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中学生の学習ノート教科書をもう一段くわしく

can ──「〜できる」を1語で表す助動詞

「I can swim.(私は泳げる)」── たった3語で「私は泳ぐことができる」が言える、とても便利な単語が can です。これは 助動詞(じょどうし)と呼ばれるもので、動詞の前に置いて意味を足すはたらきをします。「歌う → 歌える」「泳ぐ → 泳げる」のように、動詞に「〜できる」という意味を加えます。中1で出会う最初の助動詞、can の4つの形(普通・否定・疑問・応答)を一気に押さえます。

can は動詞の前に置くだけ

用語
助動詞 can
「〜できる」という意味を動詞に足す。動詞の すぐ前に置く。動詞は変化せず 原形(そのままの形)のまま。I can swim.(私は泳げる)/ She can sing.(彼女は歌える)。否定形は cannot(または can't)。
基本の語順

①主語(I, You, She, He など)

②can

③動詞の原形(swim, play, sing など)

例文:

  • I can swim. ── 私は泳げる。
  • You can play the piano. ── あなたはピアノがひける。
  • She can sing. ── 彼女は歌える。
  • Mark can speak English. ── マークは英語を話せる。

主語が3人称(She, He, Mark)でも can は変わらない

後で習う 三人称単数現在形(Lesson 5)では「She plays」のように動詞に s をつけます。でも can を使うときは、主語が誰でも同じです。

主語が変わっても can は不変

II can sing.

YouYou can sing.

SheShe can sing.(×She cans, ×She can sings)

MarkMark can sing.

つまずきポイント:「She can sings.」「She cans sing.」はNG
  • can そのものに s はつかない。
  • can のあとの動詞にも s はつかない(原形のまま)。
  • 「主語が she/he/it でも、can と動詞は変わらない」と覚える。

否定文:can の後ろに not(cannot)

「〜できない」と言いたいときは、can の後ろに not をつけて cannot(1語で書く)または短縮形 can't(カント)を使います。

否定文の作り方

普通I can swim.

否定I cannot swim.

短縮I can't swim.(会話ではほぼこちら)

  • I cannot sing well. ── 私は上手に歌えません。
  • She can't play the guitar. ── 彼女はギターをひけません。
  • I can't read this kanji. ── 私はこの漢字が読めません。
can not と cannot の違い
  • 否定の意味で書くときは、ふつう cannot(1語)または can't(短縮)を使う。
  • 「can not」と2語に分けて書くこともあるが、テストでは cannot か can't を使うのが安全。

疑問文:Can を文の先頭に

「あなたは〜できますか?」と聞きたいときは、Can を文のいちばん前に持ってきます。

疑問文の作り方

普通You can swim.

疑問Can you swim? ── 主語と can を入れ替える

Can you ...? に答える

  • はい → Yes, I can.
  • いいえ → No, I cannot.(または No, I can't.)

例文:

  • Can you swim? ── あなたは泳げますか?
    ── Yes, I can. / No, I can't.
  • Can she play tennis? ── 彼女はテニスができますか?
    ── Yes, she can. / No, she can't.

can にはもう1つの意味 ──「〜してもよい」「〜してくれる?」

can には「〜できる」のほかに、許可(〜してもよい)や 依頼(〜してくれる?)の意味もあります。

  • You can use my pen. ── 私のペンを使ってもいいよ。【許可】
  • Can you help me? ── 手伝ってくれない?【依頼】
  • Can I sit here? ── ここに座ってもいい?【許可を求める】

同じ can でも、文脈で意味が変わります。中1の段階では 「能力(〜できる)」が中心ですが、こうした使い方もあると知っておくと会話で便利です。

be動詞・一般動詞・can の比較表

普通 否定 疑問
be動詞 I am Hana. I am not Hana. Are you Mark?
一般動詞 I play tennis. I do not play tennis. Do you play tennis?
can I can swim. I cannot swim. Can you swim?

否定の作り方は3パターンとも違うが、疑問文は「動詞や助動詞を文の先頭に出す」共通ルール。

練習問題

英語で使えるようにする練習

この単元は、説明を読んで終わりにすると定着しません。次の型を、主語・時・目的語を入れ替えながら声に出してください。

型
canの基本パターン
主語 + can + 動詞の原形
音読して覚える例文

I can swim.

Can you play the piano?

She cannot speak French.

よくあるミス
  • can の後ろは必ず動詞の原形。can plays は不可。
  • 三単現の s は can の後ろではつけない。
  • 疑問文は Can you ...? のように can を前へ出す。

この章でつまずきやすいところ

canの文を作るとき、中学生は「動詞のすぐ前にcanを置く」というルールを頭では分かっていても、本文や英作文の途中で日本語の語順や三単現の感覚に引っぱられて手が止まりがちです。理解の途中で起きやすい4つの迷いを整理します。

主語がsheやheに変わると、canか動詞のどちらかにsをつけたくなる

  • つまずく場面:「She can sing.」の英作文で、She playsの感覚を思い出して「She cans sing.」か「She can sings.」と書きそうになる場面。主語を見るたびに、どこかにsを足さないと落ち着かない気持ちが出る。
  • 克服のコツ:位置関係で覚えると迷わなくなります。canは助動詞で、主語のすぐ後ろ・動詞のすぐ前に立つ「橋」です。橋自体は形を変えず、橋のあとの動詞は原形のまま立つ、という位置のイメージで処理しましょう。三単現のsはcanのない文だけのルールです。
  • ミニ例:She can sing.(○)/ She cans sing.(×)/ She can sings.(×)。主語が3人称単数の He / She / Mark / My brother になっても、canも動詞も形を変えない。

否定文を作るとき、do notやis notのクセでcanを変えてしまう

  • つまずく場面:「彼女はギターをひけません」を英語にする途中、一般動詞のdo not playやbe動詞のis notが頭に浮かび、「She do not can play 〜」と書き出してしまう場面。canをそのまま残していいのか不安になる。
  • 克服のコツ:見分け方はシンプルです。文の中心がcanのときは、否定はcanのすぐ後ろにnotをつけるだけ。do/does/didもbe動詞も呼んできません。ふつう1語のcannotとつづり、短縮形はcan'tを使います。
  • ミニ例:I cannot swim./She can't play the guitar.(○)/She does not can play 〜(×)/She is not can play 〜(×)。

疑問文を作るとき、Doと混ぜてCan Do you 〜と並べてしまう

  • つまずく場面:「あなたは泳げますか?」を英作するときに、Do you play tennis? のリズムが頭に残っていて、「Do you can swim?」や「Can do you swim?」と書きそうになる場面。文頭に何を置くべきか迷う。
  • 克服のコツ:語順ルールで整理します。canの疑問文は、肯定文の主語とcanを入れ替えるだけ。You can swim. → Can you swim? の操作で完成します。一般動詞の疑問文にはdo/doesで答え、canの疑問文にはcanで答える、というように応答も助動詞をそろえるのが原則です。
  • ミニ例:You can swim. → Can you swim?(○)/ Do you can swim?(×)。応答は Yes, I can. / No, I can't.

can=「できる」だけだと思い込み、本文の別の意味のcanに戸惑う

  • つまずく場面:本文の「You can use my pen.」を読むときに、能力の意味で「あなたは私のペンを使うことができる」と訳したあと、前の文 Here is my pen. などの流れと意味がしっくりこなかったり、先生から「ここは『使っていいよ』の意味だよ」と言われて戸惑う場面。
  • 克服のコツ:因果関係で整理します。中1教科書では can は「できる」という能力の意味が中心ですが、本文や会話文の中では、相手に「使っていいよ」と差し出すような場面の can に出会うこともあります。能力の意味で訳して前後の流れと合わないと感じたら、文脈から別の意味を取りうると意識し、訳を一度ゆるめてみましょう。
  • ミニ例:I can swim.(私は泳げる/能力)/ You can use my pen.(私のペンを使っていいよ、と読める場面もある)。意味は前後の文脈で決まる。
問題1(並びかえ)
日本語の意味になるように、英単語を並びかえなさい。
  1. 私はピアノがひけます。 ── ( I / can / piano / play / the ).
  2. マークは英語を話せます。 ── ( English / can / Mark / speak ).
  3. あなたはギターをひけますか? ── ( play / can / the / you / guitar )?
  4. 私はうまく泳げません。 ── ( well / cannot / I / swim ).
答えを見る

(1) I can play the piano.

(2) Mark can speak English.

(3) Can you play the guitar?

(4) I cannot swim well.(短縮:I can't swim well.)

問題2(書きかえ)
次の文を、(1)否定文、(2)疑問文 に書きかえなさい。
  1. You can sing.
  2. She can play tennis.
答えを見る

(1) You can sing.

  • 否定:You cannot sing.(You can't sing.)
  • 疑問:Can you sing?

(2) She can play tennis.

  • 否定:She cannot play tennis.(She can't play tennis.)
  • 疑問:Can she play tennis?
問題3(応答)
次の質問に、( ) 内の語を使って英語で答えなさい。
  1. Can you swim?(Yes)
  2. Can Mark cook?(No)
答えを見る

(1) Yes, I can.

(2) No, he can't.(または No, he cannot.)── Mark は男性なので he で受ける。

問題4(誤りなおし)
次の英文には1つずつまちがいがあります。直して書きなさい。
  1. She cans play the piano.
  2. I can sings well.
  3. Do you can swim?
答えを見る

(1) She can play the piano. ── can に s はつけない。

(2) I can sing well. ── can のあとの動詞は原形。

(3) Can you swim? ── can の疑問文では Do は使わない。Can で始める。

追加問題(瞬間英作文)
次の日本語を、このページの型を使って英語にしなさい。
  1. 私は泳げます。
  2. あなたはピアノを弾けますか。
  3. 彼女はフランス語を話せません。
答えを見る

(1) I can swim.

(2) Can you play the piano?

(3) She cannot speak French.

まとめ

  • can は動詞に「〜できる」の意味を足す 助動詞。動詞の前に置く。
  • 動詞は 原形(そのままの形)のまま。s をつけない。
  • 主語が she/he でも can は変化しない(She can sing.)
  • 否定:cannot(1語)または can't。例 I cannot swim.
  • 疑問:Can を文の先頭に。例 Can you swim?
  • 応答:Yes, 主語 + can./No, 主語 + can't.
  • can は「〜できる」のほか、許可・依頼の意味でも使える(Can I sit here? / Can you help me?)。

もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)

※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。

can は「動詞の前に置く助動詞」の代表例発展

can は modal verb(法助動詞)と呼ばれる仲間の一つで、will や must なども同じ仲間です。これらの助動詞のあとには to をつけない動詞の原形が続き、she/he が主語でも -s をつけずに形が変わりません。だから「She can sing.」が正しく、「She cans」や「She can sings」は誤りになります。

出典:British Council LearnEnglish(英国の公的国際文化交流機関)

can はもともと「知っている」という意味だった発展

can は古英語の cunnan という動詞からできた言葉で、もとは「知っている・やり方を知っている」という意味でした。「やり方を知っている」から「〜できる」という今の意味に変化したのです。同じ語源から、否定の cannot や、過去を表す could も生まれました。

出典:Online Etymology Dictionary(語源辞典)

can は「許可」や「お願い」でも毎日使われる実生活

ネイティブは can を「〜できる」だけでなく、許可(Can I sit here?=ここに座ってもいい?)やお願い(Can you help me?=手伝ってくれる?)の場面でもよく使います。お店や教室など実生活の会話で何度も登場する、とても役立つ表現です。より丁寧に言いたいときは could や would に変えると、よりやわらかい言い方になります。

出典:British Council LearnEnglish Teens(英国の公的国際文化交流機関)

「英語を話せる(can speak)」と世界はぐっと広がる実生活

世界には現在およそ7,000以上の言語が使われていると報告されています(Ethnologue による集計)。すべては学べませんが、その一つである英語を can speak(話せる)ようになると、たくさんの国の人と話せるようになります。can swim や can play のように、自分の「できること」を英語で言えると、海外の人にも自己紹介できます。

出典:Ethnologue(世界の言語を調査・集計する専門機関)

「話せる」のは声だけではない――手話も「言語」発展

国連で2006年に採択された「障害者の権利に関する条約」では、「言語」を「音声言語及び手話その他の形態の非音声言語」と定義しています。つまり手話も正式な一つの言語です。日本は2014年にこの条約を結んでおり、「I can use sign language.(手話が使えます)」のように can を使って表すこともできます。

出典:障害者の権利に関する条約(日本政府公定訳・国立障害者リハビリテーションセンター情報提供)