(3a − 2b)
  6. (x + 3)(x + 8)
  7. (x − 4)(x + 9)
  8. (x − 6)(x − 2)
  9. (5x − 4)²
  10. (7 + x)(7 − x)
答えを見る

(1) x² + 12x + 36

(2) x² − 18x + 81

(3) 4x² + 12x + 9

(4) x² − 25

(5) 9a² − 4b²

(6) x² + 11x + 24

(7) x² + 5x − 36

(8) x² − 8x + 12

(9) 25x² − 40x + 16

(10) 49 − x²

C 共通因数(10問)
  1. 4x + 12
  2. 3a² − 6a
  3. 6xy + 9x
  4. 2a²b − 6ab²
  5. 5x²y + 10xy − 15xy²
  6. −4x² + 8x
  7. a(x − 1) + 3(x − 1)
  8. (x − 2)·5 − (x − 2)·x
  9. 4x³ − 8x² + 12x
  10. 15a²b + 10ab² − 5ab
答えを見る

(1) 4(x + 3)

(2) 3a(a − 2)

(3) 3x(2y + 3)

(4) 2ab(a − 3b)

(5) 5xy(x + 2 − 3y)

(6) −4x(x − 2)

(7) (x − 1)(a + 3)

(8) (x − 2)(5 − x)

(9) 4x(x² − 2x + 3)

(10) 5ab(3a + 2b − 1)

D 公式の逆(10問)
  1. x² + 10x + 25
  2. x² − 14x + 49
  3. x² − 36
  4. 9x² − 25
  5. x² + 7x + 12
  6. x² − 9x + 14
  7. x² + 2x − 15
  8. x² − 5x − 24
  9. x² + 11x + 30
  10. 4a² + 12a + 9
答えを見る

(1) (x + 5)²

(2) (x − 7)²

(3) (x + 6)(x − 6)

(4) (3x + 5)(3x − 5)

(5) (x + 3)(x + 4)

(6) (x − 2)(x − 7)

(7) (x + 5)(x − 3)

(8) (x − 8)(x + 3)

(9) (x + 5)(x + 6)

(10) (2a + 3)²

E 応用(10問)
  1. 3x² − 27
  2. 2x² + 16x + 32
  3. x³ − 9x
  4. (x + 2)² − 9
  5. (x − 1)² + 4(x − 1) + 4
  6. x² + xy + 2x + 2y
  7. 51² − 49²(因数分解で計算)
  8. x = 23, y = 13 のとき x² − 2xy + y² の値
  9. x = 99 のとき x² + 2x + 1 の値
  10. x⁴ − 1 を因数分解
答えを見る

(1) 3(x² − 9) = 3(x + 3)(x − 3)

(2) 2(x² + 8x + 16) = 2(x + 4)²

(3) x(x² − 9) = x(x + 3)(x − 3)

(4) (x + 2 + 3)(x + 2 − 3) = (x + 5)(x − 1)

(5) (x − 1 + 2)² = (x + 1)²

(6) x(x + y) + 2(x + y) = (x + y)(x + 2)

(7) (51 + 49)(51 − 49) = 100·2 = 200

(8) (x − y)² = (23 − 13)² = 10² = 100

(9) (x + 1)² = 100² = 10000

(10) (x² + 1)(x² − 1) = (x² + 1)(x + 1)(x − 1)

テスト前のチェックリスト

  • □ 多項式 × 多項式 = すべての組み合わせを取る
  • □ (x+a)² = x² + 2ax + a²
  • □ (x−a)² = x² − 2ax + a²
  • □ (x+a)(x−a) = x² − a²
  • □ (x+a)(x+b) = x² + (a+b)x + ab
  • □ 共通因数:すべての項に共通する因数を外に出す
  • □ 公式の逆向き:因数分解は公式の 逆方向
  • □ 置き換え:同じカタマリは M で置き換え
つまずきポイントの再確認
  • 符号:(x − a)² の真ん中の項は −2ax(マイナス)
  • 係数2の符号:(x+2)(x+3) の和 5、(x−2)(x−3) の和 −5、(x+2)(x−3) の和 −1
  • 共通因数を見落とさない:3x² + 6x = 3x(x+2)(3 と x が共通)
  • 因数分解は止まったらやめない:(x²−9) = (x+3)(x−3) のように更に分解できる場合

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

商品バーコードのチェックデジットも「掛けて足す」計算実生活

商品についているJANコード(13桁)の最後の1桁は、前の12桁に1と3を交互に掛けて合計し、10で割った余りから求める「チェックデジット」です。これは式の計算(積と和)で読み取りミスを見抜く仕組みで、日本ではGS1 Japan(流通システム開発センター)が方式を定めています。多項式の計算で身につける「掛けて足す」操作が、社会の仕組みを支えています。

出典:GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)チェックデジットの計算方法

素因数分解の難しさがインターネットの暗号を守る発展

RSA暗号は、2つの大きな素数 p・q の積 n=p×q を公開し、n を素因数分解して p と q を求めるのが非常に難しいことを安全性の根拠にしています。情報通信研究機構(NICT)の資料では、いま実用化が進む量子コンピュータでも素因数分解はまだ 15=3×5 や 21=3×7 が解ける段階だと説明されています。素因数分解は中学で学ぶ計算ですが、巨大な数では世界の通信の安全を左右します。

出典:総務省/NICT 資料「量子コンピュータとその暗号技術への影響」(情報通信研究機構 野島良)

史上最大の素数は約4100万桁(2024年発見)発展

世界中のコンピュータで素数を探すプロジェクトGIMPSは、2024年に史上最大の素数 2^136279841−1 を発見しました。これは10進数で41,024,320桁もあり、52番目に見つかったメルセンヌ素数です。2^n−1 という指数の式の形に注目して探していて、累乗や式の見方が大きな発見につながっています。

出典:GIMPS(Great Internet Mersenne Prime Search)公式発表 M136279841

2^n−1 が素数なら指数 n も素数になる発展

2^n−1 の形の数(メルセンヌ数)は、もし素数ならば指数 n も必ず素数になることが知られています。これは n が合成数のとき 2^n−1 を因数分解できることから示せ、まさにこの章で学ぶ因数分解の考え方が使われます。だから巨大素数の探索では、指数に素数だけを試せばよいのです。

出典:GIMPS(Great Internet Mersenne Prime Search)Math 解説

メルセンヌ素数と「完全数」のふしぎなつながり発展

自分自身を除く約数の和が自分と等しい数を完全数といい、6(=1+2+3)や28が例です。2^p−1 が素数(メルセンヌ素数)のとき 2^(p−1)(2^p−1) は必ず完全数になり、偶数の完全数はすべてこの形に限られることがオイラーによって証明されています。素数・累乗・約数といった数の性質が、ひとつの式で美しく結びついています。

出典:ウィキペディア日本語版「メルセンヌ数」