図でつかむ
国土の約75%が山地で、山から海までの距離が短い ── これが「短くて急な川」を生み、山の出口には扇状地(果樹園向き)、河口には三角州(水田向き)を作ります。日本最長の信濃川でも367kmで、約6,700kmのナイル川とはけた違いです。
日本の地形の基本
- 山地・丘陵:国土の約 75%(4分の3)
- 平野:約 25%(4分の1)
- 河川:短くて急。短いが大量の水を運ぶ。
- 海岸線:長さ約 35,000km(世界6位)。複雑に入り組む。
これらの特徴は、日本が 4つのプレートがぶつかる場所にあるため。火山活動と地震が頻繁で、山がたくさんできます。日本は太平洋を取り囲む 環太平洋造山帯に属し、ヨーロッパからアジアにのびるアルプス・ヒマラヤ造山帯と並ぶ、世界的な地震・火山の帯にあたります。プレートの動きとの関係は 理科の記事「プレートテクトニクスと大地の変動」でくわしく学べます。
山地・山脈 ── 「日本アルプス」
| 名称 | 場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 飛驒山脈(北アルプス) | 富山・岐阜・長野 | 3,000m級。槍ヶ岳・穂高岳 |
| 木曽山脈(中央アルプス) | 長野 | 駒ヶ岳など |
| 赤石山脈(南アルプス) | 長野・山梨・静岡 | 北岳(3,193m、日本2位) |
| 奥羽山脈 | 東北地方 | 日本最長の山脈(約500km) |
| 日高山脈 | 北海道 | えりも岬まで連なる |
- 富士山(3,776m)は日本最高峰だが、独立峰(火山)であり山脈には含まれない。
- 静岡県と山梨県にまたがる。世界遺産(文化遺産・2013年登録)。
フォッサマグナ ── 日本を2つに分ける溝
川 ── 短くて急
- 日本の川の特徴:短い・急流。山が海まですぐ近いので流れが速い。
- 世界の大河との比較:ナイル川は約6,700km(世界最長)、アマゾン川は約6,500km(流域面積は世界一)、長江約6,300km。日本最長の信濃川でも367km。
最長信濃川(367km) ── 新潟・長野
2位利根川(322km) ── 関東平野
流域面積1位利根川(16,840km²)
その他木曽川・吉野川・四万十川・石狩川・北上川
平野 ── 小さく分散
日本の平野は 沿岸部に小さく分散しています。それでも人口の大半はここに住み、農業・工業の中心地になっています。
| 平野 | 主な川 | 所在 |
|---|---|---|
| 関東平野 | 利根川 | 日本最大の平野 |
| 石狩平野 | 石狩川 | 北海道 |
| 越後平野 | 信濃川 | 新潟(米どころ) |
| 濃尾平野 | 木曽川・長良川・揖斐川 | 愛知・岐阜・三重 |
| 大阪平野 | 淀川 | 大阪・京都 |
| 筑紫平野 | 筑後川 | 福岡・佐賀 |
扇状地と三角州
- 扇状地(せんじょうち):山地から平地に出るところに、川が土砂を扇形に積み上げてできる地形。水はけが良いので果樹園(ブドウ・モモ)に向く。例:山梨県甲府盆地。
- 三角州(さんかくす):川の河口で土砂が堆積してできる平らな地形。水田に向く。例:広島市の太田川下流。
海岸線 ── リアス海岸・砂浜・大陸棚
- リアス海岸:のこぎりの歯のように入り組んだ海岸。湾が天然の良港になる。例:三陸海岸(東北)、若狭湾、志摩半島。
- 砂浜海岸:日本海側・千葉県九十九里浜など。
- 大陸棚:水深200mまでの浅い海底。海岸近くに広がる。漁業に好適。
- 湾の奥は 津波が高くなりやすい。2011年の東日本大震災で、三陸海岸の港町に深刻な被害が出た。
火山 ── 日本は火山列島
- 日本には 約110の活火山。世界の活火山の 約7%が日本に集中。
- 主な活火山:富士山・浅間山・阿蘇山・桜島・有珠山・雲仙岳。
- 火山は 温泉・地熱発電などの恵みも与えてくれる。
この章でつまずきやすいところ
日本の地形は「山地が4分の3」「川は短くて急」「平野は沿岸部に分散」と独特です。本文を読み進めるうちに、似た用語や数字、場所の関係でつまずきやすい場面があります。途中で迷いやすい4つの場面を整理します。
富士山を日本アルプスの一部だと思い込んでしまう
- つまずく場面:本文で「日本アルプス(飛驒・木曽・赤石)」と「富士山3,776m」が続けて出てくると、日本一高い富士山も日本アルプスのどこかに含まれていそうに見えて、3つの山脈との関係が分からなくなる。
- 克服のコツ:見分け方は「山脈か独立峰か」で切り分けること。日本アルプスは長野県を中心に連なる3つの山脈で、富士山は静岡・山梨にまたがる単独の火山(独立峰)。連なっているか、1つだけそびえているかで判断する。
- ミニ例:本文に出る北岳(3,193m)は南アルプス(赤石山脈)の中の山なので「山脈の一部」。一方の富士山は山脈には含まれず、独立峰として別扱いになる。
信濃川と利根川のどちらが「一番」なのかこんがらがる
- つまずく場面:本文に「最長:信濃川367km」「2位:利根川322km」「流域面積1位:利根川16,840km²」と数字が並んだとき、どちらが日本一なのか分からなくなり、「利根川が一番長い」と勘違いしてしまう。
- 克服のコツ:見分け方は「長さ」と「流域面積」を別の軸として扱うこと。長さの1位は信濃川、流域面積の1位は利根川と、評価軸ごとに王者が違う。「何の1位か」を必ず本文で確認してから答える。
- ミニ例:「日本で一番長い川は」と問われたら信濃川(367km)。「関東平野を流れ、流域面積が最大の川は」と問われたら利根川。同じ川でも問いの軸で答えが変わる。
扇状地と三角州ができる場所を取り違える
- つまずく場面:本文を読みながら「扇状地は果樹園、三角州は水田」と用語と作物は覚えたものの、どっちが山のふもとで、どっちが河口にできるのかが途中で逆になり、地図問題で迷ってしまう。
- 克服のコツ:川の流れの順番でとらえると整理しやすい。川は山から海へ流れるので、上流側(山地から平地に出るところ)が扇状地、下流側(河口)が三角州。「扇→三角」を川の旅の順に並べると覚えやすい。
- ミニ例:甲府盆地は山から出てすぐの位置にあるので扇状地で、水はけが良くブドウ・モモなどの果樹園が広がる。広島市の太田川下流は河口に近いので三角州で、水田が中心になる。
リアス海岸は「良港だから安全」と読み替えてしまう
- つまずく場面:本文で「リアス海岸は湾が天然の良港」と説明されると、入り組んだ海岸は守られていて災害にも強そうに感じてしまい、続けて出てくる「津波に弱い」という話と頭の中でかみ合わなくなる。
- 克服のコツ:因果関係でとらえること。湾が深く入り込んでいる→波が静かで港に向くという長所と、湾の奥に向かって津波が高くせり上がるという短所は、同じ地形の特徴から生まれる表と裏。良港だから安全、ではない。
- ミニ例:東北の三陸海岸はリアス海岸で、ふだんは漁港として活用される一方、教科書では2011年の東日本大震災で湾奥の港町に深刻な津波被害が出たと整理する。
練習問題
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山地・丘陵:約 75%(4分の3)
平野:約 25%(4分の1)
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北アルプス:飛驒山脈
中央アルプス:木曽山脈
南アルプス:赤石山脈
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短いこと、流れが急(急流)であること。山が海から近く、勾配が大きいため。
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扇状地:山地から平地への出口に土砂が扇形に堆積。水はけが良いので 果樹園(ブドウ・モモ)。
三角州:河口に土砂が堆積した平らな地形。水を保てるので 水田に向く。
まとめ
- 日本の国土は 75%が山地・丘陵、平野は4分の1。
- 本州中部の 日本アルプス(飛驒・木曽・赤石)に3,000m級が連なる。
- 本州を東西に分ける フォッサマグナ(糸魚川-静岡構造線)。
- 川は 短くて急。最長の信濃川でも367km。
- 平野は 沿岸部に小さく分散。関東平野が最大。
- 扇状地は果樹園、三角州は水田。
- 海岸線は約35,000km(世界6位)。リアス海岸は天然の良港だが津波に弱い。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
富士山の標高、最新測量で「5cm高い」3775.56m時事
国土地理院は衛星測位を使った最新の測量で、富士山にある三角点の標高がこれまでより5cm高い3775.56mだと発表し、2025年4月1日に改定しました。長い年月の地殻変動で生じたズレを直したためで、ふだん使う「3776m」という最高地点の高さは変わりません。
2024年能登半島地震で海岸が最大約4m隆起時事
2024年元日の能登半島地震では、半島の海岸が最大で約4mも持ち上がり、海だった場所が陸になりました。産総研の調査では鹿磯漁港で3.8〜3.9mの隆起が確認され、新しい海成段丘ができたとされ、能登の地形が地震のたびに隆起をくり返してきたことがわかります。
日本の活火山は111、世界の活火山の約7%発展
気象庁は「およそ過去1万年以内に噴火した火山や、活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義しており、2017年に111となりました。この定義ができた2003年当初は108でしたが、2011年に2火山、2017年に1火山が新たに加わって増えています。気象庁はこれらを24時間体制で監視しています。
出典:気象庁「活火山とは」
火山が多い日本は地熱資源が世界第3位発展
火山が多いことは噴火の危険だけでなく、地下の熱を利用する地熱発電という恵みにもつながります。資源エネルギー庁によると、日本の地熱資源量は約2300万kWでアメリカ、インドネシアに次ぐ世界第3位です。ただし温泉への影響などの課題もあり、実際の発電量はまだ多くありません。
「急な川」がもたらす災害──線状降水帯への備え発展
山が海に近く川が短く急な日本では、大雨が一気に流れて洪水や土砂災害が起きやすくなります。気象庁は短時間に大雨を降らせる「線状降水帯」の予測を強化し、2024年から都道府県単位での発表を始めました。2029年には市町村単位で半日前に知らせることを目指しています。
外国人向け資料も伝える「国土の約4分の3が山地」発展
日本の国土のおよそ4分の3が山地で、平野は約4分の1にすぎないという特徴は、国の公式資料でも基本として説明されています。国土交通省が外国人向けに作った里山(SATOYAMA)の解説資料でも、山地が国土のおよそ4分の3を占めると説明されています。だからこそ人々は限られた平野に集まって暮らしてきました。
