仮定法の形
「もし~なら、…するのに」
現実とは違うことを表す。
仮定法を使う場面
現実:今お金がない
→ 仮定法:「もしお金があれば、旅するのに」
現実:私は鳥ではない
→ 仮定法:「もし私が鳥なら、空を飛ぶのに」
→ 実際には起こり得ないこと、または起こりにくいこと
→ 想像・願望・後悔を表す
例文
If I had money, I would travel.
(お金があれば旅するのに)= 今お金がないから旅できない
If I were you, I would say sorry.
(私があなたなら謝るのに)
If she lived nearby, we could meet often.
(彼女が近くに住んでいれば、よく会えるのに)
If I knew his number, I would call him.
(彼の番号を知っていれば、電話するのに)
be動詞は were(重要)
「If I were ~」が定型句。
If I were a bird, I would fly.(私が鳥なら飛ぶのに)
If he were here, he would help us.(彼がここにいれば手伝うのに)
If I were rich, I would buy a yacht.
If she were taller, she could be a model.
→ 文法的には「I were」「he were」が正式
→ 会話では「I was」「he was」も許容
would と could の使い分け
- would:「〜するだろう」(意志、推測)
- could:「〜できるだろう」(能力、可能性)
- 例:If I had time, I would go.(時間あれば行くだろう)
- 例:If I had wings, I could fly.(翼があれば飛べるだろう)
I wish の文(願望)
「現実は違うが、こうあってほしい」という気持ち。
I wish I were rich.(金持ちだったらいいのに)
I wish I had a car.(車があったらいいのに)
I wish I could speak Spanish.(スペイン語が話せたらいいのに)
I wish you were here.(あなたがここにいたらいいのに)
I wish I knew the answer.(答えを知っていたらいいのに)
直説法との違い(重要)
| 直説法 | 仮定法 | |
|---|---|---|
| 形 | If + 現在形, will/can ... | If + 過去形, would/could ... |
| 意味 | 現実にありうる仮定 | 現実と違う仮定 |
| 例 | If it rains, I will stay home. | If I had wings, I would fly. |
| 感覚 | 現実的・実現可能 | 非現実的・想像 |
使い分けの例
直説法:If I have time tomorrow, I will visit you.
(明日時間あれば訪ねる ← 時間があるかもしれない)
仮定法:If I had time now, I would visit you.
(今時間あれば訪ねるのに ← 今時間がない)
→ 現実かどうかで使い分け
- 仮定法では 現在の仮定でも動詞は過去形
- 「現実と違う」を表すための「時制のシフト」
- be動詞は人称関係なく were(口語では was も)
- 「If I am」と書かないように注意(仮定法は「If I were」)
- would:〜するだろう(意志・推測)
- could:〜できるだろう(能力・可能性)
- 主節の助動詞は省略不可
- × If I had time, I will go.(直説法と混在)
- ○ If I had time, I would go.
- if節:過去形(had, were, lived など)
- 主節:would/could + 動詞原形
- 両方とも「過去形系」だが、現在のことを言っている
- 過去のことなら「had + 過去分詞」を使う(仮定法過去完了、高校)
英語で使えるようにする練習
この単元は、説明を読んで終わりにすると定着しません。次の型を、主語・時・目的語を入れ替えながら声に出してください。
If I had time, I would read books.
If I were you, I would apologize.
I wish I could fly.
- 現実と違う話なので過去形を使う。
- be動詞は were を使う形が基本。
- would の後ろは動詞の原形。
この章でつまずきやすいところ
仮定法は「現実と違うこと」を表す形ですが、読んでいる途中で「なぜ今の話なのに過去形?」「If I were って間違いじゃない?」と立ち止まりやすい単元です。読解中の迷いポイントを4つに整理します。
過去形を見て「昔の話」と読み違える
- つまずく場面:本文で「If I had money, I would travel.」を見たとき、had が過去形なので「昔お金があった頃の話かな?」と読んでしまい、文全体の意味がぼやけて止まる場面。
- 克服のコツ:見分け方は時間ではなく現実度で考えること。If節に過去形+主節に would/could がそろっていれば、それは過去の出来事ではなく今の現実と違う仮定です。過去形は「現実から距離を取るための合図」と読み替えると意味が通ります。
- ミニ例:If I had money, I would travel. → 「昔お金があった」ではなく「今お金がないから旅できない」という現在の話。
If I were を間違いだと思い込む
- つまずく場面:教科書で「If I were you」を読んだとき、「I のあとは was のはず。were は you/we/they じゃないの?」と引っかかり、誤植かと疑って先に進めなくなる場面。
- 克服のコツ:見分け方は仮定法かどうか。普通のbe動詞のルールは「I → was」ですが、仮定法では主語にかかわらずwere を使うのが正式です。If I were / If he were / If she were はすべて決まり文句として、丸ごと型で覚えるのが安全です。
- ミニ例:If I were a bird, I would fly. / If he were here, he would help us. ── どちらも仮定法なので were。
If節と主節の時制をそろえてしまう
- つまずく場面:英作文で「もし時間があれば行くのに」を書くとき、If I had time, ... まで書いた後、主節を I will go と書くか I would go と書くかで手が止まる場面。直説法のクセが出てしまう。
- 克服のコツ:位置関係で覚えること。仮定法はif節=過去形/主節=would・could+動詞の原形がワンセット。片方だけ過去形にして主節を will にすると直説法と混ざります。「過去形が出てきたら、相手側は would/could」とペアで動かすと決めておくとブレません。
- ミニ例:× If I had time, I will go. / ○ If I had time, I would go.
I wish のあとを現在形で書いてしまう
- つまずく場面:「スペイン語が話せたらいいのに」を英作するとき、I wish I can speak Spanish. と書きかけて、「いま話せないのに can でいいの?」と迷って手が止まる場面。
- 克服のコツ:因果関係で整理すること。I wish は現実とは違う願望を表すので、後ろは過去形(could / had / were など)を置きます。「今そうではない → だから現実から距離を取る → だから過去形」という流れ。If I were と同じ感覚で、wish のあとも一段ズラすと覚えます。
- ミニ例:× I wish I can speak Spanish. / ○ I wish I could speak Spanish. / ○ I wish I were taller.
練習問題
- If I (am / were) rich, I would buy a big house.
- If she (has / had) more time, she would travel.
- I wish I (am / were) taller.
- If he (is / were) here, he would help.
答えを見る
(1) were (2) had (3) were (4) were
- もし私があなたなら、その仕事を引き受けるだろう。
- 英語が話せたらいいのに。
- もし時間があったら、京都に行くのに。
- もし私が鳥なら、空を飛ぶのに。
答えを見る
(1) If I were you, I would take the job.
(2) I wish I could speak English.
(3) If I had time, I would go to Kyoto.
(4) If I were a bird, I would fly in the sky.
次の現実を仮定法で表せ。
I am not rich. I cannot buy a yacht.
答えを見る
If I were rich, I could buy a yacht.
次の状況に合う方を選べ。
- 明日雨が降るかもしれない(直説法)
- 私は鳥ではない(仮定法)
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(1) If it rains tomorrow, I will stay home.
(2) If I were a bird, I would fly.
- もし時間があれば、本を読むのに。
- もし私があなたなら、謝るでしょう。
- 空を飛べたらいいのに。
答えを見る
(1) If I had time, I would read books.
(2) If I were you, I would apologize.
(3) I wish I could fly.
まとめ
- 仮定法:現実と違うことを「もし~なら…」で表す。
- 形:If + 過去形, would/could + 動詞の原形。
- be動詞は were(人称無関係)。
- I wish + 過去形:「〜だったらいいのに」現実と違う願望。
- 直説法(現実的)と仮定法(非現実)で使い分け。
- would(意志・推測)、could(能力・可能性)。
もっと知る ── 発展・実生活(出典つき)
※ 教科書の内容に、信頼できる出典をもとにした発展・実生活・時事の話題を補足しています(教科書そのものではありません)。
ヒット曲のタイトルにも仮定法の were実生活
ビヨンセの大ヒット曲「If I Were a Boy(もし私が男の子だったら)」は、実際には男の子ではない自分を想像する歌で、仮定法の were を正しく使っています。歌詞の I was ではなく were という形が、「現実とは違う想像」を一瞬で伝えています。
出典:The Christian Science Monitor「Slipping into a subjunctive mood」
If I were か If I was か発展
書き言葉や正式な英語では If I were や I wish I were のように were を使うのが標準とされます。一方、ふだんの会話では If I was のような was もよく使われ、どちらを選ぶかは英語話者の間でも意識される話題です。
出典:The Christian Science Monitor「Slipping into a subjunctive mood」
仮定法は他の言語ではもっと活躍する発展
スペイン語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語などのロマンス諸語は、ラテン語から受け継いだ仮定法(接続法)を、疑い・願望・仮定を表すときに英語よりずっと幅広く使います。英語の仮定法はその仲間の中ではかなり簡素になった形だといえます。
「過去形」だけど過去のことではない発展
I wish she were here の were のような形は、伝統的な文法では「過去仮定法」と呼ばれてきました。しかし権威ある文法書 The Cambridge Grammar of the English Language では、過去の意味ではないため「非現実(irrealis)の法」と呼び分けています。形は過去形でも、表しているのは現在の現実と違う状態です。
I wish は今の気持ちを表す実生活
I wish I knew the answer は「答えを知っていたらいいのに」という、過去ではなく今の願いを表します。英語では現在形ではなく過去形を使うことで「現実とは違う」という距離感を出しており、これは仮定法と同じ仕組みです。
