アルファベットの「名前」と「音」
いくつかの文字で、名前と音を比べてみましょう。
- A の名前は「エイ」/cat(ねこ)の中の音は「ア」に近い音。
- B の名前は「ビー」/box(箱)の中の音は「ブ」に近い音。
- D の名前は「ディー」/dog(犬)の中の音は「ドゥ」に近い音。
- N の名前は「エヌ」/nut(ナッツ)の中の音は「ヌ」に近い音。
- アルファベットの名前をそのまま単語の音として使うと、正しく読めなくなることが多い。
- 例:cat の a を名前と同じ「エイ」で読んでしまうと「ケイト」のようになり、まちがいになる。
母音字の2つの読み方 ── cap/cape とマジックe
①cap(キャップ)── aは短く「ア」/æ/
②語末に e を1つ加える
③cape(ケイプ)── aは長く「エイ」/eɪ/に変わり、eそのものは発音しない
oでも同じことが起こります。
①not(ノット)── oは短く「オ」/ɒ/
②語末に e を1つ加える
③note(ノウト)── oは長く「オウ」/oʊ/に変わり、eそのものは発音しない
この形(母音字+子音字+e)を持つ単語はほかにもたくさんあります。
- make(つくる)・name(名前)
- like(好き)・time(時間)・bike(自転車)
- nine(9)・five(5)
- game(ゲーム)・cake(ケーキ)
- have(持っている)はこの形に似ているが、aは短い音のまま。すべての単語がルールどおりになるわけではなく、例外もある。
- まずは cap/cape のような基本パターンをしっかり身につけ、例外は出てきたときに1つずつ確認する。
2文字で1つの音 ── sh・ch・th・ph・ck
- sh → /ʃ/ の音1つ:fish(魚)・shop(店)
- ch → /tʃ/ の音1つ:chair(いす)・much(たくさんの)
- th → /θ/ または /ð/ の音1つ:three(3)・this(これ)
- ph → /f/ の音1つ:phone(電話)・photo(写真)
- ck → /k/ の音1つ:black(黒い)・clock(時計)
- this・that の th は、声を出しながら出す音(有声音)。
- three・thank・month の th は、声を出さずに出す音(無声音)。
- どちらも舌先を上の前歯の裏側に軽くあてて出す点は同じ。同じ文字なのに、声を出すか出さないかで2種類の音になる。
連続子音(consonant blend)── bl・cl・str など
- bl:blue(青い)・black(黒い)── /b/+/l/
- cl:class(クラス)・clock(時計)── /k/+/l/
- gr:green(緑)── /g/+/r/
- sw:swim(泳ぐ)── /s/+/w/
- spr:spring(春)── /s/+/p/+/r/(3つの子音が続く)
- ダイグラフ(sh・ch・th・ph・ck):2文字(以上)で1つの音。
- ブレンド(bl・cl・sw・spr など):2文字(以上)でそれぞれの音がそのまま続く。
- 見た目は似ているが、音の数がちがう。fishのshは1つの音、blueのblは2つの音。
語の強勢(アクセント)
- CAM-er-a(camera)── 1つめの音節に強勢
- ba-NA-na(banana)── 2つめの音節に強勢
- pi-AN-o(piano)── 2つめの音節に強勢
- gui-TAR(guitar)── 2つめの音節に強勢
- EN-glish(English)は1つめの音節に強勢があるが、Ja-pa-NESE(Japanese)は最後の音節に強勢がある。
- 単語の形だけで強勢の位置を予測するのはむずかしい。新しい単語を覚えるときは、強勢の位置もセットで確認する。
イントネーション(文末の上げ下げ)
Do you like cats?↗ ── Yes/Noで答える疑問文(上げ調子)
What time is it?↘ ── 疑問詞で始まる疑問文(下げ調子)
This is my book.↘ ── ふつうの文(下げ調子)
- ここで学ぶのは代表的な原則。Yes/No疑問文=上げ調子、Wh疑問文=下げ調子という基本形をまず覚える。
- 実際の会話では、話し手の気持ちによって調子が変わることもある。
音のつながり(リンキング)
- an apple ── an の n が apple の a につながり、まとまった1つの音のように聞こえる。
- an orange ── 同じように n と or がつながる。
- This is an elephant. ── 文の中でも同じことが起こる。
- a/anの使い分けは、次の単語のつづりではなく音で決まる。母音の音で始まる単語の前は an になる。
- リンキングは「くだけた言い方」ではなく、英語では自然な標準の発音。単語を1つずつ切って読むより、つながりを意識するほうが実際の英語に近づく。
英語で使えるようにする練習
この単元は、説明を読んで終わりにすると定着しません。次の型を、声に出して読みながら確かめてください。
Look at my cap. / Look at my cape.(短母音と長母音を読み分ける)
This is a black clock.(th・ck・cl のちがいを意識する)
Do you like cats?↗ / What time is it?↘(イントネーションを意識する)
- マジックeのeを声に出さない。eの前の母音の音が変わるだけ。
- th・sh・ch を1文字ずつ分けて読まない。2文字で1つの音。
- Yes/No疑問文の文末を下げ調子にしない。
この単元でつまずきやすいところ
音と文字のルールは、単語のスペルを見た瞬間に反射的に使えるようにならないと、読むスピードが上がりません。この単元特有の迷いどころを整理します。
アルファベットの「名前」で単語を読もうとしてしまう
- つまずく場面:cap の a を、アルファベットの名前と同じ「エイ」で読んでしまい、「ケイプ」のように発音してしまう場面。ABCの歌で覚えた名前の音が強く残っているため起こる。
- 克服のコツ:名前と音は別物と割り切る。マジックe(語末のe)がなければ、母音字はふつう短い音になる。
- ミニ例:× cap を「ケイプ」 / ○ cap は「キャップ」、eがついた cape だけ「ケイプ」。
マジックeのeを声に出してしまう
- つまずく場面:cape を「ケイプ・エ」のように、最後のeまで声に出してしまう場面。文字が書かれているのだから音も出すはずだ、という思い込みから起こる。
- 克服のコツ:eは「母音の音を変えるための合図」であって、e自体の音は鳴らさない、と覚える。
- ミニ例:× cape「ケイプエ」 / ○ cape「ケイプ」(eは無音)
th・sh・chなどを1文字ずつ分けて読んでしまう
- つまずく場面:this を「トゥ・ヒス」のように、tとhを別の音として区切って読んでしまう場面。日本語のローマ字にはこの組み合わせがないため、1文字ずつ読みたくなる。
- 克服のコツ:2文字をワンセットの記号として覚える。th・sh・ch はtの音とhの音を別々に出す文字ではなく、2文字で1つの新しい音を表す。
- ミニ例:× this「トゥヒス」 / ○ this「ディス」(thで1つの音)
疑問文の文末をいつも下げ調子で読んでしまう
- つまずく場面:Do you like dogs? のようなYes/No疑問文でも、ふつうの文と同じように文末を下げ調子で読んでしまい、質問らしく聞こえない場面。
- 克服のコツ:疑問文の種類で聞き分ける。Yes/Noで答えられる疑問文は文末を上げ調子に、疑問詞で始まる疑問文は下げ調子に、と型で覚える。
- ミニ例:Do you like dogs↗(上げ調子)/ What time is it↘(下げ調子)
- A ── cat
- B ── box
- D ── dog
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(1) 名前=エイ / 音=ア(cat)
(2) 名前=ビー / 音=ブ(box)
(3) 名前=ディー / 音=ドゥ(dog)
- cap → cape
- not → note
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(1) ア(/æ/)→エイ(/eɪ/)に変わる(キャップ→ケイプ)。eそのものは発音しない。
(2) オ(/ɒ/)→オウ(/oʊ/)に変わる(ノット→ノウト)。eそのものは発音しない。
- fish の sh
- blue の bl
- this の th
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(1) ダイグラフ(/ʃ/ の1音)
(2) ブレンド(/b/+/l/の2音)
(3) ダイグラフ(/ð/ の1音)
- camera:CAM-er-a / cam-ER-a / cam-er-A
- guitar:GUI-tar / gui-TAR
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(1) CAM-er-a ── 1つめの音節に強勢。
(2) gui-TAR ── 2つめ(最後)の音節に強勢。
- Do you like cats?
- What time is it?
- This is my book.
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(1) ↗(上げ調子) ── Yes/Noで答える疑問文。
(2) ↘(下げ調子) ── 疑問詞で始まる疑問文。
(3) ↘(下げ調子) ── ふつうの文。
まとめ
- 名前と音:アルファベットの「名前」(A=エイ)と、単語の中で出す「音」(catのa=ア)はちがう。
- マジックe:語末のeをつけると直前の母音字が長母音に変わり、eそのものは発音しない(cap→cape)。
- ダイグラフ:sh・ch・th・ph・ckなど2文字で1つの音。
- ブレンド(連続子音):bl・cl・str などは2つ以上の子音の音がそのまま続けて聞こえる。
- 強勢:2音節以上の単語には強く読む部分があり、位置は単語ごとに決まっている。
- イントネーション:Yes/No疑問文は上げ調子、Wh疑問文やふつうの文は下げ調子が原則。
- リンキング:子音の後に母音の単語が続くと、音がつながって聞こえる(an apple)。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
ダイグラフとブレンドは「音の数」がちがう発展
アメリカの読み書き教育の専門機関リーディング・ロケッツ(Reading Rockets)のグロッサリーによると、consonant blend(連続子音)は「2つ以上の子音が連続していて、それぞれの音を保っているもの(blackのblやcrispのcrなど)」、consonant digraph(子音のダイグラフ)は「2つの連続する子音が1つの音(音素)を表すもの(ch・sh・thなど)」と説明されています。見た目は似ていても、実際に聞こえる音の数がちがう点が2つの決定的なちがいです。
マジックeのパターンを知ると、初めて見る単語も読める発展
Reading Rocketsの記事によると、母音字の後に子音、そして最後にeが続く形(VCe)は「ふつう長母音になる」というパターンで、mad(マッド)とmade(メイド)のような最小対を使って練習すると身につきやすいとされています。英語の綴りにはこうしたパターンがいくつもあり、法則を知っていると、まだ習っていない単語でもおおよその読み方を予測できるようになります。
出典:Reading Rockets「Mastering 'Silent e' and Becoming More Fluent」
同じつづりでも品詞で強勢の位置が変わる単語がある発展
ケンブリッジ英文法辞典の発音解説によると、英語の強勢(word stress)は単語ごとに決まっており、たとえばinsertは名詞として使うときは1つめの音節に、動詞として使うときは2つめの音節に強勢が置かれるなど、同じつづりでも品詞によって強勢の位置が変わる単語があります。中1で覚える単語の強勢も、今のところは1つずつ確認していく必要があります。
声の上げ下げが疑問文の種類を伝える手がかりになる実生活
ケンブリッジ英文法辞典によると、英語のイントネーションには主に3つの型があり、下げ調子(falling intonation)は文中でいちばん重要な語の強勢部分で声が下がる型で疑問詞で始まる疑問文(wh-questions)でよく使われ、上げ調子(rising intonation)は文末で声が上がる型でYes/Noで答える疑問文(yes-no questions)でよく使われるとされています。日本語ではあまり意識しない声の高さの変化が、英語では文の種類を伝える大事な手がかりになっているのです。
