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中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

命令文 ── Don't・Let's・please

「窓を開けて。」「静かにして。」── 相手に何かをしてほしいときに使うのが命令文です。主語を省いて動詞の原形からそのまま文を始めるという、これまでとちがう文の作り方を学びます。Don't(否定)・Let's(誘う)・please(ていねいに)を組み合わせると、注意からお願いまで言い分けられます。

命令文の作り方 ── 主語を省いて動詞の原形から

用語
命令文(めいれいぶん)
相手に「〜して」と指示・お願いするときの文。ふつうの文とちがい、主語(You)を省いて、動詞の原形からそのまま文を始める。「あなたに向かって言っている」ので、主語 You は言わなくてもわかる。
ふつうの文 → 命令文

①You open the window.(あなたは窓を開ける)

②主語 You を消す

③Open the window.(窓を開けて。)── 動詞は原形のまま

例文:

  • Open the window. ── 窓を開けて。
  • Stand up. ── 立って。
  • Listen to me carefully. ── 私の話をよく聞いて。
  • Close the door. ── ドアを閉めて。

be動詞の命令文:Be + 形容詞

最重要つまずき:be動詞の原形は be
  • be動詞の文を命令文にするときも、動詞の原形を使う。be動詞(am/is/are)の原形は be。
  • You are quiet. → Be quiet.(静かにして。)
  • Are quiet. や Is quiet. のように am/is/are をそのまま使うのはNG。

例文:

  • Be quiet. ── 静かにして。
  • Be careful. ── 気をつけて。
  • Be kind to your friends. ── 友達に優しくして。
ふつうの文 → 命令文(主語が消え、動詞は原形に) You play soccer. 主語Youを消し、動詞は原形playのまま → Play soccer. ── サッカーをして。 You are quiet. 主語Youを消し、areは原形beに変える → Be quiet. ── 静かにして。(areではなくbe) 命令文は主語を省き、動詞は必ず原形(be動詞ならbe)から始める。
図:ふつうの文の主語を消し、動詞を原形(be動詞ならbe)にすると命令文になります。

否定の命令文:Don't + 動詞の原形

型
Don't + 動詞の原形
「〜しないで」と言うときは、命令文の前に Don't を置く。Don't のあとも動詞は原形のまま。be動詞の否定の命令文は Don't be 〜 になる。
例文

Don't run here. ── ここで走らないで。

Don't touch this. ── これに触らないで。

Don't worry. ── 心配しないで。

Don't be late. ── 遅れないで。(be動詞の否定の命令文)

Let's 〜:「一緒に〜しよう」

用語
Let's(レッツ)
Let us の短縮形。「(私たちで)一緒に〜しよう」と、自分も含めて誘うときに使う。あとには動詞の原形。
例文と応答

Let's play soccer. ── サッカーをしようよ。

── Yes, let's.(うん、しよう。) / No, let's not.(やめておこう。)

Let's go home. ── 帰ろう。

Let's have lunch together. ── 一緒に昼ごはんを食べよう。

Let's と please を混同しない
  • Let's は自分も含めて「一緒に〜しよう」と誘う言い方。
  • please をつけた命令文は、相手だけに「〜してください」とお願いする言い方。自分は含まれない。
型
Let's not + 動詞の原形
「〜するのはやめよう」と、一緒にしないことを誘うときの言い方。Let's の後ろに not を入れる。
例文

Let's not talk about it.(それについて話すのはやめよう)

Let's not go out today.(今日は出かけるのはやめよう)

Let's play soccer. の返事 No, let's not.(やめておこう)と同じ not が Let's not 〜 でも使われている。

please:ていねいな命令文

please をつけると、命令文がていねいな「お願い」になる。位置は文の最初か文の最後。

  • Please open the window. ── 窓を開けてください。
  • Open the window, please. ── 窓を開けてください。
  • Please be quiet. ── 静かにしてください。
文末の please の前にはコンマ
  • 文の最後に please をつけるときは、please の前にコンマ(,)を置く。
  • ○ Close the door, please. / × Close the door please.

呼びかけ:名前を先に置く

命令文の前や後ろに、呼びかける相手の名前を置くこともできる。名前の前後にはコンマを置く。

  • Ken, open the door. ── ケン、ドアを開けて。
  • Be quiet, everyone. ── みんな、静かにして。

命令文 + and / or(中2以降でくわしく)

命令文のあとに and や or を続けると、「〜すれば…」「〜しないと…」という意味を作れます。この使い方は中2以降でくわしく学びますが、ここで少しだけ触れておきます。

  • Hurry up, and you will catch the bus. ── 急げば、バスに間に合うよ。
  • Hurry up, or you will miss the bus. ── 急がないと、バスに遅れるよ。

英語で使えるようにする練習

この単元は、説明を読んで終わりにすると定着しません。次の型を、動詞や場面を入れ替えながら声に出してください。

型
命令文の基本パターン
動詞の原形 + ....(否定は Don't + 原形、誘うときは Let's + 原形)
音読して覚える例文

Open the window, please.

Don't be late.

Let's play soccer.

よくあるミス
  • 命令文では主語を言わない。動詞は必ず原形。
  • be動詞の命令文は Be〜。Are〜やIs〜にしない。
  • 文末のpleaseの前にはコンマを置く。

この単元でつまずきやすいところ

命令文は形はシンプルですが、主語を省く・動詞を原形に戻すという「これまでと逆」の操作が必要なため、本文や英作文の途中で手が止まりがちです。この単元特有の迷いどころを整理します。

動詞の原形を忘れて三単現のsをつけてしまう

  • つまずく場面:「彼が窓を開ける」と同じ感覚で Opens the window. と書いてしまう場面。命令文には主語がないため、三単現のsをつける根拠がそもそもないことに気づきにくい。
  • 克服のコツ:見分け方は「命令文には主語がない」ことを先に確認すること。三単現のsは主語が三人称単数のときにだけつくルール。命令文は主語そのものが存在しないので、動詞は常に原形のまま。
  • ミニ例:× Opens the window. / ○ Open the window.(主語がないのでsはつけない)

be動詞の命令文でAre/Isを使ってしまう

  • つまずく場面:You are quiet. を命令文にするとき、areをそのまま残して Are quiet. と書いてしまう場面。ふつうの文でareを使っていたクセが抜けない。
  • 克服のコツ:因果関係で整理する。命令文の動詞は必ず原形で、be動詞(am/is/are)の原形はbeだけ。「be動詞の命令文=Be〜」を1つの型として覚えると迷いが消える。
  • ミニ例:× Are quiet. / ○ Be quiet.

Don'tの後ろにbe動詞を忘れてしまう

  • つまずく場面:「遅れないで」を英作文するとき、Don't late. のようにbe動詞を落として書いてしまう場面。日本語には「〜ないで」に対応する動詞が見えにくいため、英語でも動詞を省いてよいと感じてしまう。
  • 克服のコツ:位置関係で整理する。Don'tのすぐ後ろには必ず動詞の原形が必要。late(形容詞)の前には動詞beが要るので、Don't be lateという形をセットで覚える。
  • ミニ例:× Don't late. / ○ Don't be late.

Let'sの後ろをing形にしてしまう

  • つまずく場面:「サッカーをしようよ」と誘う文で、Let's playing soccer. のように動詞をing形にしてしまう場面。「〜しよう」という誘いの響きから、動作を表すing形が合うように感じてしまう。
  • 克服のコツ:見分け方はLet'sの後ろも命令文と同じ動詞の原形と覚えること。Let's = Let usで、命令文と同じ「原形から始まる」仲間だと位置づけると混同しにくい。
  • ミニ例:× Let's playing soccer. / ○ Let's play soccer.
問題1(命令文への書きかえ)
次の文を命令文に書きかえなさい。
  1. You open the window.
  2. You are quiet.
  3. You close the door.
答えを見る

(1) Open the window.(主語Youを消し、原形openのまま)

(2) Be quiet.(areではなく原形beを使う)

(3) Close the door.

問題2(否定の命令文)
次の文を Don't を使った否定の命令文に書きかえなさい。
  1. Run here.
  2. Be late.
  3. Touch this.
答えを見る

(1) Don't run here.

(2) Don't be late.(Don'tの後ろも原形beのまま)

(3) Don't touch this.

問題3(Let's と応答)
日本語を参考に、Let's を使った文と、( )内の意味の応答を書きなさい。
  1. サッカーをしようよ。(賛成する)
  2. 帰ろう。(賛成する)
  3. 公園に行こう。(やめておく)
答えを見る

(1) Let's play soccer. — Yes, let's.

(2) Let's go home. — Yes, let's.

(3) Let's go to the park. — No, let's not.

問題4(誤りなおし)
次の英文には1つずつまちがいがあります。直して書きなさい。
  1. Opens the window.
  2. Are quiet, please.
  3. Let's playing soccer.
答えを見る

(1) Open the window. ── 命令文には主語がないのでsをつけない。

(2) Be quiet, please. ── be動詞の命令文はBeを使う。

(3) Let's play soccer. ── Let'sの後ろは動詞の原形。

追加問題(瞬間英作文)
次の日本語を、このページの型を使って英語にしなさい。
  1. ドアを閉めてください。(文末にpleaseをつける)
  2. ここで走らないで。
  3. ケン、静かにして。(呼びかけを使う)
答えを見る

(1) Close the door, please.

(2) Don't run here.

(3) Ken, be quiet.

まとめ

  • 命令文:主語を省き、動詞の原形から文を始める。be動詞の原形はbe。
  • 否定:Don't + 動詞の原形。be動詞も Don't be 〜。
  • Let's + 動詞の原形:自分も含めて「一緒に〜しよう」。応答は Yes, let's. / No, let's not. 否定は Let's not + 動詞の原形「〜するのはやめよう」。
  • please:文頭または文末(コンマ+please)でていねいにする。
  • 呼びかけ:名前の前後にコンマを置いて命令文に添える。
  • 命令文 + and/or(〜すれば…/〜しないと…)は中2以降でくわしく学ぶ。

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

命令文には主語を入れて強調することもある発展

ケンブリッジ英文法辞典によると、命令文はふつう主語を省きますが、強く言いたいときや対比を示したいときは、あえて You を入れることがあります。You sit down!(あなたは座って!)のように You を入れると、命令の響きが強くなります。中1ではまず「主語を省く」形をしっかり身につけましょう。

出典:Cambridge Dictionary Grammar「Imperative clauses (Be quiet!)」

pleaseは「if you please(あなたが喜ぶなら)」を短くした言葉発展

英語の語源辞典によると、命令文をていねいにするpleaseの使い方は1620年代から記録が残っています。もとは「if it please you(それがあなたを喜ばせるなら)」という言い方を短くしたもので、目上の人に何かを頼むときに使われていました。だから今でもpleaseをつけると、ていねいなお願いになるのです。

出典:Online Etymology Dictionary(please)

観光地の案内板にも命令文の英語が使われている実生活

観光庁は2014年に「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」を策定し、観光地・道路・公共交通機関などで禁止や注意を伝える案内表示は、英語を基本に統一することを定めました。こうした案内表示には、命令文のかたちをした短い英語がよく使われています。

出典:国土交通省・観光庁「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」

教室で使う「クラスルームイングリッシュ」も命令文が中心実生活

文部科学省の小学校外国語活動・外国語研修ガイドブックには、授業の中で先生が使う短い指示表現(クラスルームイングリッシュ)がまとめられています。Stand up.やSit down.、Be quiet.のような命令文は、実際の英語の授業でもよく使われている表現なのです。

出典:文部科学省「小学校外国語活動・外国語 研修ガイドブック」